第107回(R3) 保健師国家試験 解説【午後1~5】

 

1 A 市の世帯構造別にみた世帯の割合を図に示す。
 平成28 (2016 年)の国民生活基礎調査に基づく全国の割合と比較して、A市が高いのはどれか。

1.単独世帯
2.夫婦のみの世帯
3.夫婦と未婚の子のみの世帯
4.三世代世帯

解答

解説
1.〇 正しい。単独世帯は、全体の28.8%である。A市は35%であり全国と比較して高くなっている。
2.× 夫婦のみの世帯は、全体の24.4%である。A市の22%である。
3.× 夫婦と未婚の子のみの世帯は、全体の28.4%である。A市の28%である。
4.× 三世代世帯は、全体の5.1%である。A市の4%である。

(※データ引用:厚生労働省HPより「2019年 国民生活基礎調査の概要」)

 

 

 

 

 

2 感染症を含む国際的な公衆衛生上の緊急事態を構成する恐れのある事象が発生した場合、世界保健機関(WHO)に報告することを参加国に義務づけているのはどれか。

1.パリ協定
2.バンコク憲章
3.国際保健規則
4.ニュルンベルク綱領

解答

解説

地球温暖化対策の国際条約

気候変動枠組条約(1992年):①大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることが目的である。②先進国は1990年代末まで温室効果ガス排出量を1990年レベルまで戻す(努力目標)。③国際連合環境開発会議(地球サミット)で155か国が署名している。

京都議定書(1997年):①先進国の温室効果ガス排出量の削減目標を定めた。②法的拘束力のある数値目標を国ごとに設定(先進国が対象)。③日本のCO2削減目標は、1990年比で6%減。④日本は1990年比8.4%減で目標の6%減を達成。

パリ協定(2015年):①世界共通の長期目標として産業革命前からの気温上昇を2℃未満に(努力目標は1.5℃)。②主要排出国を含む参加するすべての国が削減目標を5年ごとに提出・更新。③日本は2030年度の温室効果ガス削減目標を2013年度比で26.0%減として国連気候変動枠組条約事務所に登録。

1.× パリ協定とは、2020年以降の地球温暖化対策に関する国際的な協定である。世界の気温上昇を産業革命前と比較して2℃未満に抑えることを目標にしている。努力目標は1.5℃である。
2.× バンコク憲章は、第6回ヘルスプロモーション国際会議で採択された健康づくりに関する憲章である。国際化した社会での「健康の決定要因」への対処を述べている
3.〇 正しい。国際保健規則は、感染症を含む国際的な公衆衛生上の緊急事態を構成する恐れのある事象が発生した場合、世界保健機関(WHO)に報告することを参加国に義務づけている。国際保健規則は、感染症を含む国際的な公衆衛生上の緊急事態に対処するために定められた世界保健機関(WHO)の規則である。各国に対して緊急事態発生時の世界保健機関(WHO)への連絡・情報共有や緊急事態への対応などの体制整備を義務づけている。
4.× ニュルンベルク綱領(1947年)は、ニュルンベルク裁判で問題とされた人体実験において遵守されるべき基本原則を定めた倫理綱領である。後にヘルシンキ宣言として人を対象とする研究の倫理指針につながった。

 

 

 

 

 

3 結核に対する特異的予防はどれか。

1.栄養改善
2.再発予防
3.BCG 接種
4.重症化予防

解答

解説

疾病予防の概念

疾病の進行段階に対応した予防方法を一次予防、二次予防、三次予防と呼ぶ。

一次予防:「生活習慣を改善して健康を増進し、生活習慣病等を予防すること」疾病の発生を未然に防ぐ行為。①健康増進と②特異的予防に分かれる。①健康増進には生活習慣の改善(生活環境改善、適切な食生活、運動・活動の励行、適正飲酒、禁煙、ストレス解消、介護予防など)。②特異的予防は、予防接種、事故防止、職業病対策、公害防止対策などがある。

二次予防:「健康診査等による早期発見・早期治療」

三次予防:「疾病が発症した後、必要な治療を受け、機能の維持・回復を図ること」と定義している。(※健康日本21において)

1.× 栄養改善は、一次予防である。非特異的予防であり、健康増進・疾病予防に分類される。
2.× 再発予防は、三次予防である。疾病の悪化防止になる。
3.〇 正しい。BCG 接種(予防接種)は、一次予防である。結核に対する特異的予防である。
4.× 重症化予防は、三次予防である。疾病の悪化防止になる

 

 

 

 

 

4 キャッスル(Kasl,S.V.)とコブ(Cobb,S.)による保健行動の3分類に基づく、病気対処行動はどれか。

1.禁煙する。
2.がん検診を受ける。
3.家族に体調不良を相談する。
4.スイミングスクールに通う。

解答

解説

健康段階別保健行動

健康増進行動:健康な状態にある人が、健康の保持や増進を目的に行う行動のこと。
予防的保健行動:自覚症状はないが、病気につながる行動を避けたり、病気に対する予防措置をとったりする行動のこと。
病気回避行動:病気の状態ではないものの、放置すると病気になるリスクに気づき、病気にならないように回避しようとする行動のこと。
病気対処行動:病気の状態に気づき、その解決目指してとる行動のこと。

1.× 禁煙する(病気の状態ではないものの、放置すると病気になるリスクに気づき、病気にならないように回避する行動)は、病気回避行動である。
2.× がん検診を受ける(自覚症状はないが、病気につながる行動を避けることや病気に対する予防措置を取る行動)は、予防的保健行動である。
3.〇 正しい。家族に体調不良を相談するのは、病気対処行動となる。病気回避行動とは、病気の状態ではないものの、放置すると病気になるリスクに気づき、病気にならないように回避しようとする行動のことである。家族への相談も含まれる。
4.× スイミングスクールに通う(健康な状態にある人が、健康の保持や増進を目的に行う行動)は、健康増進行動である。

 

 

 

 

 

5 Aさん(68歳、女性)。市の健康課の窓口に来庁した。Aさんは「隣人が毎日、自宅にやってきて同じ話を繰り返しています。同居する娘さんからは認知症の薬を飲んでいると聞いています。隣人のことが気になり眠れないことがあります」と話した。
 Aさんへの保健師の最初の声かけで正しいのはどれか。

1.「認知症サポーター養成講座を受けてください」
2.「ご家族以外の方からの相談は受けられません」
3.「地域包括支援センターで相談してください」
4.「睡眠の状況を教えていただけますか」

解答

解説
1~3.× 「認知症サポーター養成講座を受けてください」「ご家族以外の方からの相談は受けられません」「地域包括支援センターで相談してください」これらいずれも、一方的な対応内容であり、Aさんの相談内容を的確に把握していない可能性が高い。
4.〇 正しい。「睡眠の状況を教えていただけますか」は、Aさんへの保健師の最初の声かけで正しい。なぜなら、Aさんの主訴「隣人のことが気になって眠れない」と言っており、Aさんの具体的な生活状況を確認できるため。

 

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