第107回(R3) 保健師国家試験 解説【午後21~25】

 

21 地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律(医療介護総合確保推進法)で規定されたのはどれか。

1.病床機能報告制度
2.医療安全支援センターの設置義務
3.医療計画への在宅医療の達成目標の記載
4.重症心身障害児(者)への日中の活動の場の確保

解答

解説

医療介護総合確保推進法とは?

『医療介護総合確保推進法』とは、平成26(2014)年に成立された地域における効率的かつ効果的な医療提供体制の確保等を目的する法律である。持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律に基づく措置として、効率的かつ質の高い医療提供体制を 構築するとともに、地域包括ケアシステムを構築することを通じ、地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するため、医療法、介護保険法等の関係法律について所要の整備等を行う。

1.〇 正しい。病床機能報告制度は医療介護総合確保推進法』による『医療法』の改正で導入された。ちなみに、病床機能報告制度は、医療機関がその有する病床が担う医療機能(高度急性期、急性期、回復期および慢性期)の現状と今後の方向性を都道府県に報告する制度である。
2.× 医療安全支援センターの設置義務を定めるのは、『医療法』である。都道府県、保健所を設置する市特別区で設置の努力義務がある。
3.× 医療計画への在宅医療の達成目標の記載を定めるのは、『医療法』である。医療法は、病院、診療所、助産所の開設、管理、整備の方法などを定める日本の法律である。
4.× 重症心身障害児(者)への日中の活動の場の確保を定めるのは、『児童福祉法』である。具体的には。児童発達支援や放課後等デイサービスが該当する。

 

 

 

 

 

22 医療費の助成と根拠法令の組合せで正しいのはどれか。

1.医療扶助:社会福祉法
2.療育医療:障害者基本法
3.自立支援医療(更生医療):障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)
4.小児慢性特定疾病医療費助成制度:難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)

解答

解説
1.× 医療扶助は、社会福祉法ではなく、『生活保護法』の扶助のひとつである。ちなみに、社会福祉法は、社会福祉法人が定め社会福祉事業の全分野における共通的基本事項などを定めている社会福祉増進に資することを目的とする法律である。
2.× 療育医療とは、低体重や早産(在胎週数37週未満)などで身体の発育が未熟なまま生まれたために入院養育が必要な乳児(0歳児)に対し、医療費を公費負担する制度である。療育の給付(結核児童療育給付)は、『児童福祉法』に規定されている。『障害者基本法』は、共生社会実現のための障害者の自立社会参加の支援等の基本原則を定めるものである。
3.〇 正しい。自立支援医療(更生医療)は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)である。自立支援医療には、①更生医療、②育成医療、③精神通院医療がある。
4.× 小児慢性特定疾病医療費助成制度は、難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)ではなく、『児童福祉法』に定められている。ちなみに、『難病法』には、難病患者への医療費助成制度(特定医療費の支給)が定められている。

 

 

 

 

 

23 慢性閉塞性肺疾患(COPD)について正しいのはどれか。

1.病状の進行に伴い肺は縮小する。
2.患者の多くは60歳までに診断されている。
3.非感染性疾患(Non-Communicable Diseases:NCDs)の一つである。
4.健康日本21(第二次)では新規患者発生数の半減が目標に設定されている。

解答

解説

1.× 病状の進行に伴い肺は、縮小ではなく過膨張する。慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、たばこ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することにより、肺の炎症と破壊が生じ、非可逆性の気流閉塞とガス交換障害をきたす疾患である。したがって、肺胞の弾性収縮力の低下と気道の虚脱が生じる。
2.× 患者の多くは、受診していない、あるいは正しく診断されていない可能性が指摘されている。また高齢になるほど有病率が増加するため、60歳までに診断されているというのは不適切である。
3.〇 正しい。喫煙が原因となる非感染性疾患(Non-Communicable Diseases:NCDs)の一つである。非感染性疾患とは、生活習慣の改善により予防可能な疾患の総称であり、がん・循環器疾患・糖尿病・慢性呼吸器疾患を中心とした慢性疾患が代表的である。
4.× 健康日本21(第二次)では、新規患者発生数の半減ではなく、認知度の向上(80%以上)が目標に設定されている。

 

24 平成28年(2016 年)の歯科疾患実態調査の結果をグラフに示す。
 このグラフが表しているのはどれか。

1.う歯を持つ者の割合
2.顎関節の異常がある者の割合
3.20歯以上の歯を有する者の割合
4.4mm 以上の歯周ポケットを有する者の割合

解答

解説
1.× う歯を持つ者の割合は、40歳代・50歳代が最も高く、加齢に伴って割合は低くなるが、65~69歳では97%、85歳以上では約70%ある。
2.× 顎関節の異常がある者の割合は、20歳代以降年齢層とともに減少傾向がみられる。
3.〇 正しい。20歯以上の歯を有する者の割合は、年齢層とともに減少傾向を示し、グラフの傾向と一致する。80歳で20本以上の歯を有する者(8020達成者)割合は51.2%と推計される。
4.× 4mm以上の歯周ポケットを有する者の割合は、65~69歳が60.5%でピークを示し、次いで60~64歳が57.9%、75~79歳が55.3%となっている。

(※データ引用:平成28年(2016 年)の歯科疾患実態調査

 

 

 

 

 

25 災害救助法で定められているのはどれか。

1.自主防災組織の促進
2.地域防災計画の作成
3.避難所及び応急仮設住宅の供与
4.広域災害救急医療情報システム(EMIS)の運用
5.災害時健康危機管理支援チーム(DHEAT)の派遣

解答

解説

災害救助法とは?

災害救助法とは、災害に際して、国が地方自治体、日本赤十字社などと国民の協力のもとに、応急的に必要な救助を行い、被災者の保護と社会の秩序の保全を図ることを目的とした法律である。

【救助の種類】
①避難所および応急仮設住宅の供与
②炊き出しその他による食品の給与および飲料水の供給
③被服、寝具その他生活必需品の給与または貸与
④医療および助産賞を
⑤被災者の救出
⑥被災した住宅の応急修理
⑦生業に必要な資金,器具または資料の給与または貸与
⑧学用品の給与

1.× 自主防災組織の促進は、『災害対策基本法』に基本理念として定められている。災害対策基本法は、災害対策に関する日本の法律である。
2.× 地域防災計画の作成は、『災害対策基本法』に定められている。地域防災計画には、①都道府県地域防災計画、②市町村地域防災計画、③都道府県の過相互間地域防災計画、④市町村相互間地域防災計画の4種がある。
3.〇 正しい。避難所及び応急仮設住宅の供与は、災害救助法で定められている。避難所及び応急仮設住宅の供与は、炊き出しその他による食品の給与および飲料水の供給、被災者の救出、被災した住宅の応急修理などとともに定められている。
4.× 広域災害救急医療情報システム(EMIS)の運用を直接定める法律はない。広域災害救急医療情報システム(EMIS)とは、平成8(1996)年から厚生労働省が運用開始されたシステムで災害時に、災害派遣医療チーム(DMAT)の活動状況や医療機関の稼働状況などの災害医療にかかわる情報を集約・提供する。
5.× 災害時健康危機管理支援チーム(DHEAT)の派遣を直接定める法律はない。災害時健康危機管理支援チーム(DHEAT)は、災害が発生した際に、被災都道府県の保健医療調整本部や保健所を応援するために派遣されるチームである。

 

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