第107回(R3) 保健師国家試験 解説【午前46~50】

 

次の文を読み44〜46の問いに答えよ。
 人口70万人のA市。8月のある日、深夜から早朝にかけ大規模災害が発生し、市内で家屋の倒壊、道路の陥没・停電・断水等の被害があり、特にB地区で甚大な被害が出た。
 B地区を管轄する保健センターの職員は全員A市に住んでいる。

46 発災後2か月、仮設住宅の入居が始まっている。B保健センターには、県外の保健師による派遣チームが入り、協働で災害支援活動を行っている。派遣チームの保健師は、B保健センターの職員から「被災した住民の話を聞いていると自分も気持ちが落ち込む」「仮設住宅に入居できない住民の苦情を聞くのがつらい」「住民のために活動したいが、自分は無力だと感じる」等の声を多く聞いた。
 派遣チームの保健師が、B保健センターの職員への支援についてB保健センターの管理者に提案する内容で最も適切なのはどれか。

1.健康診断の実施
2.人事異動の提案
3.精神科の受診勧奨
4.職員同士で語り合う場の用意

解答

解説
1.× 健康診断の実施は優先度が低い。なぜなら、メンタル面でのストレス対応に特化したものではないため。
2.× 人事異動の提案は優先度が低い。なぜなら、人事異動は、環境を変えることで負担が増す場合もあるため。必ずしも良い方向へ進むとは限らない。
3.× 精神科の受診勧奨は優先度が低い。精神科の受診は、健康診断により保健師のメンタルヘルスをアセスメントしたうえで必要であれば提案する。
4.〇 正しい。職員同士で語り合う場の用意は、派遣チームの保健師が、B保健センターの職員への支援についてB保健センターの管理者に提案する内容で最も適切である。災害対応時のメンタルヘルス対策として、日々の活動後に語り合い、ねぎらいやがんばりを認め合うことは、ストレス発散に効果があるといわれている。

詳しくまとめました。参考にしてください。

【保健師国家試験】災害サイクルと保健活動について完全解説

 

 

 

 

 

次の文を読み47〜49の問いに答えよ。
 Aさん(55 歳、男性)は1人暮らし。10 年前に振戦を主症状としてParkinsons(パーキンソン)病と診断されたが、これまでは自立した日常生活を送っていた。最近、身体の両側の振戦に加えて、動作が徐々に遅くなりはじめ、歩行にも不安を感じる時があり外出や受診に介助が必要になった。現在の症状を主治医は、Hoehn-Yahrs(ホーエン・ヤール)重症度分類でステージⅡ、生活機能障害度2度と診断しており、2か月に1度の定期受診で経過をみている。

47 現在のAさんが対象となるのはどれか。

1.後期高齢者医療制度
2.特定疾病療養費制度
3.身体障害者手帳の交付
4.重度障害者等包括支援サービス

解答

解説
1.× 後期高齢者医療制度は、①75歳以上または②65~74歳で一定の障害があると認定された人である。本症例は55歳である。ちなみに、後期高齢者医療制度とは、2008年施行の高齢者の医療の確保に関する法律を根拠法とする日本の医療保険制度である。
2.× 特定疾病療養費制度は、一定の治療を要する血友病、慢性腎不全(人工透析)、後天性免疫不全症候群が対象とされている。パーキンソン病は含まれていない。ちなみに、特定疾病療養費制度は、厚生労働大臣が定める特定疾病で長期にわたり高額な医療費がかかる場合に自己負担額を軽減する制度である。
3.〇 正しい。身体障害者手帳の交付は、現在のAさんが対象である。Aさんは、パーキンソン病により歩行に不安を感じ介助を要する状態である。『身体障害者福祉法』で定める身体上の障害(肢体不自由)の状態にあると認められれば、身体障害者手帳の交付を受けることができる。
4.× 重度障害者等包括支援サービスの対象は、常時介護を要し、意思疎通を図ることに著しく支障があり四肢の麻痺や寝たきりの状態にある人である。Aさんの日常生活機能障害度では、通院に部分的な介助をする状態である。

 

 

 

 

 

次の文を読み47〜49の問いに答えよ。
 Aさん(55 歳、男性)は1人暮らし。10 年前に振戦を主症状としてParkinsons(パーキンソン)病と診断されたが、これまでは自立した日常生活を送っていた。最近、身体の両側の振戦に加えて、動作が徐々に遅くなりはじめ、歩行にも不安を感じる時があり外出や受診に介助が必要になった。現在の症状を主治医は、Hoehn-Yahrs(ホーエン・ヤール)重症度分類でステージⅡ、生活機能障害度2度と診断しており、2か月に1度の定期受診で経過をみている。

48 Aさんは運動障害に加えて非運動症状が出現するようになり、治療薬の副作用も出たことから薬剤調整のために入院した。入院中に自ら外出する必要があり、転倒の危険性から付き添いの援助を希望した。現在の症状を主治医は、Hoehn-Yahr(ホーエン・ヤール)重症度分類でステージⅢ、生活機能障害度2度と診断している。
 Aさんが付き添いを依頼できる障害福祉サービスはどれか。

