第107回(R3) 保健師国家試験 解説【午前26~30】

 

26 人から人への直接の伝播がない感染症はどれか。

1.痘そう
2.ペスト
3.腸チフス
4.デング熱
5.腸管出血性大腸菌感染症

解答

解説
1.〇 痘そうの感染経路は、唾液や喀痰の飛沫による飛沫感染である。つまり、人から人へ直接伝播する。
2.〇 ペストの感染経路は、ネズミなどのげっ歯類からノミを介する媒介動物感染飛沫感染である。つまり、人から人へ直接伝播する。
3.〇 腸チフスの感染経路は、患者の糞便で汚染された食物や水を摂取することによる経口感染である。つまり、人から人へ直接伝播する。
4.× デング熱は、人から人への直接の伝播がない感染症である。による媒介動物感染のみである。
5.〇 腸管出血性大腸菌感染症の感染経路は、水系感染や食物感染などの経口感染である。経口摂取物が患者の微量の糞便で汚染されている場合でも感染が成立し得る。つまり、人から人へ直接伝播する。

 

詳しくまとめました。参考にしてください↓

【看護師国家試験】主な感染経路とその特徴について完全解説

 

 

 

 

 

27 予防接種法に基づく定期予防接種の対象疾病のうち、目的として個人の発病または重症化を防止し、併せてこれによりそのまん延の予防に資するために定期的に行う必要があるのはどれか。

1.結核
2.麻しん
3.破傷風
4.B 型肝炎
5.インフルエンザ

解答

解説

予防接種法とは?

予防接種法とは、予防接種法は、公衆衛生の観点から伝染のおそれがある疾病の発生・まん延を予防するためにワクチンの予防接種を行うとともに、予防接種による健康被害の迅速な救済を図ることを目的として制定された日本の法律である。予防接種法に基づく予防接種には、①定期予防接種と②臨時予防接種があり、定期予防接種の対象疾患には、①A類疾病と②B類疾病がある。さらに同法に基づかない任意接種もある。

1~4.× 結核/麻しん/破傷風/B型肝炎は、定期予防接種のA類疾病である。A類疾病では、疾病の発生およびまん延の予防を目的(集団予防目的)としている。努力義務であり、予防接種対象者およびその保護者は。接種を受けるよう努めなければならない。
5.〇 正しい。インフルエンザは、予防接種法に基づく定期予防接種の対象疾病のうち、目的として個人の発病または重症化を防止し、併せてこれによりそのまん延の予防に資するために定期的に行う必要がある。インフルエンザは、定期予防接種のB類疾病である。B類疾病では、個人の発病または重症化の防止(個人予防)を第ーの目的としている。B類疾病では対象者が接種を希望する場合に実施しており、努力義務ではない。

 

 

 

 

 

28 A化学工場で、トルエンを取り扱っている複数の社員が急に頭痛やめまいを訴えたため、臨時職場巡視を実施した。その結果、トルエンによる中毒症状が出現していたことが判明し、原因は防護具の着用が不適切なことだった。
 健康障害の再発防止策で最も効果的なのはどれか。

1.救急用具の変更
2.職場環境測定回数の増加
3.社内広報を活用した情報発信
4.特殊健康診断実施回数の増加
5.有機溶剤を取り扱う社員に対する研修

解答

解説
1.× 救急用具の変更より優先度が高いものが選択肢の中にある。なぜなら、救急用具の変更しても、救急用具は事案後に装着するものであるため。再発防止策としては、保護具の正しい使用方法の指導が正しい。
2.× 職場環境測定回数の増加より優先度が高いものが選択肢の中にある。なぜなら、健康障害の有害要因を無くすことが難しいこともあるため。職場環境測定回数を増加するよりも、暴露からの隔離を行う。
3.× 社内広報を活用した情報発信より優先度が高いものが選択肢の中にある。なぜなら、社内広報は見る人は限定的になるため。社内広報とは社内報とは、社内広報を行うためのツールとして制作された冊子やWeb、映像などの媒体のことである。 ただし、情報発信により、全社員に対して有機溶剤の有害性や取り扱いに関する注意点を周知することはできる。
4.× 特殊健康診断実施回数の増加より優先度が高いものが選択肢の中にある。なぜなら、特殊健康診断は、健康障害を予防する早期発見に位置づけられるため。特殊健康診断とは、労働衛生対策上特に有害であるといわれている業務に従事する労働者等を対象として実施する健康診断である。
5.〇 正しい。有機溶剤を取り扱う社員に対する研修(教育)は、健康障害の再発防止策で最も効果的である。再発防止策としては、①局所換気装置の設置、②保護具の使用、③健康診断の実施、④有害性の表示などを定めることが有効である。

 

 

 

 

 

29 A市のある一時点におけるC型肝炎を有している人の割合を示す指標はどれか。

1.罹患率
2.被患率
3.有病率
4.寄与危険
5.相対頻度

解答

解説

1.× 罹患率とは、一定の観察期間において、観察集団のなかで新たに疾病を有した人の率である。
2.× 被患率とは、ある疾病・異常のある者が集団全体に占める割合を示すものである。国・地方自治体の学校保健統計で使用されることが多い。その場合、分母には在学者数がおかれる。
3.〇 正しい。有病率とは、ある一時点における観察集団での疾病保有者の割合を意味する。
4.× 寄与危険(リスク差)とは、曝露群と非曝露群での一定期間におけるの発生率(罹患率)の差をみる指標である。「曝露因子があるとどれだけ危険度が増すか」を示す。
5.× 相対頻度とは、いくつかのカテゴリーにおけるそれぞれの度数(データ数)が全体に占める割合の大きさを示すものである。

 

 

 

 

 

30 平成30年(2018 年)の人口動態統計月報年計における性・年齢階級別にみた主な死因の構成割合を下図に示す。
 自殺はどれか。

1.A
2.B
3.C
4.D
5.E

解答

解説
1.× Aは老衰である。高齢になるにつれて男女とも死亡割合が増大し、100歳以上では死亡割合が最も大きい疾患である。
2.× Bは脳血管疾患である。男女とも全年齢階級で死亡が観察されるが、0~4歳の年齢階級で死亡がほぽ観察されない特徴を持つ。
3.× Cは肺炎である。男女とも全年齢階級で死亡が観察され、高齢者で死亡割合が増加する特徴を持つ。
4.× Dは不慮の事故である。男女とも全年齢階級で死亡が観察されるが、5~9歳の年齢階級おいて、悪性新生物と並んで多くの死亡が観察される特徴を持つ。
5.〇 正しい。Eは自殺である男女とも10歳以上の年齢階級で死亡が観察され、特に男性では15~44歳の年齢階級で、また女性では15~29歳の年齢階級で死亡が最も多くなる特徴を持つ。

(※参考資料:人口動態統計月報年計 – 厚生労働省

 

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