第107回(H30) 看護師国家試験 解説【午後36~40】

 

36 感染症の成立過程において、予防接種が影響を与える要素はどれか。

1.病原体
2.感染源
3.感染経路
4.宿主の感受性

解答4

解説

 感染が成立するためには感染の3要素が必要である。「感染源」と「感受性宿主」、これらをつなぐ「感染経路」である。予防接種とは、病原体の抗原を生体に接種して獲得免疫反応を促し、2度目の感染以降に短時間で抗体を産生するよう備えることである。

1.× 病原体は、感染源に含まれるものである。つまり、ウイルスや細菌などが病原体だが、これを除くのは滅菌殺菌などである。
2.× 感染源とは、病原体が生存・増殖できる場所を指す。つまり、感染症に罹患した人や、感染症を媒介する動物などが感染源である。具体的な対策は、隔離早期治療駆除などである。予防接種を行うことにより変わるものではない。
3.× 感染経路は、空気感染や飛沫感染、接触感染などあるが、その対策は手洗いマスクなどである。予防接種を行うことにより変わるものではない。
4.〇 正しい。宿主の感受性である。予防接種は、感受性をもつ宿主に免疫を生成するため、宿主の感受性に最も影響を与えているといえる。

 

 

 

 

 

37 Aさん(85歳、女性)。左側の人工股関節置換術後10日である。日中は看護師の援助によって車椅子でトイレまで行くことは可能であるが、夜間はポータブルトイレを使用している。
 Aさんの夜間の療養環境を整える上で適切なのはどれか。

1.足側のベッド柵は下げておく。
2.着脱しやすいスリッパを用意する。
3.ポータブルトイレはAさんのベッドの右側に置く。
4.移動時につかまれるようにオーバーテーブルを整える。

解答3

解説

1.× 足側のベッド柵は下げておく必要はない。ベッドからの転落防止の観点から、足側のベッド柵を上げて、排泄時はナースコールで看護師を呼ぶように伝えるのが望ましい。
2.× 着脱しやすいスリッパは不適切である。なぜなら、スリッパは滑りやすく転倒につながるおそれがあるため。
3.〇 正しい。ポータブルトイレはAさんのベッドの右側に置く。本症例は、左人工股関節置換術後10日である。左下肢に強い負荷をかけず、右側の健側を最大限に活用して安全に移乗するために、ポータブルトイレは右側に置くのが適切である。
4.× 移動時につかまれるようにオーバーテーブルを用意するのは不適切である。オーバーテーブルは、通常移動しやすいようにキャスターが取り付けられている。ロックがかかるものもあるが、移動時につかまるとオーバーテーブルが動いて転倒するおそれがある。

 

 

 

 

 

38 1948年に、看護教育の現状等に関する大規模な調査報告書「これからの看護(Nursing for the future)」を著した人物はどれか。

1.リチャーズ, L.
2.ブラウン, E. L.
3.レイニンガー, M. M.
4.ゴールドマーク, J. C.

解答2

解説

1.× リチャーズ, L.は、アメリカ最初の有資格看護師で、アメリカの看護師の母ともいわれる。1886年(明治19年)に来日し、日本への近代看護の導入と定着化に貢献した。
2.〇 正しい。ブラウン, E. L.は、1948年社会学者ブラウンによる「ブラウンレポート」とも呼ばれる看護業務や教育に関する大規模な調査報告書「これからの看護」を著した。他にも、看護学校の病院からの独立、看護教育の質の向上などを規定した。
3.× レイニンガー, M. M.は、文化人類学研究の経験に基づき、「民族看護学」という独自の学説を切り開いた看護理論家である。レイニンガー看護論の著者である。
4.× ゴールドマーク, J. C.は、1920年代のアメリカで、戦争による看護教育の質の低下が著しく、改善の方策として「ゴールドマークレポート」を発表した.

 

 

 

 

 

39 ノンレム睡眠中の状態で正しいのはどれか。

1.骨格筋が弛緩している。
2.夢をみていることが多い。
3.大脳皮質の活動が低下している。
4.組織の新陳代謝が低下している。

解答3

解説

 ヒトの睡眠は、レム睡眠とノンレム睡眠に分けられ、約90分を1サイクルとしてー晩に4~5回繰り返している。ノンレム睡眠では、脳が休息するが、身体はある程度活動性を維持している。一方、レム睡眠では、身体は休息しているが、脳はある程度活動している。

 

1.× 骨格筋が弛緩しているのは、レム睡眠の特徴である。骨格筋(抗重力筋)が弛緩するのは、身体の睡眠ともいわれる。
2.× 夢をみていることが多いのは、レム睡眠の特徴である。身体は休息しているが、脳はある程度活動しているおり夢を見やすい。
3.〇 正しい。大脳皮質の活動が低下しているのは、ノンレム睡眠である。脳の睡眠ともいわれ、脳の活動は低下している。
4.× 組織の新陳代謝が低下しているのは、レム睡眠の特徴である。そのため、エネルギー消費や体温も低下する。一方、ノンレム睡眠中は、組織の新陳代謝を促進する成長ホルモンが増加する。したがって、ノンレム睡眠では新陳代謝はむしろ促進される。

 

 

 

 

 

40 麻薬の取り扱いで正しいのはどれか。

1.看護師は麻薬施用者免許を取得できる。
2.麻薬を廃棄したときは市町村長に届け出る。
3.アンプルの麻薬注射液は複数の患者に分割して用いる。
4.麻薬及び向精神薬取締法に管理について規定されている。

解答4

解説

1.× 看護師は麻薬施用者免許を取得できない。麻薬施用者免許を取得できるのは、医師歯科医師獣医師のみである。麻薬施用者とは、都道府県知事の免許を受けて、疾病の治療の目的で、業務上麻薬を施用し、若しくは施用のため交付し、又は麻薬を記載した処方せんを交付する者をいう。
2.× 麻薬を廃棄したときは市町村長ではなく、都道府県知事に届け出る。廃棄するときは、原則として、品名・数量・廃棄の方法を都道府県知事に届け出て、当該職員の立会いの下に行わなければならない。
3.× アンプルの麻薬注射液は複数の患者に分割して用いるのは、違法にはならないが避けた方が良い。なぜなら、麻薬注射液を複数の患者に分割して用いることは、管理面衛生面に問題があるため。
4.〇 正しい。麻薬及び向精神薬取締法に管理について規定されている。『麻薬及び向精神薬取締法』に、麻薬診療施設における麻薬の管理、保管が定められている。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。