第107回(H30) 看護師国家試験 解説【午前66~70】

 

66 看護師が自ら進んで能力を開発することの努力義務を定めているのはどれか。

1.医療法
2.労働契約法
3.教育基本法
4.看護師等の人材確保の促進に関する法律

解答4

解説

1.× 医療法は、病院等の医療提供施設の設置の根拠法であり、都道府県医療計画などが定められている。
2.× 労働契約法は、労働契約の基本となる事項を定める法律である。
3.× 教育基本法は、日本の教育の基本となる事項を定める法律である。教育の目的・目標、理念、教育の機会均等などが定められている。
4.〇 正しい。『看護師等の人材確保の促進に関する法律』の6条に、看護師等の責務として、看護師が自ら進んで能力を開発することの努力義務が定められている。

 

 

 

 

 

67 災害医療について正しいのはどれか。

1.災害拠点病院は市町村が指定する。
2.医療計画の中に災害医療が含まれる。
3.防災訓練は災害救助法に規定されている。
4.災害派遣医療チーム(DMAT)は災害に関連した長期的な医療支援活動を担う。

解答2

解説

1.× 災害拠点病院は市町村ではなく、都道府県が指定する。
2.〇 正しい。医療計画の中に災害医療が含まれる。災害医療は、医療計画における5疾病・5事業並びに在宅医療に含まれる。5疾病とは、①がん、②脳卒中、③急性心筋梗塞、④糖尿病、⑤精神疾患を、5事業とは、①救急医療、②災害医療、③へき地医療、④周産期医療、⑤小児医療を示す。
3.× 防災訓練は災害救助法ではなく、災害対策基本法に規定されている。
4.× 災害派遣医療チーム(DMAT)は、災害に関連した長期的ではなく、短期的(48時間程度)な医療支援活動を担う。

 

 

 

 

 

68 小腸で消化吸収される栄養素のうち、胸管を通って輸送されるのはどれか。

1.糖質
2.蛋白質
3.電解質
4.中性脂肪
5.水溶性ビタミン

解答4

解説

胸管とは、下半身と左上半身のリンパを集める全長35~40cmのリンパ管のことである。

1.× 糖質は、小腸の絨毛から分泌される消化酵素により単糖類へと分解されたあと、小腸上皮から吸収され、毛細血管から門脈を経て肝臓に運ばれる。
2.× 蛋白質は、蛋白質分解酵素によって分解され、アミノ酸あるいはペプチドとして小腸上皮より吸収、毛細血管から門を経て肝臓に運ばれる。
3.× 電解質は、その種類により吸収される小腸の部位や吸収動態は異なるが、その多くはイオン化されて吸収された後、吸収細胞内から血管内へ移動する。
4.〇 正しい。中性脂肪は、リパーゼにより分解されたのち、胆汁酸によってミセル化され小腸上皮から吸収される。その後、蛋白質と結合してカイロミクロンとなり、リンパの流れに乗り胸管を経由して鎖骨下静脈から大循環に入り、全身に至る。
5.× 水溶性ビタミンの多くは、トランスポーターと呼ばれる蛋白質と結合して小腸から吸収され、血管を経由して肝臓に運ばれる。ちなみに、脂溶性ビタミンは脂質の吸収経路と類似している。

 

 

 

 

 

69 性周期が規則的で健常な成人女性において、着床が起こる時期に血中濃度が最も高くなるホルモンはどれか。

1.アルドステロン
2.プロゲステロン
3.エストラジオール
4.黄体形成ホルモン(LH)
5.卵胞刺激ホルモン(FSH)

解答2

解説

着床が起こる時期とは、月経の黄体期である。

1.× アルドステロン(副腎皮質ホルモン)は、健常な成人女性の性周期には関係ない。アルドステロンは、腎臓の尿細管に作用してナトリウムの再吸収を促進する。
2.〇 正しい。プロゲステロン(黄体ホルモン)は、着床の時期に高くなる。プロゲステロンは子宮内膜を着床に適した状態にする作用を持つ。
3.× エストラジオール(卵胞ホルモン)は、子宮内膜を増殖・肥厚させる。排卵前にピークをむかえ、排卵後はピーク時よりも少ない分泌量となる。
4.× 黄体形成ホルモン(LH)は、月経の14日目頃大量に下垂体前葉から産生される(LHサージ)。このLHサージが排卵を誘起させる。
5.× 卵胞刺激ホルモン(FSH)もLBサージの時期にピークをむかえる。FSHは、LHと同等に下垂体前葉から分泌され、卵胞を成熟させる役割をもつ。

 

 

 

 

 

70 腹部を下図に示す。胆石が半年間で胆囊内をAからCまで移動した。
Cの状態を表すのはどれか。


1.嵌頓
2.侵入
3.転位
4.停留
5.迷入

解答1

解説

Aでは胆嚢に結石があることがわかる。B、Cと胆石が胆嚢頚部に向かって移動したと判断できるが、ポイントはCの胆嚢がAのときよりも腫大していること。

1.〇 正しい。嵌頓(かんとん)とは、ものが狭い部分にはまることを指し、尿管結石や胆管結石にしばしば認められる。また腸重積症にも見られることもある。画像Aでは結石が胆嚢底部にあるが、画像BからCでは結石が胆嚢頚部から胆嚢管にかけて移動している。また、Cの胆嚢はAのときよりも腫大している。したがって胆嚢頚部または胆嚢管に結石が嵌頓したために、いわゆる急性胆嚢炎が引き起こされている画像所見である。
2.× 侵入とは、本来ない物質がある場所に入り込むことである。たとえばウイルスが体内に侵入する場合などに用いられる。
3.× 転位とは、いわゆる‘‘ずれ’’であり、骨折時などにみられる。
4.× 停留とは、元来移動するべきものが留まってしまうことをいう。出生までに陰嚢内に移動する睾丸が高い位置に留まっている停留睾丸などでみられる。
5.× 迷入とは、本来ない場所に移動する、あるいは本来ないものが違う場所に存在することをいう。前者は「ステントが迷入する」、後者は「迷入膵」などで用いられる

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。