第108回(H31) 看護師国家試験 解説【午前116~120】

次の文を読み115〜117の問いに答えよ。
 Aさん(75歳、女性)は、夫とは3年前に死別し、1人暮らし。喫煙歴があり、5年前に慢性閉塞性肺疾患と診断された。長女は隣県に住んでおり、時々様子を見に来ている。Aさんは受診を継続しながら、ほぼ自立して生活していた。今回、咳・痰の症状に加え呼吸困難が増強したため入院となった。入院後は酸素療法(鼻カニューレ:2L/分)と薬物療法を受け、症状が改善し、在宅酸素療法を導入し退院することになった。Aさんは初めて要介護認定を受けたところ、要支援2であった。

116 退院後の生活での問題点の確認のため、カンファレンスを開催することになった。Aさんは、自宅での療養を強く希望しており、2L/分の酸素投与下で呼吸状態や日常生活動作(ADL)については入院前と同程度まで回復してきているが、まだ退院後の買い物や洗濯などは負荷が強く、支援が必要と判断された。また、Aさんは、呼吸困難の再発について不安を訴えている。
 カンファレンスの検討内容で優先度が高いのはどれか。

1.電動ベッドの導入
2.娘の居宅への転居
3.急性増悪時の対応方法
4.介護予防短期入所生活介護の利用

解答3

解説

1.× 電動ベッドの導入は優先度が低い。なぜなら、本症例のADLは、酸素投与下で入院前と同程度まで回復してきているため。Aさんにとって、負荷が強いのは買い物や洗濯である。
2.× 娘の居宅への転居は優先度が低い。なぜなら、本症例は在宅での療養を強く希望しているため。在宅での生活環境などを整えることが必要である。
3.〇 正しい。急性増悪時の対応方法は、優先度が高い。なぜなら、本人は呼吸困難の再発についての不安を訴えていることもあるため。また、今後在宅療養に移行し日常生活を送るなかで急性憎悪する可能性があるため。
4.× 介護予防短期入所生活介護の利用は優先度が低い。なぜなら、本症例は在宅での療養を強く希望しているため。在宅での生活環境などを整えることが必要である。

 

 

 

 

 

次の文を読み115〜117の問いに答えよ。
 Aさん(75歳、女性)は、夫とは3年前に死別し、1人暮らし。喫煙歴があり、5年前に慢性閉塞性肺疾患と診断された。長女は隣県に住んでおり、時々様子を見に来ている。Aさんは受診を継続しながら、ほぼ自立して生活していた。今回、咳・痰の症状に加え呼吸困難が増強したため入院となった。入院後は酸素療法(鼻カニューレ:2L/分)と薬物療法を受け、症状が改善し、在宅酸素療法を導入し退院することになった。Aさんは初めて要介護認定を受けたところ、要支援2であった。

117 Aさんの退院後、訪問介護員は日常生活の支援のために週1回、訪問看護師は健康状態の確認と在宅酸素療法等について必要な指導を行うため月2回訪問することとなった。退院後2週。訪問看護師が訪問すると、Aさんは時々、食後に軽い呼吸困難が生じると訴えた。
 この時の訪問看護師の指導で適切なのはどれか。

1.1回の食事量を減らし、食事回数を増やす。
2.買い物を兼ねた外出の頻度を減らす。
3.食事の準備は訪問介護員に任せる。
4.食後すぐに排泄をする。

解答1

解説

1.〇 正しい。1回の食事量を減らし、食事回数を増やす。食事中は前かがみになり、飲み込む時に息を止めるため食後に息苦しさを感じることがある。その際に、1回量を減らして食事回数を増やすことを指導するのは適切である。
2.× 買い物を兼ねた外出の頻度を減らす必要はない。なぜなら、本人は外出時の呼吸困難を訴えているわけではないため。
3.× 食事の準備を訪問介護員に任せる必要はない。なぜなら、呼吸困難は食事中~食後に生じているため。食事の準備などは本人が無理なくできていると考えられる。ADLを維持していくためにも、本人ができることは続けていく。
4.× 食後すぐに排泄をする必要はない。なぜなら、本症例は、食後に軽い呼吸困難が生じており、排泄は前かがみとなり、呼吸が止まりやすく力むためさらに負担がかかりやすい。食後はゆっくり休むことが必要である。

 

