第107回(H30) 看護師国家試験 解説【午前81~85】

 

81 新人看護師のAさんは、夜勤の看護師からの引き継ぎが終了した後、日勤で行う業務を書き出した。
 Aさんが書き出した以下の業務のうち最も優先して行うのはどれか。

1.頭部の搔痒感を訴える患者の洗髪
2.夜間せん妄のあった患者との散歩
3.午後に入院する患者の診療録の準備
4.翌日に検査を受ける予定の患者への説明
5.人工呼吸器を装着中の患者の状態の確認

解答5

解説

看護業務の優先度を考えるときの基本的な考え方は、生命に対する「重症度」と「緊急度」である

1~4.× 頭部の搔痒感を訴える患者の洗髪/夜間せん妄のあった患者との散歩/午後に入院する患者の診療録の準備/翌日に検査を受ける予定の患者への説明は、5と比較すれば、生命や病状等の面での緊急度(優先順位)が低いと考えられる。
5.〇 正しい。人工呼吸器を装着中の患者の状態の確認は、最も優先的に状態を確認する必要がある。なぜなら、人工呼吸器を装着中の患者は、人工呼吸器の不備や体調が変化しやすいため。

 

 

 

 

 

82 車軸関節はどれか。2つ選べ。

1.正中環軸関節
2.腕尺関節
3.上橈尺関節
4.指節間関節
5.顎関節

解答1/3

解説

車軸関節では、一方の骨の関節部分が車軸のように軸となって、もう一方の骨の関節部分(関節寓)の中を回旋する。

1.〇 正しい。正中環軸関節は、第2頚椎(軸椎)の歯突起を軸として、第1頚椎(環椎)が回旋する車軸関節の構造を持つ。この関節を軸として、首を左右に幅広く回せるようになる。
2.× 腕尺関節は、蝶番関節である。上腕骨遠位端の滑車部と、尺骨の近位部の滑車切痕によって構成される。蝶番のように一方向にのみ曲げ伸ばし可能で、蝶番関節という。
3.〇 正しい。上橈尺関節は、車軸関節である。尺骨近位部の椀骨切痕に対して、桃骨近位部の関節環状面が滑るように動き、前腕の回内・回外運動を可能とする、
4.× 指節間関節は、屈曲進展運動のみ可能な蝶番関節である。
5.× 顎関節は、楕円関節(顆状関節)といわれる。一方の関節部が楕円形をしており、もう片方の関節部がこれに対応したくぼみを有した関節は、回転運動と前方への滑走運動を行うことができる。

 

 

 

 

 

83 嚥下運動に伴って起こるのはどれか。2つ選べ。(※不適切問題:採点対象から除外)

1.声門の開放
2.舌根の沈下
3.甲状腺の挙上
4.後鼻孔の閉鎖
5.耳管咽頭口の開口

解答(解答なし:採点除外)
理由:問題として適切であるが、受験者レベルでは難しすぎるため。

解説

1.× 声門の開放したままでは、液体などを誤嚥してしまう。誤嚥運動で、声門は閉鎖する。声を出しながら嚥下できないのはこのためである。
2.× 舌根の沈下は起こらない。舌根の沈下とは、舌の筋肉が弛緩し、その重みで喉の奥に落ち込むことである。気道が閉塞するので、いびきや睡眠時無呼吸症候群の原因となりうる。嚥下とは無関係である。
3.〇 甲状腺の挙上が起こる。甲状腺は、輪状軟骨に付着して存在する。嚥下運動時に喉頭が挙上するが、それに伴って輪状軟骨も挙上する。
4.〇 後鼻孔の閉鎖される。もし、後鼻孔が閉鎖されないと、嚥下したものが鼻腔へ入ってしまう。軟口蓋が、嚥下運動で後上方へ挙上し咽頭腔と鼻腔を隔てる。
5.〇 耳管咽頭口の開口する。耳管咽頭口の主な働きとして、換気作用に際しての換気弁としての機能である。嚥下運動時に口蓋帆張筋が収縮して耳管咽頭口が開き、鼓室内外の圧調整が行われる。

 

 

 

 

 

84 パルスオキシメータを下図に示す。
 表示されている数値が示すのはどれか。2つ選べ。


1.脈拍数
2.酸素分圧
3.酸素飽和度
4.重炭酸濃度
5.二酸化炭素濃度

解答1/3

解説

パルスオキシメーターは、皮膚を通して動脈血酸素飽和度を測定する装置である。プローブにある受光部センサーが、拍動する動脈の血流を検知し、光の吸収値から動脈血酸素飽和度を計算するため、脈拍数も同時に測定される。したがって、選択肢1.3 脈拍数/酸素飽和度が正しい。

 

 

 

 

 

85 網膜剝離について正しいのはどれか。2つ選べ。

1.確定診断のために眼底検査を行う。
2.前駆症状として光視症がみられる。
3.初期症状として夜盲がみられる。
4.失明には至らない。
5.若年者に好発する。

解答1/2

解説

網膜剥離とは、眼球の内側にある網膜という膜が剥がれて、視力が低下する病気である。網膜は眼球内の光を感知する部分であり、網膜が物理的に剥がれることで網膜剥離が起こる。

1.〇 正しい。確定診断のために眼底検査を行う。眼底精密検査とは、眼底を直接観察することで剥離部を見つけることができる。
2.〇 正しい。前駆症状として光視症がみられる。前駆症状としては光視症飛蚊症を認めることがある。これは網膜裂孔を生じる際の網膜組織切片が原因である。痛みは生じない。また、「カーテンを引いたような」と表現される見えづらさが進行性に出現する。
3.× 初期症状で夜盲はみられない。網膜剥離と夜盲は関連しない。夜盲は、網膜内の杆体細胞の機能異常で起こり、網膜色素変性ビタミンA欠乏症がその代表的な疾患である。
4.× 失明には至らない/若年者に好発するは不適切である。黄斑部を含んだ網膜剥離は失明することもある。好発年齢は、加齢に伴う50~60歳代と近視に伴う20歳代といわれている。性差はない。

 

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