第107回(R3) 保健師国家試験 解説【午前41~45】

 

次の文を読み41〜43の問いに答えよ。
 Aさん(32 歳、女性、会社員)。夫と長男のBちゃん(3歳、男児)との3人暮らし。Bちゃんは保育所に通っている。Aさんから「Bは保育所でたびたび他の子どもたちが遊んでいるおもちゃを取り上げ泣かせてしまい、保育士が止めに入ると、Bはキーと奇声をあげ走り回っていたり、遊びの時間が終わっても1人でミニカーを並べることにこだわっているようです。保育士から保健師に相談してみてはどうかと言われました」と市保健センターの地区担当保健師へ電話相談があった。

41 Aさんへの保健師の対応で適切なのはどれか。

1.公園で遊ばせることを勧める。
2.保育所を休ませるよう勧める。
3.家での様子をみるために家庭訪問をする。
4.ファミリーサポートセンター事業を紹介する。

解答

解説
1.× 公園で遊ばせることを勧める優先度は低い。なぜなら、Aさんの相談ニーズに合致していないため。Aさんの相談内容は、Bちゃんの保育所での行動についてである。
2.× 保育所を休ませるよう勧める優先度は低い。なぜなら、Aさんの相談ニーズに合致していないため。保育所を休ませるよう勧めるのは、感染症の疑いがあるときなどである。
3.〇 正しい。家での様子をみるために家庭訪問をする。なぜなら、保育所での行動に関する情報をふまえ、Bちゃんの家での様子をみることで、発達に問題がある可能性についてアセスメントすることができるため。
4.× ファミリーサポートセンター事業を紹介する優先度は低い。なぜなら、Aさんの相談ニーズに合致していないため。子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)は、乳幼児や小学生等の児童を有する子育て中の保護者を会員として、児童の預かり等の援助を受けることを希望する者と援助を行うことを希望する者との相互援助活動である。

 

 

 

 

 

次の文を読み41〜43の問いに答えよ。
 Aさん(32 歳、女性、会社員)。夫と長男のB ちゃん(3歳、男児)との3人暮らし。B ちゃんは保育所に通っている。Aさんから「Bは保育所でたびたび他の子どもたちが遊んでいるおもちゃを取り上げ泣かせてしまい、保育士が止めに入ると、B はキーと奇声をあげ走り回っていたり、遊びの時間が終わっても1人でミニカーを並べることにこだわっているようです。保育士から保健師に相談してみてはどうかと言われました」と市保健センターの地区担当保健師へ電話相談があった。

42 1か月後。Bちゃんは、3歳児健康診査のために市保健センターに来所した。健康診査の医師は、Bちゃんは発達に問題がある可能性があると話した。Aさんは「Bは発達障害なのでしょうか。どうしたらいいのでしょうか」と保健師に話した。
 Aさんへの保健師の対応で優先度が高いのはどれか。

1.児童館の利用を促す。
2.保健師による継続訪問をする。
3.心理相談を受けることを勧める。
4.地域の育児サークルを紹介する。

解答

解説
1.× 児童館の利用を促す優先度は低い。児童館は、地域において児童に健全な遊びを与えて、その健康を増進し、情操を豊かにすることを目的とする児童福祉施設である。
2.× 保健師による継続訪問をする優先度は低い。なぜなら、Bちゃんは、3歳児健康診査で医師から発達に問題がある可能性を指摘されていることから、より専門的な支援が必要である。したがって、保健師による継続訪問(保健師による経過観察)は、根本的な解決とならない。現在のAさんは、Bちゃんが発達障害なのかどうかまたその対応について知りたいと思っている。
3.〇 正しい。心理相談を受けることを勧める。なぜなら、AさんがBちゃんの発達の特徴について理解するため。心理相談とは、心理の専門職が児の全般的な発達、行動や社会性の評価を行い、日頃の関わり方に関する助言などを行うものである。
4.× 地域の育児サークルを紹介する優先度は低い。なぜなら、現在のAさんは、Bちゃんが発達障害なのかどうかまたその対応について知りたいと思っているため。地域の育児サークルは、他児の保護者と気持ちを共有したり情報交換できる場であるが、専門的な情報は得られにくい。

 

 

 

 

 

次の文を読み41〜43の問いに答えよ。
 Aさん(32 歳、女性、会社員)。夫と長男のB ちゃん(3歳、男児)との3人暮らし。B ちゃんは保育所に通っている。Aさんから「Bは保育所でたびたび他の子どもたちが遊んでいるおもちゃを取り上げ泣かせてしまい、保育士が止めに入ると、B はキーと奇声をあげ走り回っていたり、遊びの時間が終わっても1人でミニカーを並べることにこだわっているようです。保育士から保健師に相談してみてはどうかと言われました」と市保健センターの地区担当保健師へ電話相談があった。

43 Bちゃんは、その後自閉症スペクトラム障害であると診断を受けた。保健師は、Aさんの承諾を得てBちゃんが通っている保育所にBちゃんの3歳児健康診査の結果を情報提供した。その際に、保育所の所長からBちゃんへの関わり方について相談があった。
 保健師から所長への助言で適切なのはどれか。

1.保育室の出入口を施錠する。
2.毎日新しい遊びを取り入れる。
3.Bちゃんに一人で食事をさせる。
4.Bちゃんへの説明は絵も活用する。

解答

解説

自閉症スペクトラム障害とは?

