第107回(R3) 保健師国家試験 解説【午後36~40】

 

次の文を読み36〜38の問いに答えよ。
 Aさん(45歳、男性、営業職)。妻(44歳)と長男(高校生)の3人家族。事業所の定期健康診断の結果、BMI 30、血圧値145/88mmHgで、医師から体重減少と塩分制限を指導された。Aさんは保健師の指導を受けた時「帰宅が遅いので夕食の時間は遅くなり、お腹が空いているので早食いになる。昼食は職場の食堂で食べているが定食よりもラーメン大盛りが多い。まだ若いので少しくらい血圧が高くても大丈夫。しかし、妻からは『あなたの体重が増えてきたので心配。一緒に痩せよう』と言われている」と語った。

36 Aさんの話した内容からプリシード・プロシードモデルで確認できるのはどれか。

1.遺伝
2.強化要因
3.実現要因
4.前提要因

解答

解説

プリシード・プロシードモデルとは?

プリシード・プロシードモデルとは、グリーン(Green LW)とクルーター(Kreuter MW)によって開発されたヘルスプロモーション活動を展開するためのモデルの1つである。プリシード・プロシードモデルの目的は、人々の生活の質の向上であり、目的を達成するためには行動と環境をより良く変化させる必要がある。この変化を可能にし、①準備要因、②実現要因、③強化要因は、維持するための3つの要因としてあげられる。

1.× 遺伝的要因については語られていない。
2.〇 正しい。強化要因は、Aさんの話した内容からプリシード・プロシードモデルで確認できる。強化要因とは、行動に移した際に周囲から与えられるフィードバックや報酬のことである。妻からの支援が語られている。
3.× 実現要因とは、行動を補助する技術・設備、資源等のことである。プリシード・プロシードモデルではあるもののAさんの話した内容から確認できない。
4.× 前提要因(準備要因)とは、行動を起こすのに必要な知識・態度、信念、価値観のことである。プリシード・プロシードモデルではあるもののAさんの話した内容から確認できない。

 

 

 

 

 

次の文を読み36〜38の問いに答えよ。
 Aさん(45歳、男性、営業職)。妻(44歳)と長男(高校生)の3人家族。事業所の定期健康診断の結果、BMI 30、血圧値145/88mmHgで、医師から体重減少と塩分制限を指導された。Aさんは保健師の指導を受けた時「帰宅が遅いので夕食の時間は遅くなり、お腹が空いているので早食いになる。昼食は職場の食堂で食べているが定食よりもラーメン大盛りが多い。まだ若いので少しくらい血圧が高くても大丈夫。しかし、妻からは『あなたの体重が増えてきたので心配。一緒に痩せよう』と言われている」と語った。

37 事業所の保健師はAさんに2回目の面接を行った。自分の健康をどう思っているのかを尋ねると「太っている自覚がある。スポーツジムに入会したことがあるが3日しか通わずにやめてしまった。妻も心配しているので、ラーメンは大盛りから並にした」という答えが返ってきた。
 Aさんの自己効力感を高めるための支援はどれか。

1.昼食は定食にするよう指導する。
2.今後起こりうる病気について説明する。
3.スポーツジムを3日でやめた理由を聞く。
4.ラーメンを大盛りから並にしたことを支持する。

解答

解説

自己効力感とは?

自己効力感(セルフエフィカシー)とは、自分が行動しようと思っていること、変えようと思っている生活習慣などに対し、うまく達成できるという自信や確信のこと、自己効力感の理論はライフスタイル改善のプログラムに活用される。自己効力感を高める要因として、①成功体験、②代理的体験、③言語的説得、④生理的・情緒的状態(情緒的高揚)が挙げられる。

1.× 昼食は定食にするよう指導するのは、Aさんの自己効力感を高めるための支援に該当しない。なぜなら、自己効力感を高めるためには、まずはできたことを支持することが重要であるため。また、本症例は「ラーメンは大盛りから並」にしている。定食するよう指導しても自己効力感は高めることは難しい。
2.× 今後起こりうる病気について説明するのは、Aさんの自己効力感を高めるための支援に該当しない。なぜなら、本症例は「ラーメンは大盛りから並」にしており、すでに行動変容の必要性を認識しているため。行動変容ステージモデルでは、現在のAさんは準備期にあたり、行動変容の具体的な方法について情報提供するなどの支援が有効である。今後起こり得る病気について説明するのは関心期に対する支援である。
3.× スポーツジムを3日でやめた理由を聞くのは、Aさんの自己効力感を高めるための支援に該当しない。なぜなら、自己効力感を高める要因として、①成功体験、②代理的体験、③言語的説得、④生理的・情緒的状態(情緒的高揚)が挙げられるため。できることに焦点をあて、小さなステップからでも成功体験をもつことで自己効力感を高める。
4.〇 正しい。ラーメンを大盛りから並にしたことを支持する。本人にとって成功体験となるように行動変容を支持することで、自己効力感を高めることができる。

 

 

 

 

 

次の文を読み36〜38の問いに答えよ。
 Aさん(45歳、男性、営業職)。妻(44歳)と長男(高校生)の3人家族。事業所の定期健康診断の結果、BMI 30、血圧値145/88mmHgで、医師から体重減少と塩分制限を指導された。Aさんは保健師の指導を受けた時「帰宅が遅いので夕食の時間は遅くなり、お腹が空いているので早食いになる。昼食は職場の食堂で食べているが定食よりもラーメン大盛りが多い。まだ若いので少しくらい血圧が高くても大丈夫。しかし、妻からは『あなたの体重が増えてきたので心配。一緒に痩せよう』と言われている」と語った。

