第107回(H30) 看護師国家試験 解説【午後51~55】

 

51 子どもの権利について述べている事項で最も古いのはどれか。

1.児童憲章の宣言
2.児童福祉法の公布
3.母子保健法の公布
4.児童の権利に関する条約の日本の批准

解答2

解説

1.× 児童憲章の宣言は、昭和26年(1951年)5月5日(こどもの日)に行われた。当時の児童福祉法では不十分だった児童福祉について、日本国憲法の精神にしたがって向上を目指している。
2.〇 正しい。児童福祉法の公布は、昭和22年(1947年)12月である。公布時の『児童福祉法』には、先駆け的形態であり、子どもの権利について記載されている。
3.× 母子保健法の公布は、昭和40年(1965年)8月である。母性の尊重は記載されている。
4.× 児童の権利に関する条約の日本の批准は、平成元年(1989年)に国連で採択され、日本は平成6年(1994年)に批准した。児童の権利を保障するためのものである。締約国は規定された児童の権利を保障する義務を負うことになる。

 

 

 

 

 

52 ピアジェ, J.の認知発達理論において2〜7歳ころの段階はどれか。

1.感覚-運動期
2.具体的操作期
3.形式的操作期
4.前操作期

解答4

解説

認知認識理論

 ピアジェは、子どもの様子を分析することを通じて乳幼児期の認知の発達を「実際の行為を頭の中でイメージし、行為の結果を想像する(操作)」ことができるまでの4つの段階に分けた。

1.× 感覚-運動期は、0~2歳の発達段階を指す。対象を見る・触るなど感覚を通じてとらえ、対象をつかんで投げるなど運動的な働きかけを介して認識する時期である。つまり、感覚と運動により外界に適応する時期である。見えない場所に物を置いてもその場にあり続けるといった対象物の永続性などを身につける。
2.× 具体的操作期は、7~11歳の発達段階を指す。具体的な対象をみて、ものごとの関係を考えるようになる第一段階(おはじきを用いて足し算を理解するなど)と、あることがらと別のことがらの共通項を推理し、別の角度からの見え方を推測するなど、より抽象的に思考できるようになる第二段階がある。また、対象にある操作を加えても元に戻すことができること(思考の可逆性)、外見が変わってもそのもの自体には変化がないことを見いだすようになる(保存)といった特徴がある.
3.× 形式的操作期は、12歳以降の発達段階を指す。仮説に基づいて結論を導くこと(仮説演繹的思考:かせつえんえきてきしこう)、あることがらを生じさせる要因の組合せを系統的に調べ見つけること(組合せ思考)、ものごとの共変関係を理解できる(計量的な比例概念)など、論理的な思考ができるようになるという特徴がある。
4.〇 正しい。前操作期は、2~7歳を指す。この時期は、急激に言語を獲得することでイメージの思考ができるようになる(表象的思考)。たとえば、幼児期前期の小児が、自分のかわいがっているぬいぐるみは生きていると考えることなどが挙げられる。

 

 

 

 

 

53 乳歯について正しいのはどれか。

1.6〜8か月ころから生え始める。
2.5〜7歳ころに生えそろう。
3.全部で28本である。
4.う蝕になりにくい。

解答1

解説

1.〇 正しい。6〜8か月ころから生え始める。最初に生えるのは、乳中切歯(前歯)のことが多い。

2.× 最後に生える乳臼歯(奥歯)は、2歳半頃生え始め、3歳頃にすべての乳歯が生えそろう。

3.× 全部で28本ではなく、20本である。
4.× う蝕になりにくいのではなく、なりやすい。なぜなら、乳歯は永久歯と比べて石灰化度が低いため。う蝕(齲蝕・うしょく)とは、口腔内の細菌が糖質から作った酸によって、歯質が脱灰されて起こる、歯の実質欠損のことである。

 

 

 

 

 

54 乳児への散剤の与薬について、親に指導する内容で適切なのはどれか。

1.ミルクに混ぜる。
2.はちみつに混ぜる。
3.少量の水に溶かす。
4.そのまま口に含ませる。

解答3

解説

 小児への与薬のコツは、子どもの発達段階にあわせて説明すること、子どもが飲みやすいように形状や味を工夫すること、飲めたらしっかりほめることである。さらに、自己管理するのは、学童期以降でなければ難しいので、周囲にいる大人が正しい知識を身につけておくことが重要である。

 

1.× ミルクに混ぜるのは不適切である。なぜなら、散剤は苦く、主なエネルギー源であるミルクに混ぜてしまうと、ミルク嫌いになり栄養が摂取できなくなる可能性があるため。また、ミルクを残した場合に薬を全量服用できないおそれもあるため。
2.× はちみつに混ぜるのは不適切である。なぜなら、はちみつにはボツリヌス菌が含まれているため。厚生労働省は、腸内環境が整っていない1歳未満の乳児にはちみつを与えると乳児ボツリヌス症を発生する危険性が高いため、与えないように注意喚起をしている。
3.〇 正しい。少量の水に溶かす。なぜなら、水は薬の作用に拮抗したり阻害したりしないため。また、授乳後は満腹になり内服ができないことも多く、嘔吐する危険性も高いので、内服のタイミングとしては授乳前の空腹時や、授乳と授乳の間に行うことが望ましい。
4.× そのまま口に含ませるのは不適切である。なぜなら、そのままでは散剤の苦さによって、その後飲まなくなるおそれがあるため。また無理やり散剤をそのまま口に入れると、誤嚥や嘔吐の危険性がある。

 

 

 

 

 

 

55 入院中に陰圧室に隔離すべき感染症はどれか。

1.麻疹
2.風疹
3.手足口病
4.流行性耳下腺炎

解答1

解説

 陰圧室とは、室内の空気や空気感染する可能性のある細菌が外部に流出しないように、気圧を低くしてある病室のことである。空気感染隔離室とも呼ばれる。空気感染する感染症は、麻疹水痘(みずぼうそう)結核が代表的疾患である。感染症にはさまざまな感染経路があるが、陰圧室に隔離すべきということは、患者周囲の空気を外に飛散させてはならないということである。

 

1.〇 正しい。麻疹は、空気感染する感染症の代表疾患である。
2.× 風疹は飛沫感染による。
3.× 手足口病は、飛沫接触感染による。
4.× 流行性耳下腺炎は、飛沫・接触感染による。

 

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