第107回(H30) 看護師国家試験 解説【午前61~65】

 

61 Aさん(83歳、男性)は、脳梗塞の後遺症で右片麻痺があり、在宅療養中である。嚥下障害のため胃瘻を造設している。義歯を装着しているが、自分の歯が数本残っている。
 Aさんの口腔ケアについて、介護者への指導で適切なのはどれか。

1.義歯を装着したまま歯を磨く。
2.経管栄養直後に実施する。
3.ペースト状の歯磨剤を使用する。
4.歯垢の除去には歯ブラシを用いる。

解答4

解説

1.× 義歯を装着したままではなく、義歯を外した状態でブラッシングを行う。なぜなら、義歯を装着したままだと、義歯の金具がかかっている部分や義歯と隣接している歯の部分に歯ブラシが届かないため。
2.× 経管栄養直後は口腔ケアは行わない。なぜなら、嘔吐反射を起こす危険性が高まるため。
3.× ペースト状の歯磨剤を使用しない。なぜなら、ペースト状の研磨剤入りの歯磨剤は泡立つため口をゆすぐ必要があり、右片麻痺では困難で誤嚥のリスクもあるため。歯ブラシのみでも十分であり、特に使用する必要はない。
4.〇 正しい。歯垢の除去には歯ブラシを用いる。通常の場合と同様に歯ブラシにより歯垢を除去する必要がある。歯垢は歯ブラシで適切に除去しないと歯周病へ悪化する。

 

 

 

 

 

62 特別訪問看護指示書による訪問看護について正しいのはどれか。

1.提供できる頻度は週に3回までである。
2.提供できる期間は最大6か月である。
3.対象に指定難病は含まない。
4.医療保険が適用される。

解答4

解説

訪問看護の指示書には、訪問看護指示書、特別訪問看護指示書、精神科訪問看護指示書などがある。

②特別訪問看護指示書とは、「厚生労働大臣が定める疾病等」の療養者や指定された医療処置・管理が必要であると主治医が認める者などに交付される。医療保険が適用され、交付は原則として月1回まで、有効期間は14日である。

③精神科訪問看護指示書とは、精神疾患のある利用者とその家族を対象とし、地域や家庭で療養上の援助・指導が必要であると主治医が認める場合に交付される。有効期間は6か月以内で、介護保険対象者であっても医療保険によるサービス提供となる。

1~2.× 「週3回まで」および「最大6か月」は、訪問看護指示書の規定である、特別訪問看護指示書による訪問看護には、訪問頻度の制限はない。ただし、交付は原則として月1回まで(気管カニューレの使用または真皮を超える褥瘡がある場合は月2回まで)で、1回あたりの有効期間は14日である。
3.× 対象に指定難病は含まれる。
4.〇 正しい。医療保険が適用される。また、特別訪間看護指示書が交付されるまで介護保険による訪問看護を利用者していた場合、医療保険による訪問看護に切り替わる。

 

 

 

 

 

63 要介護2と認定された高齢者の在宅療養支援において、支援に関与する者とその役割の組合せで適切なのはどれか。

1.介護支援専門員:家事の援助
2.市町村保健師:居宅サービス計画書の作成
3.訪問看護師:日常生活動作(ADL)の向上のための訓練
4.訪問介護員:運動機能の評価

解答3

解説

1.× 介護支援専門員(ケアマネジャー)の役割は、利用者のニーズを把握し、適切なサービスと結び付けてケアプランを作成することである。家事の援助などの直接的な支援を提供するのはホームヘルパーである。
2.× 市町村保健師は、母子分野では家庭訪問、母子健康診断、児童虐待予防、子育て教室などを業務として行う。介護保険における居宅サービス計画書を作成するのは、介護支援専門員(ケアマネジャー)の役割である。
3.〇 正しい。訪問看護師が利用者に提供する看護ケアには、日常生活動作の向上のための訓練などのリハビリテーションも含まれる。
4.× 訪問介護員は、運動機能の評価を行うことはない。訪問看護師や理学療法士らと協力して運動機能の向上に向けたリハビリテーションを実施することはあるが、主に運動機能の評価を行うのは、看護師や理学療法士などのリハビリテーション職である。

 

 

 

 

 

64 日本の医療保険制度について正しいのはどれか。

1.健康診断は医療保険が適用される。
2.75歳以上の者は医療費の自己負担はない。
3.医療保険適用者の約3割が国民健康保険に加入している。
4.健康保険の種類によって1つのサービスに対する診療報酬の点数が異なる。

解答3

解説

1.× 健康診断は医療保険が適用されない。なぜなら自由診療であるため。健康保険等の医療保険は、疾病・負傷の治療が対象である。健康の保持増進、疾病等の予防は対象にならない。
2.× 75歳以上の者(後期高齢者医療制度の対象)の医療費の自己負担は原則1割(一定額以上収入者は3割)である。
3.〇 正しい。医療保険適用者の約3割が国民健康保険に加入している。市町村国保が3.182万人(25.2%)、国保組合が286万人(2.3%)で、合わせて全体の27.5%が国民健康保険加入者である。
4.× 各サービスの診療報酬の点数は、加入する医療保険の種類にかかわらず同じである。

 

 

 

 

 

65 日本の医療提供施設について正しいのはどれか。

1.病院数は1995年から増加傾向である。
2.2013年の人口対病床数は先進国の中で最も多い。
3.介護老人保健施設数は2000年から減少傾向である。
4.精神科の平均在院日数は1990年から先進国で最短である。

解答2

解説

1.× 日本の病院数は、1990年をピークとして減少傾向にある。
2.〇 正しい。2013年の人口対病床数は先進国の中で最も多い。2014年の日本の人口千対病床数は13.2となっており、先進諸国のなかで最も多い。
3.× 介護老人保健施設数は2000年から減少ではなく増加傾向である。2016年には4241施設となっている。
4.× 精神科の平均在院日数は1990年から先進国で最短ではなく著しく長いと言われている。日本の精神病床の平均在院日数は、1990年以降、毎年短くなってはいるが、2016年でも約270日であり、先進諸国に比べて著しく長いといわれている。

 

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