第107回(H30) 看護師国家試験 解説【午前76~80】

 

76 車椅子での座位の姿勢を下図に示す。
 このような姿勢を長時間続けることで最も褥瘡が発生しやすい部位はどれか。


1.右肘関節部
2.右大転子部
3.左坐骨結節部
4.左膝関節外側部
5.左足関節外果部

解答3

解説

自力で動けない状態において、マットレスに接触する骨突出部位は、すべて褥瘡の発生リスク部位となる。画像から圧迫している部位をみつける。

1.× 右肘関節部の褥瘡は、仰臥位での好発部位である。
2.× 右大転子部の褥瘡は、右側臥位での好発部位である。
3.〇 正しい。左坐骨結節部の褥瘡は、坐位での好発部位である。他選択肢よりも坐位による外力が最も大きくかかる部位である。
4.× 左膝関節外側部の褥瘡は、側臥位での好発部位である、
5.× 左足関節外果部の褥瘡は、左側臥位での好発部位である。

 

 

 

 

 

77 平成26年(2014年)の人口動態統計において、1〜4歳の死因で最も多いのはどれか。

1.肺炎
2.心疾患
3.悪性新生物
4.不慮の事故
5.先天奇形、変形及び染色体異常

解答5

解説

1.× 肺炎は、1~4歳の死因の第5位であり、死亡数は35人、人口10万対の死亡率は1.3である
2.× 心疾患は、1~4歳の死因の第4位であり、死亡数は40人、人口10万対の死亡率は1.0である。
3.× 悪性新生物は、1~4歳の死因の第3位であり、死亡数は59人、人ロ10万対の死亡率は1.5である。
4.× 不慮の事故は、1~4歳の死因の第2位であり、死亡数は85人、人口10万対の死亡率は2.2である。
5.〇 正しい。先天奇形、変形及び染色体異常は、1~4歳の死因の第1位であり、死亡数は150人、人ロ10万対の死亡率は3.8である。

(※平成28年の人口動態統計(厚生労働省)調べから)

 

 

 

 

 

78 Aちゃん(8歳、女児)は、白血病の終末期で入院しているが、病状は安定している。両親と姉のBちゃん(10歳)の4人家族である。
 Aちゃんの家族へ看護師が伝える内容として適切なのはどれか。

1.「Aちゃんは外出できません」
2.「B ちゃんは面会できません」
3.「A ちゃんが食べたい物を食べて良いです」
4.「A ちゃんよりもご家族の意思を優先します」
5.「Aちゃんに終末期であることは伝えないでください」

解答3

解説

症状は安定しているので、学童期の発達段階を踏まえてケアを提供する必要がある。そして、終末期の患者が最善の意思決定をできるよう、必要な情報を患者・家族へ提供し、患者の有意義な時間の過ごし方や家族のこころの準備をサポートする。

1.× 「Aちゃんは外出できません」・・・白血病のため感染症に注意が必要だが、症状が安定していれば、医師の指示のもと、家族と一緒に過ごせる時間や、外出などのリフレッシュできる時間を提供していく。
2.× 「B ちゃんは面会できません」・・・病院での小児の面会は、基本禁止とされていることが多いが、姉も10歳で感染対策を理解できる年齢と考えられる。退院できない終末期の患者であることを考慮し、家族との時間を優先する。
3.〇 正しい。「A ちゃんが食べたい物を食べて良いです」・・・終末期では食べたいものを食べられる時間を大切にすることで、食事に喜びを見いだしてもらえるように支援するべきである。
4.× 「A ちゃんよりもご家族の意思を優先します」・・・8歳の発達段階を踏まえて考えると、がんについてわからないことを自分で考えて尋ねることができると考えられる。そのため、ご家族・本人の両方の意思を聞くことが大切である。
5.× 「Aちゃんに終末期であることは伝えないでください」・・・家族がこのように考えることはあるが、看護師がこのように家族に伝えることはない。学童期の発達段階をふまえ、病態をわかりやすく伝え、患者自身が感じている症状や思いに対して家族と一緒に考えていくかかわりが必要である。