 

 

 

 

次の文を読み118〜120の問いに答えよ。
 Aさん(81歳、女性)は、1人暮らし。7年前から糖尿病、高血圧症、便秘症で病院の内科に定期的に通院しており、近所に住む長女が時々様子を見に来ていた。本日、長女がAさん宅を訪ねたところ、Aさんは床に倒れて起き上がれなくなっていた。受診の結果、胸椎と腰椎の圧迫骨折で病院に入院した。入院時、Aさんは病棟看護師に「朝食は食べていません。朝の薬を飲んだと思うが、はっきり覚えてません。家に帰ればわかります」と話した。病棟看護師が体のことで心配なことはあるかを問うと「この半年で体重が2kg減りました。最近は疲れやすく歩くのもゆっくりで、握力も弱くなり荷物を持つのがつらいです。このまま寝たきりになるのではないかと不安です」と話した。内科のカルテには1か月前の計測で身長150cm、体重41kgと記載されていた。入院時のバイタルサインは、体温36.6℃、呼吸数16/分、脈拍80/分、血圧144/88mmHg。血糖値114mg/dLで、軽度の皮膚湿潤があった。改訂長谷川式簡易知能評価スケールは29点であった。

118 入院時のアセスメントで適切なのはどれか。

1.頻脈がある。
2.低血糖である。
3.フレイルである。
4.高度な認知機能の低下がある。

解答3

解説

1.× 頻脈ではない。なぜなら、本症例の脈拍は、脈拍80/分であるため。ちなみに、脈拍の正常値は60~90回/分であり、100回/分以上の場合頻脈とみなす。
2.× 低血糖ではなく高血糖である。本症例は、朝食を食べていないため空腹時血糖が114mg/dLであるため。ちなみに、正常値の上限である110mg/dL以上であるため高血糖といえる。正常範囲は、80~110mg/dLである。
3.〇 正しい。フレイルである。本症例は、「この半年で体重が2kg減りました。最近は疲れやすく歩くのもゆっくりで、握力も弱くなり荷物を持つのがつらいです」と話している。そのため、フレイルと考えられる。
4.× 高度な認知機能の低下はみられない。なぜなら、本症例の改訂長谷川式簡易知能評価スケールは29点であるため。ちなみに、改訂長谷川式簡易知能評価スケールは、20点以下を明確な認知機能低下とみなす。

フレイルとは?

フレイルは、日本老年医学会が2014年に提唱した概念で、「Frailty(虚弱)」の日本語訳である。

健康な状態と要介護状態の中間に位置し、身体的機能や認知機能の低下が見られる状態のことを指す。

 

 

 

 

 

次の文を読み118〜120の問いに答えよ。
 Aさん(81歳、女性)は、1人暮らし。7年前から糖尿病、高血圧症、便秘症で病院の内科に定期的に通院しており、近所に住む長女が時々様子を見に来ていた。本日、長女がAさん宅を訪ねたところ、Aさんは床に倒れて起き上がれなくなっていた。受診の結果、胸椎と腰椎の圧迫骨折で病院に入院した。入院時、Aさんは病棟看護師に「朝食は食べていません。朝の薬を飲んだと思うが、はっきり覚えてません。家に帰ればわかります」と話した。病棟看護師が体のことで心配なことはあるかを問うと「この半年で体重が2kg減りました。最近は疲れやすく歩くのもゆっくりで、握力も弱くなり荷物を持つのがつらいです。このまま寝たきりになるのではないかと不安です」と話した。内科のカルテには1か月前の計測で身長150cm、体重41kgと記載されていた。入院時のバイタルサインは、体温36.6℃、呼吸数16/分、脈拍80/分、血圧144/88mmHg。血糖値114mg/dLで、軽度の皮膚湿潤があった。改訂長谷川式簡易知能評価スケールは29点であった。

119 入院後、Aさんに活性型ビタミンD製剤と鎮痛薬、胃薬が追加で処方された。追加された薬の説明は薬剤師から受けていたが、Aさんは病棟看護師に「薬は飲みたくない」と訴えた。
 Aさんの訴えに対して病棟看護師が行う対応で最も適切なのはどれか。