自閉症スペクトラム障害とは、正常な社会的関係を構築することができず、言葉の使い方に異常がみられるか、まったく言葉を使おうとせず、強迫的な行動や儀式的な行動がみられる病気である。 自閉スペクトラム症の患者は、他者とコミュニケーションをとったり関係をもったりすることが苦手である特徴を持つ。

1.× 保育室の出入口を施錠する優先度は低い。なぜなら、保育室から飛び出す可能性は低いため。ちなみに、保育室から飛び出してしまう危険性がある疾患として考えられるのは、注意欠陥多動性障害(ADHD)の傾向がある児の場合である。児が外に出られないようにする工夫として出入口を施錠することもある。
2.× 毎日新しい遊びを取り入れる優先度は低い。なぜなら、自閉症スペクトラム障害の場合、これから行うことを理解し、見通しがつくとスムーズに行動できることが多いため。
3.× Bちゃんに一人で食事をさせる優先度は低い。なぜなら、保育者がBちゃんの食事の様子を見ることは重要であるため。自閉症スペクトラム障害の児は、感覚の過敏性やこだわりから偏食を示すことがある、児の好みを把握したり、どこで食事を終わらせるかなど、様子を観察する必要がある。また、他の児の食事の様子を見ることで食べられなかったものが食べられるようになることもある。
4.〇 正しい。Bちゃんへの説明はも活用する。なぜなら、自閉症スペクトラム障害の児は、言語指示よりも視覚的な指示のほうが現解しやすいことが多いため。

 

 

 

 

 

次の文を読み44〜46の問いに答えよ。
 人口70万人のA市。8月のある日、深夜から早朝にかけ大規模災害が発生し、市内で家屋の倒壊、道路の陥没・停電・断水等の被害があり、特にB地区で甚大な被害が出た。
 B地区を管轄する保健センターの職員は全員A市に住んでいる。

44 発災当日の朝、B地区を管轄する保健センターに出勤できた保健師は16名中3名だった。
 発災当日、出勤した保健師の行動で適切なのはどれか。

1.福祉避難所の開設
2.市災害対策本部の立ち上げ
3.管内医療機関の位置図の作成
4.医療機器を使用する難病患者の安否確認

解答

解説
1.× 福祉避難所の開設は優先度は低い。なぜなら、福祉避難所の開設する場合は、市町村からの要請があるため。福祉避難所とは、避難所生活において何らかの特別な配慮を必要とする要配慮者のための施設であり、状況に応じて必要時、開設される市町村が、福祉避難所の施設管理者に対して開設を要請するものである。
2.× 市災害対策本部の立ち上げは優先度は低い。なぜなら、災害対策本部の立ち上げは、市役所の危機管理部門の役割であるため。
3.× 管内医療機関の位置図の作成は優先度は低い。なぜなら、管内医療機関の位置図作成は、平常時に作成しておくものであるため。
4.〇 正しい。医療機器を使用する難病患者の安否確認は、発災当日、出勤した保健師の行動で適切である。災害当日は、被害状況の確認が優先される。

 

 

 

 

 

次の文を読み44〜46の問いに答えよ。
 人口70万人のA市。8月のある日、深夜から早朝にかけ大規模災害が発生し、市内で家屋の倒壊、道路の陥没・停電・断水等の被害があり、特にB地区で甚大な被害が出た。
 B地区を管轄する保健センターの職員は全員A市に住んでいる。

45 発災後2日、B保健センターの保健師が避難所の一つである市民センターを初めて訪問した。避難所の管理者より、避難所の建物に入らず市民センターの駐車場に車中泊をしている世帯が多数あり、炊き出しやトイレ以外は終日車の中で過ごし、あまり外に出てこないようだとの声が聞かれた。そのため、保健師は車中泊の避難者も巡回することにした。
 巡回時の確認事項で最も優先度が高いのはどれか。

1.食事内容
2.水分摂取量
3.車内換気の頻度
4.他者との交流の頻度

解答

解説
1.× 食事内容より優先度が高いものが選択肢の中にある。なぜなら、避難所では炊き出しが行われており食事に関してはある程度適切に対応されていると考えられるため。
2.〇 正しい。水分摂取量は、巡回時の確認事項で最も優先度が高い。夏季の車中泊では、エアコン使用による温度管理が適切に行われず、脱水の危険があるため。また、脱水に伴いエコノミークラス症候群の危険性も高まる。
3.× 車内換気の頻度より優先度が高いものが選択肢の中にある。冬季は感染症予防のために配慮が必要である。ただし、就寝時にエンジンやエアコンをつけたままにすると、ー酸化炭素中毒となる危険性があるため注意喚起が必要となる。
4.× 他者との交流の頻度より優先度が高いものが選択肢の中にある。なぜなら、生命の危機には直接関係しないため。ただし、被災者のメンタルヘルスや情報交換において重要である。

 

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