 

 

 

 

 

79 Aさん(28歳、女性)は、2歳の子どもを養育しながら働いている。
 Aさんが所定労働時間の短縮を希望した場合、事業主にその措置を義務付けているのはどれか。

1.児童福祉法
2.労働基準法
3.男女共同参画社会基本法
4.雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(男女雇用機会均等法)
5.育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(育児・介護休業法)

解答5

解説

妊産婦や子どもを育てる女性の労働時間に関する規定は、いくつかの法律に規定されている。

1.× 児童福祉法は、地域子育て支援拠点事業などの子育てに関する事業が定められているが、労働時間の短縮の規定はない。
2.× 労働基準法は、労働基準法は労働者の労働条件などをまもるための使用者に対する法律である。妊産婦(妊娠中の女性及び産後1年を経過しない女性をいう)が請求した場合に、変型労働時間制を適用しないこと、時間外労働・休日労働をさせてはならないこと、深夜業をさせてはならないことが定められている。所定労働時間の短縮は規定されていない
3.× 男女共同参画社会基本法は、男女が社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画する機会が確保される事などを目的とする法律である。労働時間については定められていない。
4.× 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(男女雇用機会均等法)は、妊娠中及び出産後の女性について保健指導、健康診査を受ける時間の確保が事業主の義務として定められている。所定労働時間の短縮は規定されていない
5.〇 正しい。育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(育児・介護休業法)は、事業主が講ずべき措置のひとつとして「育児のための所定労働時間の短縮措置」が定められている。3歳に満たない子を養育する労働者が対象となる。この法は育児休業、介護休業、子の看護休暇、介護休暇なども規定している。

 

 

 

 

 

80 難病患者が自分の病気について学ぶことで不安を解消しようとする防衛機制はどれか。

1.否認
2.昇華
3.知性化
4.合理化
5.反動形成

解答3

解説

防衛機制とは人間の持つ心理メカニズムであり、自分にとって受け入れがたい状況や実現困難な目標に対して、自我を保つために無意識で発動する心理的な機構である。防衛機制には、短期的には精神状態を安定させる作用があるが、長期的にみればかえって精神を不安定にさせてしまうものもある。

1.× 否認は、自分が現在陥っている状況を認めないことで自我を保とうとする防衛機制である。依存症の患者で多くみられる。現実から目をそらすことで短期的にはその快楽を持続することができるが、長期的には依存を悪化させる。例えばアルコール依存症患者において、「そんなにお酒を飲んでいない」「お酒をやめようと思えばいつでもやめられる」と現実を受け入れない状況などが例としてあげられる。
2.× 昇華は、そのままの形では満たされない衝動や欲求を、社会的価値をもつものに置き換えて達成することで自己実現をはかろうとする防衛機制である。破壊的衝動や性的欲求を、芸術やスポーツといった活動に向けることなどが例としてあげられる。
3.〇 正しい。知性化は、不安や恐怖、受け入れがたい現実などに直面した際に、過剰な知的活動によってそれをコントロールし、あやふやにして覆い隠そうとする防衛機制である。また難解な言葉を用いて自分を優位に見せたり、正当化したりすることも知性化に含まれる。
4.× 合理化は、一見するともっともらしい理由付けを行うことによって自分の言動を正当化する防衛機制である。例えば試験に不合格になってしまった時に「周りがうるさかった」「その日は体調が悪くて集中力が落ちていた」などといった理由付けを行って自分を納得させるのが合理化である。
5.× 反動形成は、自分が本当にしたいことや感情を相手に悟られないようにするため、敢えて反対の発言や行動を行うことである。本当は腹が立って仕方ない相手に対して、逆に親切にふるまったり、好きな子にいじわるをしたりすることは反動形成の例である。

 

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