1.移動支援
2.行動援護
3.生活介護
4.同行援護

解答

解説
1.〇 正しい。移動支援は、Aさんが付き添いを依頼できる障害福祉サービスである。移動支援は、社会生活において必要不可欠な外出や社会参加のための外出の際の移動を支援する地域生活支援事業のサービスである。
2.× 行動援護は、知的障害や精神障害によって1人で行動することが著しく困難であって常時介護を要する障害者に対して、外出時の危険回避などを行うものである。
3.× 生活介護は、障害者支援施設等において、入浴・排泄・食事等の介護・創作的活動または生産活動の機会の提供などを行うものである。
4.× 同行援護は、視覚障害により移動に著しい困難がある障害者等に対して、外出時に同行して移動に必要な情報を提供したり、移動に必要な援助を行う。

Hoehn&Yahr の重症度分類でステージ

ステージⅠ:片側のみの症状がみられる。軽症で機能障害はない。
ステージⅡ:両側の症状がみられるが、バランス障害はない。また日常生活・通院にほとんど介助を要さない。
ステージⅢ:歩行障害、姿勢保持反射障害が出現し、ADLに一部介助に一部介助が必要になる。
ステージⅣ:日常生活・通院に介助を必要とする。立位・歩行はどうにか可能。
ステージⅤ:寝たきりあるいは車いすで、全面的に介助を要する。歩行・起立は不能。

 

 

 

 

 

次の文を読み47〜49の問いに答えよ。
 Aさん(55 歳、男性)は1人暮らし。10 年前に振戦を主症状としてParkinsons(パーキンソン)病と診断されたが、これまでは自立した日常生活を送っていた。最近、身体の両側の振戦に加えて、動作が徐々に遅くなりはじめ、歩行にも不安を感じる時があり外出や受診に介助が必要になった。現在の症状を主治医は、Hoehn-Yahrs(ホーエン・ヤール)重症度分類でステージⅡ、生活機能障害度2度と診断しており、2か月に1度の定期受診で経過をみている。

49 退院後、Aさんは自宅で療養することになった。今後もParkinsons(パーキンソン)病の症状の進行が予想される。
 Aさんに対して、身体機能の維持のための日常生活上の指導で適切なのはどれか。

1.食事介助を受ける。
2.移動時は電動車椅子を利用する。
3.訪問入浴介護サービスを利用する。
4.ストレッチ等で体を動かす習慣を作る。

解答

解説
1.× 食事介助を受ける前に、現在の状態でも安全に自分でできる方法を検討する。たとえば、まずは姿勢の保持や食べ方、器具の工夫などである。
2.× 移動時は電動車椅子を利用する前に、現在の状態でも安全に自分でできる方法を検討する。たとえば、手すりをつけたり、安全な環境下での歩行である。現在のAさんの状態は、姿勢の保持が難しくなっているが、立位は可能であり、電動車椅子の使用によって、筋力を使わないことにより筋カの低下や筋固縮を悪化させない工夫が必要である。
3.× 訪問入浴介護サービスを利用する前に、現在の状態でも安全に自分でできる方法を検討する。たとえば、座位の保持や入浴の動作の見守りおよび必要な介助を受けながら安全な入浴方法を行う。ただパーキンソン病は介護保険制度の特定疾病であり、55歳でも要介護認定を受けていれば訪問入浴介護を受けられる。4.〇 正しい。ストレッチ等で体を動かす習慣を作る。パーキンソン病の特徴的な症状である筋固縮・無動・姿勢反射障害・安静時振戦では、筋肉が固くなり動きにくくなるため、日頃から適度なストレッチなどで体を動かして身体機能の維持をはかることが重要である。

 

 

 

 

 

次の文を読み50、51の問いに答えよ。
 Aさん(52歳、女性)。1人暮らし。5年前に仕事を解雇されて以降、自宅に引きこもっている。母親は2年前に他界し、その頃より「外出するとストーカーに追われる」「赤外線で狙われて怖い」と他県に住む姉に訴えるようになった。姉が受診を勧めたが「私は病気じゃない」と言う。
 Aさんは、3日前に隣人宅に来た郵便配達員を見て「お前がストーカーだな」と隣人宅に怒鳴り込み、警察に通報された。

50 警察から連絡を受けた姉が保健所へ相談に来た。翌日、姉と保健師でAさん宅を訪問すると、Aさんは「買い物や仕事を探しに行きたいが、ストーカーのせいで外出できない」「ストレスで眠れない」と話した。
 Aさんへの保健師の声かけで、最も適切なのはどれか。

1.「ストーカーは存在しないので安心してください」
2.「眠れないことについて医師に相談しましょう」
3.「解雇された理由を振り返りましょう」
4.「一緒にハローワークへ行きましょう」
5.「お姉さんと一緒に暮らしましょう」

解答

解説
1.× ストーカーは存在しないと現段階で判断できない。ストーカーの存在についてはこの時点で真偽が定かではなく、肯定も否定もできない。したがって、本人の辛い気持ちに焦点を当てて共感的態度で接する必要がある。
2.〇 正しい。眠れないことについて医師に相談するよう勧める。Aさんの主訴「ストレスで眠れない」に対応した声かけであり、適切である。
3.× 解雇された理由を振り返る優先度は低い。なぜなら、まずは本人の訴えに焦点を当てて対応する必要があるため。
4.× 一緒にハローワークへ行くことを勧める優先度は低い。なぜなら、仕事を探しに行く前に、「外出できない」「ストレスで眠れない」という本人の訴えに焦点を当てて対応する必要があるため。
5.× お姉さんと一緒に暮らすよう勧める優先度は低い。なぜなら、姉との同居の可否について保健師が介入することはできず、お姉さんの意向や希望を聞か内での提案となるため。

 

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