第107回(H30) 看護師国家試験 解説【午後56~60】

 

56 閉経について正しいのはどれか。

1.月経は永久に停止する。
2.子宮機能の低下で生じる。
3.原発性無月経のことである。
4.月経が3か月みられない時点で閉経と判定する。

解答1

解説

1.〇 正しい。月経は永久に停止する。閉経とは、加齢に伴い卵巣の活動が次第に消失した結果、月経が永久に停止した状態のことである。
2.× 子宮ではなく卵巣の機能低下で生じる。
3.× 原発性無月経のことではない。原発性無月経とは、満18歳を迎えても初経が起こらない状態を指す。染色体異常や先天性子宮欠損などが原因であることが多い。
4.× 月経が3か月ではなく、更年期女性が12か月以上無月経で閉経と判定する。日本女性の閉経の中央値は50.5歳とされる。43歳未満での自然閉経は、早発閉経とよばれる。

 

 

 

 

 

57 正常な胎児の分娩機転について正しいのはどれか。

1.骨盤内嵌入時、胎児の背中は母体の背側にある。
2.胎児の前頭部が先進する。
3.胎児の顔は母体の背側を向いて娩出される。
4.肩甲横径が骨盤の横径に一致する方向で娩出される。

解答3

解説

 胎児の回旋は、胎児と産道の相互関係で生じるものであり、骨盤入口部では横径が長く、出口部では縦径が長い前屈した産道を、胎児が最小周囲径で通過するための目的にかなった動きである。正常な分娩機転では、頭位の胎児が屈位をとることで、児頭の最小周囲径である小斜径周囲(周囲径約32cm)で骨盤腔を通過できる姿勢となり、先進部が母体前方に回旋しながら骨盤軸に沿って下降し、頭部・体幹が娩出に至る過程である。

 

1.× 骨盤内嵌入時、胎児の背中は母体の背側になく、左右いずれかにある。このとき(正常な第1回旋では第一胎向か第二胎向にある)、胎児の小斜径が骨盤の横径に一致しているため。嵌入(かんにゅう)とは、児頭大横径が骨盤入口部を超えて下降することをいう。
2.× 胎児の前頭部ではなく、後頭部が先進する。なぜなら、通過面は前後径周囲(周囲径約33cm)で、前頭部(大泉門)が先進すると分娩の難易度が高くなるため。
3.〇 正しい。胎児の顔は母体の背側を向いて娩出される。なぜなら、第2回旋が正常に進行すれば、先進する後頭部は母体前方(恥骨側)に回るため。
4.× 肩甲横径が骨盤の横径ではなく、縦径に一致する方向で娩出される。なぜなら、骨盤出口部は縦径が長いため。肩甲の娩出は、第4回旋であり胎児の肩甲の長軸である横径を骨盤の縦径に一致させて娩出する。

回旋:第1・第3回旋は胎児の姿勢を変化させる回旋(胎勢回旋・横軸回旋)であるのに対し、第2・第4回旋は体幹の向きが移動する回旋(胎向回旋・縦軸回旋)である。

 

 

 

 

 

58 母子保健施策とその対象の組合せで正しいのはどれか。

1.育成医療:結核児童
2.養育医療:学齢児童
3.健全母性育成事業:高齢妊婦
4.養育支援訪問事業:特定妊婦

解答4

解説

1.× 育成医療は、『障害者総合支援法』の自立支援医療のひとつである。身体障害児のうち、治療効果が期待できる者が対象である。
2.× 養育医療は、『母子保健法』に規定されており、未熟児養育医療といわれている。身体の発育が未熟なまま出生した乳児が対象である。
3.× 健全母性育成事業は、思春期特有の医学的問題などについての相談や母性保健知識の指導を行う。思春期の男女が対象である。
4.〇 正しい。養育支援訪問事業は、『児童福祉法』に規定されているもので、要支援児童特定妊婦などを対象とする。特定妊婦とは、出産後の養育について出産前において支援を行うことが特に必要と認められる妊婦をいう。

 

 

 

 

 

59 精神保健活動における二次予防に該当するのはどれか。

1.地域の子育てサークルへの支援
2.休職中のうつ病患者への復職支援
3.企業内でのメンタルヘルス講座の開催
4.学校を長期間欠席している児童への家庭訪問

解答4

解説

 予防医学の用語である。
一次予防とは、健康な人に対して疾患につながるよう予防したり、健康増進のための教育をしたりすること。
二次予防とは、疾患の早期発見・早期治療によって重篤化を予防することである。
三次予防とは、疾患を発症した人に対して再発防止やリハビリテーション、社会復帰を支援することである。

 

1.× 地域の子育てサークルへの支援は、一次予防である。なぜなら、健康な母子への健康増進、疾患予防の支援であるため。
2.× 休職中のうつ病患者への復職支援は、三次予防である。なぜなら、すでに疾患を発症した人に対する復職支援のため。
3.× 企業内でのメンタルヘルス講座の開催は、一次予防である。なぜなら、健康な人を対象とした健康増進や疾患予防のための勉強会であるため。
4.〇 正しい。学校を長期間欠席している児童への家庭訪問は、二次予防である。なぜなら、長期間欠席しているということは、何らかの健康問題を抱えている可能性(精神的な疾患にまで悪化していないという前提)があり、その児童へかかわることによって問題の早期発見・早期治療につながるため。

 

 

 

 

 

60 統合失調症の幻覚や妄想に最も関係する神経伝達物質はどれか。

1.ドパミン
2.セロトニン
3.アセチルコリン
4.ノルアドレナリン

解答1

解説

1.〇 正しい。ドパミンは、統合失調症と関連が深い神経伝達物質である。統合失調症では、中脳-辺縁系のドパミン神経の過活動によって幻覚や妄想が生じると考えられている。多くの抗精神病薬には、ドパミン遮断作用がある。
2.× セロトニンは、うつ病と関連が深い神経伝達物質である。代表的な抗うつ薬であるSSRIは、セロトニンの再取り込みを阻害し、セロトニン神経の働きを正常化する。
3.× アセチルコリンは、アルツハイマー型認知症と関連が深い神経伝達物質である。主要な抗認知症薬には、コリンエステラーゼ阻害作用を持ち、アセチルコリンの分解を抑制する働きがある。
4.× ノルアドレナリンは、うつ病と関連が深い神経伝達物質である。代表的な抗うつ薬であるSNRIは、セロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害し、セロトニン神経とノルアドレナリン神経の働きを正常化する。

 

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