38 3か月後、事業所の保健師は3回目の面接を行った。Aさんは「通勤手段を自転車に替え、土日も1時間のウォーキングを行い体重が3kg減少した。体調も良い」と嬉しそうに語った。しかし、血圧値は改善しなかったため、保健師はAさんの食事内容を確認しながら、血圧値と体重、減塩食との関係を具体的に説明した。
 Aさんが血圧を下げる更なる生活改善に取り組むためのコーチングの手法を用いた保健師の声かけはどれか。

1.「運動強度を上げてみましょう」
2.「家族と一緒に減塩食を食べましょう」
3.「塩分摂取量を1日7g以下にしましょう」
4.「面接を踏まえて何ができると思いますか」

解答

解説

コーチングとは?

コーチングとは、対象者の本来もっている能力、強み、個性を引き出し、目標実現や問題解決をするために自発的行動を促すコミュニケーション方法である。

1~3.× 「運動強度を上げてみましょう」「家族と一緒に減塩食を食べましょう」「塩分摂取量を1日7g以下にしましょう」は、コーチングの手法ではない。なぜなら各発言は、具体的な行動を保健師が指示しているため。
4.〇 正しい。「面接を踏まえて何ができると思いますか」は、Aさんが血圧を下げる更なる生活改善に取り組むためのコーチングの手法を用いた保健師の声かけである。本人の考えを引き出す発言となっている。

 

 

 

 

 

次の文を読み39〜41の問いに答えよ。
 Aさん(80歳、男性)。1人暮らし。自宅で転倒し、腰椎圧迫骨折の治療のために1か月間入院し、自宅に退院した。退院後は整形外科に定期的に通院している。要介護認定を申請し要支援1と認定されたが、介護保険サービスは利用していない。自宅は団地で4階建ての3階に居住しておりエレベーターはない。Aさんの退院から1か月後、団地の担当民生委員からAさんの状態について、地域包括支援センターの保健師に相談があった。入院前、Aさんは団地の集会所で行われている高齢者サロンによく参加していたが、退院後は来ることが少なくなったという。高齢者サロンの参加者に聞くと「Aさんが、病院には通っているがサロンに行くのは億劫だ、と言っていた」とのことであった。

39 保健師はAさんの状況を把握するため、民生委員と一緒に家庭訪問を行うことにした。
 家庭訪問時に収集する情報として優先度が高いのはどれか。

1.生活史
2.家族関係
3.経済状況
4.通院頻度
5.日常生活動作(ADL)

解答

解説

本症例は、現在は通院治療を行っているが、「自宅で転倒し、腰椎圧迫骨折の治療のために1か月間入院し、自宅に退院」している。腰椎圧迫骨折の原因として、転倒されていることから足腰の筋力、バランス能力が低下していることが考えられる。また現在は、高齢者サロンへの参加が少なくなっているなどの民生委員の情報から、Aさんの活動範囲が狭くなり、活動量が減少し日常生活動作(ADL)が低下している可能性が考えられる。今後、自立度が低下しないよう、AさんのADLについて情報収集し、適切な支援を検討する必要がある。したがって、選択肢5.日常生活動作(ADL)が家庭訪問時に収集する情報として優先度が高い。

 

 

 

 

 

次の文を読み39〜41の問いに答えよ。
 Aさん(80歳、男性)。1人暮らし。自宅で転倒し、腰椎圧迫骨折の治療のために1か月間入院し、自宅に退院した。退院後は整形外科に定期的に通院している。要介護認定を申請し要支援1と認定されたが、介護保険サービスは利用していない。自宅は団地で4階建ての3階に居住しておりエレベーターはない。Aさんの退院から1か月後、団地の担当民生委員からAさんの状態について、地域包括支援センターの保健師に相談があった。入院前、Aさんは団地の集会所で行われている高齢者サロンによく参加していたが、退院後は来ることが少なくなったという。高齢者サロンの参加者に聞くと「Aさんが、病院には通っているがサロンに行くのは億劫だ、と言っていた」とのことであった。

40 Aさんは「退院してから家では普通に過ごしているが、外に出ると疲れがたまる。買い物には行くが、荷物を持って階段を昇るのがつらい」と話した。
 保健師がAさんに利用を提案するサービスで適切なのはどれか。

1.介護予防ケアマネジメント
2.介護予防居宅療養管理指導
3.通所リハビリテーション
4.地域密着型通所介護

解答

解説
1.〇 正しい。介護予防ケアマネジメントは、保健師がAさんに利用を提案するサービスで適切である。介護予防ケアマネジメントは、要支援者および基本チェックリストでのフレイル該当者に対して提供されるサービス(介護予防、日常生活支援を目的とした自立支援)である。
2.× 介護予防居宅療養管理指導は、通院が困難な要支援者に対し、居宅を訪問して、可能な限り居宅において、有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、医療行為および指導をするサービスである。
3.× 通所リハビリテーションは、要介護者が介護老人保健施設介護医療院、病院、診療所などの施設に通い、医師の指示のもと、専門スタツフによる心身の機能の維持回復や日常生活の自立を助けるためのリハビリテーションを行うサービスである。Aさんは、要支援状態にある。
4.× 地域密着型通所介護は、要介護者を対象とし、老人デイサービスセンターにおいて、入浴・排泄・食事などの介護支援や機能訓練を行うサービスである。Aさんは、要支援状態にある。

 

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