第107回(H30) 看護師国家試験 解説【午後26~30】

 

26 味覚について正しいのはどれか。

1.基本味は5つである。
2.外転神経が支配する。
3.冷たい物ほど味が濃いと感じる。
4.1つの味蕾は1種類の基本味を知覚する。

解答1

解説

1.〇 正しい。基本味は5つである。味覚は、5つの基本味(塩味・酸味・甘味・苦味・うま味)が混合して生じる。
2.× 外転神経ではなく、舌の前2/3は顔面神経(Ⅶ),舌の後ろ1/3は舌咽神経(Ⅳ)が支配する。外転神経は外眼筋を支配する三つの脳神経の一つである。
3.× 基本味によって異なる。塩味と苦味は温度が低くなるほど強く感じるが、甘味やうま味は体温に近い35℃付近で一番強く感じる。
4.× 1つの味蕾は1種類ではなく、すべての基本味を知覚する。味蕾にある30~70個ある味細胞が味を識別する。

 

 

 

 

 

27 ビタミンと生理作用の組合せで正しいのはどれか。

1.ビタミンA:嗅覚閾値の低下
2.ビタミンD:Fe2+吸収の抑制
3.ビタミンE:脂質の酸化防止
4.ビタミンK:血栓の溶解

解答3

解説

1.× ビタミンAは、視覚や上皮機能の維持にかかわっている。欠乏症状は夜盲症である。
2.× ビタミンDは、肝臓と腎臓で水酸化されて活性化ビタミンDとなり、カルシウム・リンの吸収に関与する。欠乏症状は、くる病骨軟化症である。
3.〇 正しい。ビタミンEは、抗酸化作用があるため、脂質の酸化防止作用もある。
4.× ビタミンKは、血液凝固因子の生合成に必須のビタミンである。欠乏症状は出血傾向である。抗凝固薬であるワルフアリン使用時に、ビタミンKを多く含む納豆などを摂取すると凝固機能が充進しワルフアリン作用が減弱するため、禁忌である。

 

 

 

 

 

28 呼吸不全について正しいのはどれか。

1.喘息の重積発作によって慢性呼吸不全になる。
2.動脈血酸素分圧(PaO2)で2つの型に分類される。
3.動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)が60mmHg 以下をいう。
4.Hugh-Jones(ヒュー・ジョーンズ)分類は呼吸困難の程度を表す。

解答4

解説

1.× 喘息の重積発作によって慢性呼吸不全ではなく、急性呼吸不全になる。 重積発作とは、喘息発作が 24時間以上持続するものと定義される。

2.× 動脈血酸素分圧(PaO2)ではなく、動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)で2つの型に分類される。呼吸不全は、動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)45mmHg以下をⅠ型、45mmHgを超えるものをⅡ型と分類する。
3.× 動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)ではなく、動脈血酸素分圧(PaO2が60mmHg 以下をいう。

4.〇 正しい。Hugh-Jones(ヒュー・ジョーンズ)分類は呼吸困難の程度を表す。慢性呼吸不全の患者の呼吸困難がどれほどのものなのかをⅠ度~Ⅴ度に分類して客観的に表す指標である。

Hugh-Jones 分類

I:同年齢の健康者と同様の労作ができ、歩行、階段昇降も健康者なみにできる

II:同年齢の健康者と同様に歩行できるが、坂道・階段は健康者並には出来ない

III:平地でも健康者並に歩けないが、自分のペースなら1マイル(1.6km)以上歩ける

IV:休み休みでなければ50m以上歩けない

V:会話・着替えにも息切れがする。息切れの為外出できない。

 

 

 

 

 

29 薬剤とその副作用(有害事象)の組合せで正しいのはどれか。

1.副腎皮質ステロイド:低血糖
2.ニューキノロン系抗菌薬:髄膜炎
3.アミノグリコシド系抗菌薬:視神経障害
4.スタチン(HMG-CoA 還元酵素阻害薬):横紋筋融解症

解答4

解説

1.× 副腎皮質ステロイドによる副作用は高血糖である。副腎皮質ステロイドの重要な作用に、糖新生の活性化と糖利用の抑制がある。そのため血糖値が上昇し、糖尿病を引き起こすことがある。その他の副作用として易感染、胃潰瘍、精神症状、骨粗鬆症などがある。低血糖は、スルホニル尿素薬速攻型インスリン分泌促進薬など、糖尿病治療薬でみられることがあるので注意する。
2.× ニューキノロン系抗菌薬の代表的な副作用は、悪心・嘔吐や下痢などの消化器症状である。ほかにも横紋筋融解がみられる場合もある。薬の副作用による無菌性髄膜炎は、NSAIDsによって起こりやすい。
3.× アミノグリコシド系抗菌薬の代表的な副作用は、視神経ではなく聴神経障害で、聴力低下や前庭機能障害によるめまいなどがみられる。視神経障害を引き起こすおそれのある薬としては、抗結核薬のエタンブトール、抗エストロゲン薬のタモキシフェンクエン酸塩などがある。
4.〇 正しい。スタチン(HMG-CoA 還元酵素阻害薬)の代表的な副作用は、横紋筋融解である。肝臓でコレステロールが合成される際に働く酵素を阻害する薬剤で、高脂血症治療薬として用いられる。他の副作用として、肝障害がある。

 

 

 

 

 

30 Sjögren(シェーグレン)症候群について正しいのはどれか。

1.網膜炎を合併する。
2.男女比は1対1である。
3.主症状は乾燥症状である。
4.抗核抗体の陽性率は30%程度である。

解答3

解説

 シェーグレン症候群とは、涙腺・唾液腺をはじめとする外分泌腺の慢性炎症を伴う自己免疫疾患である。症状としては、乾性角結膜炎(ドライアイ)口腔乾燥症状(ドライマウス)といった乾燥症状が主となる。これらの乾燥症状に対し、人工涙液点眼や水分摂取といった対症療法を行う。

1.× 網膜炎ではなく、涙腺炎に伴う涙液分泌低下や乾性角結膜炎(ドライアイ)を合併する。
2.× 男女比は1対1ではなく、1対14であり圧倒的に女性に多い.
3.〇 正しい。主症状は乾燥症状である。涙腺炎に伴う乾性角結膜炎(ドライアイ)、唾液腺炎に伴う口腔乾燥など、乾燥症状が主症状である。
4.× 抗核抗体の陽性率は30%程度ではなく、70~80%である。抗核抗体は、自己抗体の一種であり、シェーグレン症候群の70~80%で陽性となる。なお,シェーグレン症候群の診断に用いられる自己抗体は、抗SS-A抗体と抗SS-B抗体である。

 

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