第107回(H30) 看護師国家試験 解説【午前31~35】

 

31 排泄行動が自立している入院中の男性高齢者が、夜間の排尿について「夜は何度もトイレに行きたくなります。そのたびにトイレまで歩くのは疲れます」と訴えている。
この患者の看護で適切なのはどれか。

1.おむつの使用
2.夜間の尿器の使用
3.就寝前の水分摂取の制限
4.膀胱留置カテーテルの挿入

解答2

解説

1.× おむつの使用は不適切である。なぜなら、排泄機能の低下を招くだけでなく、尿路感染症や皮膚トラブルなども起こしやすいため。おむつの着用は、それ以外に代替策がない場合の最終的な選択である。
2.〇 正しい。「トイレまで歩くのは疲れる」と話しており、また夜間の排尿回数も多いため、尿意があった際にすぐに使用できる尿器が適切である。患者本人も紙おむつによるムレやかぶれなどの不快感にさらされにくい。
3.× 就寝前の水分摂取の制限は不適切である。なぜなら、高齢者は身体に占める総水分量が減少しており、水分摂取の制限は脱水を誘発させる可能性があるため。
4.× 膀胱留置カテーテルの挿入は不適切である。なぜなら、尿意を感じにくくなり、尿道括約筋の筋力が低下するためである。Aさんは、尿意があり、泌尿器系の疾患をもたないため適応でない。また、膀胱留置カテーテルを挿入していると尿路感染などのリスクが高まるため、身体上不可欠の場合以外はできるだけ避けた方がよい。

 

 

 

 

 

32 良質の医療を受ける権利を宣言しているのはどれか。

1.リスボン宣言
2.ヘルシンキ宣言
3.ジュネーブ宣言
4.ニュルンベルク綱領

解答1

解説

1.〇 正しい。リスボン宣言は、1981年にポルトガルのリスボンで採択され、患者の権利に関する宣言である。医療における患者の自己決定権の重要性や、セカンドオピニオンの考え方などが述べられている。
2.× ヘルシンキ宣言は、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」の基盤となる倫理的原則を示しているものである。インフォームド・コンセントの重要性が述べられている。
3.× ジュネーブ宣言は、1948年に世界医師会で規定された医の倫理に関する規定であり、ヒポクラテスの誓いをもとにしている。守秘義務などが含まれている。
4.× ニュルンベルク綱領は、1947年に提示された、研究目的の医療行為を行うにあたって厳守すべき10項目の基本原則である。医学的研究のための被験者の意思と自由を保護するガイドラインである。

 

 

 

 

 

33 看護における問題解決過程で誤っているのはどれか。

1.多面的な情報を分析する。
2.看護問題の優先順位は変化する。
3.家族を含めた看護計画を立てる。
4.看護問題は疾患によって確定される。

解答4

解説

看護における問題解決過程とは、看護過程の流れ(①対象の全体像の把握(アセスメント)→②看護診断→③目標設定→④計画→⑤実施→⑥評価)を指す。

1.〇 正しい。多面的な情報を分析する。アセスメントでは、主観的・客観的情報を身体・心理・社会面から多面的に収集し、対象者の全体像を把握する。得られた情報から顕在化・潜在化している問題を明らかにする。
2.〇 正しい。看護問題の優先順位は変化する。なぜなら、患者の健康状態の変化・目標達成の評価、看護過程展開の評価および再評価によってその都度、優先順位も再検討する必要があるため。
3.〇 正しい。家族を含めた看護計画を立てる。なぜなら、家族機能にはヘルスケア機能や経済的機能、情緒機能などがあり、患者の健康状態に影響を及ぼすため。
4.× 誤っている。看護問題は疾患ではなく、看護の視点によって確定される。北米看護診断協会(NANDA)によると看護診断とは「個人・家族・集団・地域社会の健康状態/生命過程に対する反応およびそのような反応への脆弱姓についての臨床判断」と定義されており、疾患のみでは確定されない。

 

 

 

 

 

34 検査に用いる器具を下図に示す。
Weber(ウェーバー)試験に用いるのはどれか。


1.①
2.②
3.③
4.④

解答1

解説

ウェーバー試験は、簡易聴力検査のひとつで、訴える難聴が感音難聴か伝音難聴かを判断する。

1.〇 正しい。①は音叉である。ウェーバー試験に用いられる。検査では、音叉を鳴らして被検者の前額部正中にあて、どちらに音が偏位して聴こえるかを調べる。正常では正中、感音難聴は健側、伝音難聴は患側に偏位する
2.× ②は打診器である。腱反射を診るときなどに用いられる。
3.× ③は検眼鏡である。眼底所見(眼底の血管、網膜、視神経を観察する検査)をとるためのもので、内科、小児科などでよく使われている。
4.× ④は知覚計(痛覚計)である。麻痺やその他の知覚異常の有無、その範囲を調べるために用いる。

 

 

 

 

 

35 患者と看護師が面談をする際、両者の信頼関係を構築するための看護師の行動で最も適切なのはどれか。

1.患者の正面に座る。
2.メモを取ることに集中する。
3.患者と視線の高さを合わせる。
4.事前に用意した文章を読み上げる。

解答3

解説

1.× 患者の正面ではなく斜め45度に座る。面談の際、正面に向き合う姿勢は緊張が高まるため、緊張が最も少ないとされる斜め45度の位置関係が望ましい。
2.× メモを取ることに集中すると患者の表情をうかがうことが困難であり、言葉以外の情報が得られにくいため不適切である。
3.〇 正しい。患者と視線の高さを合わせる。視線の高さを合わせることで、威圧的にならない環境を整えることができる。
4.× 事前に用意した文章を読み上げると、一方的な質問になりやすいため不適切である。患者の訴え(話したいこと)や知りたいことなどを確認しながら進めることが大切である。

 

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