1.医師に相談する。
2.薬を一包化する。
3.服薬の必要性を説明する。
4.服薬に対する思いを聞く。
5.薬剤師に説明してもらう。

解答4

解説

1.× 医師に相談する前に、まずは、本人から内服に対する思いや拒否の理由を聞く。その後、適宜医師に相談するべきである。でないと、医者もどのように対応すればよいか判断できない。
2.× 薬を一包化することも可能ではあるが、Aさんはそれを望んでいるのか、そのことを把握するためにもまずはAさんの話を傾聴する必要がある。薬の一包化とは、服用時期が同じ薬や1回に何種類かの錠剤を服用する場合などに、それらをまとめて1袋にすることで、飲み間違いや錠剤の紛失を避けやすくすること。また手が不自由で薬を取り出すことが難しい場合にも便利である。
3.× 服薬の必要性を説明する優先度は低い。なぜなら、本症例の改訂長谷川式簡易知能評価スケールは29点であることからも、薬の効果などは理解している可能性が高い。服薬を希望しない理由を傾聴せず、服薬の必要性を説明し続けることは適切ではない。
4.〇 正しい。服薬に対する思いを聞く。なぜなら、本症例のなぜ「薬は飲みたくない」と訴えているのか思いを傾聴したうえでその後の対応を考えていく必要があるため。
5.× 薬剤師に説明してもらう優先度は低い。ぜなら、本症例の改訂長谷川式簡易知能評価スケールは29点であることからも、薬の効果などは理解している可能性が高い。服薬を希望しない理由を傾聴せず、服薬の必要性を説明し続けることは適切ではない。.

 

 

 

 

 

次の文を読み118〜120の問いに答えよ。
 Aさん(81歳、女性)は、1人暮らし。7年前から糖尿病、高血圧症、便秘症で病院の内科に定期的に通院しており、近所に住む長女が時々様子を見に来ていた。本日、長女がAさん宅を訪ねたところ、Aさんは床に倒れて起き上がれなくなっていた。受診の結果、胸椎と腰椎の圧迫骨折で病院に入院した。入院時、Aさんは病棟看護師に「朝食は食べていません。朝の薬を飲んだと思うが、はっきり覚えてません。家に帰ればわかります」と話した。病棟看護師が体のことで心配なことはあるかを問うと「この半年で体重が2kg減りました。最近は疲れやすく歩くのもゆっくりで、握力も弱くなり荷物を持つのがつらいです。このまま寝たきりになるのではないかと不安です」と話した。内科のカルテには1か月前の計測で身長150cm、体重41kgと記載されていた。入院時のバイタルサインは、体温36.6℃、呼吸数16/分、脈拍80/分、血圧144/88mmHg。血糖値114mg/dLで、軽度の皮膚湿潤があった。改訂長谷川式簡易知能評価スケールは29点であった。

120 Aさんは、入院中に要介護1と認定された。退院後は週2回の家事援助サービスを利用した。退院3か月後、Aさんは長女と病院の整形外科外来を受診した。長女は診察を待つ間、外来看護師に「母は最近、ご飯を食べたのに食べていない、と近所の人に言うので困っている。薬の飲み忘れも目立ってきた。どうしたらよいか」と話した。
 外来看護師が長女に説明する内容で適切なのはどれか。

1.「介護度の見直しについて、介護支援専門員に相談しましょう」
2.「食べ物を目につく場所に置きましょう」
3.「近所に出かけないよう説明しましょう」
4.「入院した高齢者によくある症状です」

解答1

解説

1.〇 正しい。介護度の見直しについて、介護支援専門員に相談することを促す。なぜなら、退院直後より認知機能が低下している可能性があるため。
2.× 食べ物を目につく場所に置いておく必要はない。なぜなら、長女は「母は最近、ご飯を食べたのに食べていない」という発言をしているため。実際に、食べ物を口にしている。
3.× 近所に出かけないよう説明する必要はない。なぜなら、外出頻度を減らすことによって、さらに認知機能が低下する可能性があるため。
4.× 「入院した高齢者によくある症状です」と答えるのは、Aさんの長女からの説明から突き放していると感じられかねない。また、この場合のAさんへの対応について問われているため、不十分な説明である。

 

 

※注意:著者は看護師で、解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究・自己研鑽のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。またコメントにて解き方等教えてくださると幸いです。

 

問題引用:第105回保健師国家試験、第102回助産師国家試験、第108回看護師国家試験の問題および正答について

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