第107回(R3) 保健師国家試験 解説【午後46~50】

 

次の文を読み45〜47の問いに答えよ。
 建設業のA社は、毎年ストレスチェックを従業員に実施している。会社全体の健康リスクの評価において、多くの従業員が高ストレスに該当した。A社の保健師が部門ごとに分析したところ、設計部は他の部署より高ストレスの該当者の割合が高かった。

46 設計部のストレスチェックの集団分析を行った結果、同僚からの支援が少ないことが分かった。
 保健師として、設計部に関して優先的に取り組むのはどれか。

1.人事課長に結果を報告する。
2.産業医による職場巡視を行う。
3.設計部管理者から職場の状況について情報収集をする。
4.高ストレスの該当者から職場環境改善の要望を募る。
5.職場内の人間関係に関するアンケート調査を従業員に実施する。

解答

解説
1.× 人事課長に結果を報告するのは優先度は低い。なぜなら、実施者は集団分析結果を人事課長ではなく、事業者に報告するため。
2.× 産業医による職場巡視を行うのは優先度は低い。なぜなら、設問で「同僚からの支援が少ない」という結果に対する支援が出ているため。職場巡視は、職場の作業環境や作業方法を確認し、安全衛生上の課題を見出だし改善することを目的としている。
3.〇 正しい。設計部管理者から職場の状況について情報収集をする。当該集団の労働者の実情を把握し、対策を検討するため、設計部管理者から多面的な観点で職場の状況について情報収集を行う。
4.× 高ストレスの該当者から職場環境改善の要望を募るのは優先度は低い。なぜなら、高ストレスの該当者だけではなく、当該部署のすべての労働者の要望を募るほうが職場環境改善に結び付けられるため。
5.× 職場内の人間関係に関するアンケート調査を従業員に実施するのは優先度は低い。なぜなら、職場におけるストレスは、職場内の人間関係だけでなく、顧客等の対人サービスなどによっても生じるものもあるため。

 

 

 

 

 

次の文を読み45〜47の問いに答えよ。
 建設業のA社は、毎年ストレスチェックを従業員に実施している。会社全体の健康リスクの評価において、多くの従業員が高ストレスに該当した。A社の保健師が部門ごとに分析したところ、設計部は他の部署より高ストレスの該当者の割合が高かった。

47 保健師は、A社全体の集団分析結果を利用して、管理監督者が職場環境改善に積極的に関与する必要があると考えた。
 高ストレスの該当者が多いことへの保健師の取り組みとして最も効果的なのはどれか。

1.健康相談日を増やす。
2.職場巡視の回数を増やす。
3.管理監督者への研修を実施する。
4.産業保健総合支援センターへ連絡する。
5.心の相談窓口の案内ポスターを掲示する。

解答

解説
1.× 健康相談日を増やすことは優先度は低い。なぜなら、相談日を増やしても根本的な解決にはならないため。働きにくい職場環境はストレスの原因となり、健康に影響を及ぼすことが考えられる。
2.× 職場巡視の回数を増やすことは優先度は低い。なぜなら、職場巡視を行うのは産業医であり、保健師の業務ではないため。職場環境の改善には、実効性の高い改善計画を職場のメンバーで話し合いながら立案・実施する。
3.〇 正しい。管理監督者への研修を実施することは、高ストレスの該当者が多いことへの保健師の取り組みとして最も効果的である。管理監督者に対して教育研修情報提供を行い、従業員の勤務状況を日常的に把握し、個々の労働者に過度な長時間労働、疲労、ストレス、責任などが生じないようにすることで職場環境を改善する。
4.× 産業保健総合支援センターへ連絡することは優先度は低い。なぜなら、産業保健総合支援センターは、事業者や産業保健スタッフ等を対象に、専門的な相談への対応や研修などを行う施設であるため。まずは事業場内で環境改善に取り組み、それでも解決が難しい場合に産業保健総合支援センターへ相談する。
5.× 心の相談窓口の案内ポスターを掲示することは優先度は低い。なぜなら、職場環境の改善には、ライン(職場の管理監督者)によるケアが必要であるため。心の相談窓口は、労働者のセルフケアに含まれるものである。

 

 

 

 

 

次の文を読み48〜50の問いに答えよ。
 Aさん(81歳、女性)。認知症と診断され、症状緩和のための服薬調整を目的として、B病院認知症治療病棟に入院した。入院前から軽い咳嗽はあったが、喘息の既往歴によるものとされていた。入院後2週、39℃台の発熱があり、胸部エックス線写真で肺炎像を認めたので、誤嚥性肺炎の診断のもとに抗菌薬の投与を行った。しかし、解熱しないため、C病院に転院し、喀痰塗抹菌検査陰性、結核菌PCR陽性となり、肺結核と診断されC病院の結核病棟で治療が開始された。診断した医師から保健所に結核発生の届出があった。B病院認知症治療病棟では、4人部屋に入院しており、Aさんの近所に住む長女は2日に1回は面会に来ていた。感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)第17条に基づき早期発見のために長女に初回面接を行うことにした。

