第107回(H30) 看護師国家試験 解説【午後16~20】

 

16 インドメタシン内服薬の禁忌はどれか。

1.痛風
2.膀胱炎
3.消化性潰瘍
4.関節リウマチ

解答3

解説

 インドメタシンは、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に分類される。NSAIDsは、炎症物質であるプロスタグランジン類(PGs)の産生を抑制することで抗炎症作用や解熱・鎮痛作用といった効果を発揮し、さまざまな炎症性疾患の治療に用いられる。一方、プロスタグランジン類には胃や腎の保護作用もあるため、これらの臓器における疾患ではNSAIDsは禁忌となる.

1.× 痛風の関節炎は、インドメタシン内服薬により治療する。
2.× 膀胱炎は、主に水分摂取による利尿と抗菌薬により治療するが、消炎・鎮痛目的でインドメタシン内服薬の適応がある。
3.〇 正しい。消化性潰瘍にインドメタシン内服薬は禁忌である。なぜなら、プロスタグランジン合成阻害作用や胃粘膜細胞への直接刺激作用により、胃粘膜を保護する機能が低下し、消化性潰蕩が悪化するおそれがあるため。
4.× 関節リウマチの鎮痛目的で、インドメタシン内服薬を使用する。

 

 

 

 

 

17 Fowler(ファウラー)位で食事を摂るときの姿勢で誤嚥を予防するのはどれか。

1.頸部側屈位
2.頸部前屈位
3.頸部後屈位
4.頸部回旋位

解答2

解説

(※ Fowler位)

 気管は食道の前面に位置しており、頚部を前屈すると咽頭と気管に角度がついて、食べ物が気管に入りにくくなる。よって、選択肢2.頸部前屈位が正しい。

1.4.× 頸部側屈位/頸部回旋位は、片麻痺に健側を下にし、頸部は患側を向く側臥位をとることがある。
3.× 頸部後屈位は、咽頭と気道が直線になり、食物が気道に入りやすくなるため誤嚥しやすくなる。

 

 

 

 

 

18 男性に導尿を行う際、カテーテル挿入を開始するときの腹壁に対する挿入角度で最も適切なのはどれか。

1. 30〜40度
2. 80〜90 度
3.120〜130度
4.160〜170度

解答2

解説

 男性と女性では尿道の構造が異なるためカテーテル挿入時の挿入角度は異なる。女性の尿道は短く直線的である。

 

(※男性生殖器の断面図)

 男性の尿道は長く2か所の屈曲がある。挿入時は腹壁に対して垂直(約90度)に近い角度で挿入すると、尿道海綿体部の屈曲がなくなり、挿入しやすくなる。10~15cm挿入したら尿道隔膜部の屈曲部位に到達するため、60度程度に戻してさらに2~5cm挿入する。よって、選択肢2.80〜90 度が正しい。

 

 

 

 

 

19 標準予防策(スタンダードプリコーション)において、創傷や感染のない患者への援助で使い捨て手袋が必要なのはどれか。

1.手浴
2.洗髪
3.口腔ケア
4.寝衣交換

解答3

解説

 標準予防策(スタンダードプリコーション)とは、すべての医療現場において全患者に共通して実施される感染予防対策である。標準予防策(スタンダードプリコーション)は、感染症の有無にかかわらず、汗を除くすべての湿性生体物質(体液・分泌物・血液・排泄物・粘膜・損傷した皮膚など)を感染源とみなし、対処する。

1.× 手浴は、湿性生体物質と接触する可能性は低い。創傷や感染のない皮膚であれば、感染源となる可能性はないものとして扱う。
2.× 洗髪は、湿性生体物質と接触する可能性は低い。血液や汗以外の体液などが付着した場合は感染源となる可能性はあるが、そうでない場合、頭髪や頭皮は感染源とみなさない。
3.〇 正しい。口腔ケアは、湿性生体物質のひとつである唾液や喀痰と接触する機会が多く、使い捨て手袋の装着が必要である。感染源となる可能性のあるものとして扱う。
4.× 寝衣交換は、湿性生体物質と接触する可能性は低い。

 

 

 

 

 

20 モルヒネの副作用(有害事象)はどれか。

1.出血
2.便秘
3.高血圧
4.粘膜障害

解答2

解説

 有害事象とは、治験薬や医薬品などの薬物を投与された被験者・患者に生じる、薬物の投与と時間的に関連した、好ましくないまたは意図しないあらゆる医療上の事柄のことである。

 

 オピオイド(麻薬性鎮痛薬)とは、主に脳や脊髄などの中枢神経にあるオピオイド受容体と結合することで鎮痛効果を示す化合物である。代表的なオピオイドとして、モルヒネオキシコドンフェンタニルが挙げられ、主にがん疼痛の緩和ケアなどに使用される。モルヒネの副作用には、便秘、嘔気・嘔吐、眠気、呼吸抑制などがあります。

 

1.× 出血が副作用である主なものとして、ワルファリンがあげられる。ワルファリンは抗凝固薬の一つで、血栓症や塞栓症の治療や予防に用いられる。また、がんの痛みに対して最初に使用する非オピオイド鎮痛薬である非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の副作用で血小板機能が低下し出血傾向になることがある。
2.〇 正しい。便秘である。オピオイドの作用である消化酵素分泌抑制消化管運動抑制肛門括約筋緊張の作用により食物が消化管を通過する時間が延長する。食物が大腸で長時間とどまることで水分吸収が進み、便秘となる。
3.× 高血圧は、オピオイドや非オピオイド鎮痛薬の副作用としてはみられない。副作用として高血圧をきたす薬剤には、副腎皮質ステロイド薬がある。副腎皮質ステロイドの副作用はこの他に、易感染、中心性肥満、満月様顔貌、高血糖、筋萎縮、赤色皮膚線条、多毛症、精神症状などがみられる。
4.× 粘膜障害は、オピオイドの副作用としてはみられない。一方、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の代表的な副作用として消化性潰瘍が挙げられる。空腹時の服用を避けるなどの胃腸障害への対策が重要である。

 

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