第107回(H30) 看護師国家試験 解説【午後1~5】

 

※注意:著者は看護師で、解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究・自己研鑽のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。またコメントにて解き方等教えてくださると幸いです。

 

※問題引用:第104回保健師国家試験、第101回助産師国家試験、第107回看護師国家試験の問題および正答について

 

1 世界保健機関(WHO)が定義する健康について正しいのはどれか。

1.単に病気や虚弱のない状態である。
2.国家に頼らず個人の努力で獲得するものである。
3.肉体的、精神的及び社会的に満たされた状態である。
4.経済的もしくは社会的な条件で差別が生じるものである。

解答3

解説

 

1.× 単に病気や虚弱のない状態を健康というのではない。WHO憲章前文では、「健康とは、単に疾病がないとか虚弱でないというだけでなく、身体的・精神的・社会的に完全に良好な状態(well-being)である」と述べている。
2.3.× 健康は国家に頼らず個人の努力で獲得するもの/経済的もしくは社会的な条件で差別が生じるものではない。WHO憲章前文では、「到達することができる最高水準の健康を享受することは、人種・宗教・政治的信条・経済的あるいは社会的条件に左右されることのない万人の有する基本的人権のひとつである」と述べている。
3.〇 正しい。肉体的、精神的及び社会的に満たされた状態である。WHO憲章の「健康とは、身体的‘精神的・社会的に完全に良好な状態である」に合致する。

 

 

 

 

 

2 健康日本21(第二次)で平成34年度(2022年度)の目標として示されている1日当たりの食塩摂取量はどれか。

1. 5g
2. 8g
3.11g
4.14g

解答2

解説

1.× 1日あたりの食塩摂取量1日5g未満は、世界保健機関(WHO)の食塩摂取目標である。
2.〇 正しい。8gである。健康日本21(第二次)では、1日あたりの食塩摂取量を10.6g(平成22年)ら8g(平成34年度)まで減少させることを目標としている。
3.× 1日あたりの食塩摂取量11gは、日本人男性の現状に相当する。平成27年国民健康・栄養調査(厚生労働省)では、男性11.0g、女性9.2gであった。
4.× 1日あたりの食塩摂取量14gは、日本人の1970年代前半の食塩摂取量に相当する。

 

 

 

 

 

3 大気汚染物質の二酸化硫黄(SO2)について正しいのはどれか。

1.発がん性がある。
2.じん肺を引き起こす。
3.酸性雨の原因物質である。
4.不完全燃焼によって発生する。

解答3

解説

1.× 発がん性はない。発がん性がある大気汚染物質として、ベンゼン、トリクロロエチレン、塩化ビニルモノマー、ホルムアルデヒド、ベンゾピレンなどがある。二酸化硫黄(SO2)は、刺激性があり、気管支端息や慢性気管支炎などの呼吸器障害を引き起こす。
2.× じん肺は引き起こさない。じん肺は、無機粉塵を吸い込むことで、肺に線維増殖性変化を起こす疾病である。炭鉱従事者(粉じんが発生する環境で作業する人)などに多い。二酸化硫黄(SO2)は、気体(ガス)である。
3.〇 正しい。酸性雨の原因物質である。二酸化硫黄(SO2)は、水(H2O)に溶けて、亜硫酸(H2SO3)や硫酸(H2SO4)が生成されるため、酸性雨の原因物質となる。
4.× 不完全燃焼によって発生するのは、一酸化炭素(CO)である。二酸化硫黄(SO2)は、石油や石炭に含まれる硫黄(S)が燃焼することで生じる。

 

 

 

 

 

4 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章が策定された年はどれか。(※採点除外)

1.1947年
2.1967年
3.1987年
4.2007年

解答4(※採点除外:問題として適切であるが,必修問題としては妥当でないため)

 

解説

 平成19年(2007年)12月18日、政府・経済界・労働界・地方公共団体からなる「官民トップ会議」において、「仕事と生活の調和(ワークライフバランス)憲章」、「仕事と生活の調和推進のための行動指針」が策定された。「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」は、国民的な取組の大きな方向性を示すものである。「仕事と生活の調和推進のための行動指針」は、企業や働く者などの効果的な取組、国や地方公共団体の施策の方針を示すものである。したがって、選択肢4. 2007年が正しい。

 

 

 

 

 

5 倫理原則の「正義」はどれか。(※採点除外)

1.約束を守る。
2.害を回避する。
3.自己決定を尊重する。
4.公平な資源の配分を行う。

解答4(※採点除外:問題として適切であるが,必修問題としては妥当でないため)

解説

 看護師が守るべき倫理として、医療倫理学に基づいた「自律尊重原則」「善行原則」「無危害原則」「正義原則」の4つの原則がある。倫理学者であるフライ(Fry,S.T.)らは、この4つの原則に看護実践における「誠実・忠誠の原則」を追加した。正義原則とは、「社会的な利益と負担は正義の要求(各人にその正当な持ち分を与えようとする不変かつ不断の意思)と一致するように配分されなければならない」である。

 

1.× 約束を守ることは、「誠実・忠誠の原則」である。「誠実の原則」は患者に対して正直であること、「忠誠の原則」は患者と看護師間に存在する義務に誠実であることである。
2.× 害を回避することのは、「無危害原則」である。「無危害原則」とは、患者に身体的損傷を与えないこと、さらには患者に身体的・精神的・社会的な危害が生じないようにすることである。
3.× 自己決定を尊重するのは、「自律尊重原則」である。「自律尊重原則」とは、患者が自己決定できるよう必要な情報を提供するとともに、患者が決定した内容を尊重し、それに従うことである。
4.〇 正しい。公平な資源の配分を行うのは、「正義原則」である。「正義原則」とは、全ての患者に対し、患者ニーズに応じて、適正かつ公平なヘルスケア資源の配分を行うことである。

 

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