48 自宅での結核初期症状で長女への初回面接で確認すべき事項はどれか。

1.体温の変化
2.体重減少の有無
3.倦怠感の訴えの有無
4.咳嗽の状態変化の有無

解答

解説
1~3.× 体温の変化/体重減少の有無/倦怠感の訴えの有無は優先度が低い。なぜなら、まずは典型症状の把握が優先されるため。ただし、高齢の結核患者では、非典型症状(倦怠感、食欲不振、体重減少など)を主訴とする者が少なくないため、これらも把握しておくことも大切である。
4.〇 正しい。咳嗽の状態変化の有無は、自宅での結核初期症状で長女への初回面接で確認すべきである。なぜなら、結核患者の症状として咳がある場合は、ない場合に比べて感染リスクが高いため。結核初期症状として、呼吸器症状(特に咳)の出現・悪化時期の把握は最も重要である。

 

 

 

次の文を読み48〜50の問いに答えよ。
 Aさん(81歳、女性)。認知症と診断され、症状緩和のための服薬調整を目的として、B病院認知症治療病棟に入院した。入院前から軽い咳嗽はあったが、喘息の既往歴によるものとされていた。入院後2週、39℃台の発熱があり、胸部エックス線写真で肺炎像を認めたので、誤嚥性肺炎の診断のもとに抗菌薬の投与を行った。しかし、解熱しないため、C病院に転院し、喀痰塗抹菌検査陰性、結核菌PCR 陽性となり、肺結核と診断されC病院の結核病棟で治療が開始された。診断した医師から保健所に結核発生の届出があった。B病院認知症治療病棟では、4人部屋に入院しており、Aさんの近所に住む長女は2日に1回は面会に来ていた。感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)第17条に基づき早期発見のために長女に初回面接を行うことにした。

49 その後、喀痰塗抹菌検査は3回連続で陰性、胸部エックス線写真上も空洞はなかったが培養検査結果は陽性だった。
 Aさんの感染性の評価に基づいて行う接触者健康診断の対象者で適切なのはどれか。

1.接触者全員
2.C病院の結核病棟の患者
3.接触者で免疫力が低下している人
4.B病院認知症治療病棟の全ての患者と職員

解答

解説

本症例は、喀痰塗抹陰性、胸部エックス線写真で空洞なし、かつ喀痰培養陽性である。したがって、他者への感染リスクが低い「低感染性」と判断される。

1~2.4.× 接触者全員/C病院の結核病棟の患者/B病院認知症治療病棟の全ての患者と職員は、Aさんの感染性の評価に基づいて行う接触者健康診断の対象者ではない。なぜなら、接触者のなかでもハイリスク接触者・濃厚接触者などの把握と検診が必要あり、結核と診断され、感染対策がなされた後の接触者は原則、接触者健診の対象とはならないため。
3.〇 正しい。接触者で免疫力が低下している人は、Aさんの感染性の評価に基づいて行う接触者健康診断の対象者で適切である。なぜなら、接触者で免疫力が低下している人は、結核の発病リスクが高いハイリスク接触者とされるため。

 

 

 

 

 

次の文を読み48〜50の問いに答えよ。
 Aさん(81歳、女性)。認知症と診断され、症状緩和のための服薬調整を目的として、B病院認知症治療病棟に入院した。入院前から軽い咳嗽はあったが、喘息の既往歴によるものとされていた。入院後2週、39℃台の発熱があり、胸部エックス線写真で肺炎像を認めたので、誤嚥性肺炎の診断のもとに抗菌薬の投与を行った。しかし、解熱しないため、C病院に転院し、喀痰塗抹菌検査陰性、結核菌PCR 陽性となり、肺結核と診断されC病院の結核病棟で治療が開始された。診断した医師から保健所に結核発生の届出があった。B病院認知症治療病棟では、4人部屋に入院しており、Aさんの近所に住む長女は2日に1回は面会に来ていた。感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)第17条に基づき早期発見のために長女に初回面接を行うことにした。

50 Aさんは、低感染性の結核であると診断され、接触者健康診断を実施することになった。
 最優先に接触者健康診断を行うことが望ましい接触者はどれか。

1.長女
2.B病院で同室者であった入院患者
3.B病院認知症治療病棟に配膳車を運ぶ栄養課職員
4.Aさんの自宅へ週回生活援助に訪れていた訪問介護員

解答

解説
1.× 長女は、最優先とはならない。なぜなら、長女は別居であり、発病ハイリスクの要因はないため。
2.〇 正しい。B病院で同室者であった入院患者は、最優先に接触者健康診断を行うことが望ましい接触者である。なぜなら、B病院の同室者は2週間以上同室で過ごしているため。濃厚接触者であり、最優先接触者となる。
3.× B病院認知症治療病棟に配膳車を運ぶ栄養課職員は、最優先とはならない。なぜなら、B病院認知症治療病棟に配膳車を運ぶ栄養課職員とAさんとの接触はほとんどないかごく短時間であると考えられるため。
4.× Aさんの自宅へ週回生活援助に訪れていた訪問介護員は、最優先とはならない。なぜなら、週1回の生活援助では濃厚接触者には当たらず、発病ハイリスクの要因はないため。

 

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