第108回(H31) 看護師国家試験 解説【午前56~60】

56 軽度の老人性難聴の特徴はどれか。

1.ゆっくり話すと聞き取りにくい。
2.母音よりも子音が聞き分けにくい。
3.高音よりも低音が聞き取りにくい。
4.イントネーションが理解しにくい。

解答2

解説

1.× ゆっくり話すと聞き取りにくいのではなく、聞き取りやすい。なぜなら、老人性難聴は、明瞭度が低下(語音弁別能の低下)し聞き間違いが多くなるため。
2.〇 正しい。母音よりも子音が聞き分けにくい。音のゆがみによる語音弁別能の低下は、サ行→ハ行に、タ行→カ行に混同するなどである。「しんぶん」が「ひんぶん」に聞こえる。
3.× 逆である。低音よりも高音が聞き取りにくい。なぜなら、蝿牛にあるコルチ器の有毛細胞(高音域を識別する部位)は、加齢に伴い高音域を感受する入口側から変性・減少していくため。
4.△ イントネーション(音の高低、抑揚、音調)の理解は比較的に保たれるが、聞き取りしにくいことがある。内耳と中枢神経系の機能障害である老人性難聴は、語音弁別能や周波数選択性の低下、補充現象などの症状が複数現れるため、イントネーションの理解も低下する可能性はある

 

 

 

 

 

57 Aさん(90歳、男性)は、脳梗塞による軽度の左半身麻痺がある。要介護1。最近、娘(65歳)とその家族と同居を始めた。Aさんの受診に付き添ってきた娘が看護師に「同居を始めてから疲れます」と話した。
 この時の娘に対する看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1.心療内科の受診を勧める。
2.娘の幼少期の親子関係を聞く。
3.Aさんの介護老人保健施設への入所を勧める。
4.同居後に家族の生活がどのように変化したかを聞く。

解答4

解説

1.× 心療内科の受診を勧めるという判断はできない。なぜなら、「疲れます」という発言だけであるため。まず、疲れの状態とそれをもたらす要因について知るために、よく話を聞くことが必要である。
2.× 娘の幼少期の親子関係を聞く優先度は高くない。なぜなら、設問から、親子の関係性が悪いということは読み取れず、病院受診時に早急に確認する事項ではないため。
3.× Aさんの介護老人保健施設への入所を勧めるという判断はできない。なぜなら、介護老人保健施設は、要介護高齢者の在宅復帰を目指す入所施設であるため。娘の「疲れ」という状況があったとしても、在宅復帰を目指す医療ケアとリハビリが中心の施設へ入所を勧める必要度は低い。
4.〇 正しい。同居後に家族の生活がどのように変化したかを聞く。在宅介護を継続するためには、娘の話を傾聴し、疲労感の要因について明らかにし、必要であればサービスにつなげるなどの支援や助言が必要である。

 

 

 

 

 

58 Aさん(75歳、女性)は、腰部脊柱管狭窄症と診断されており、要介護1、障害高齢者の日常生活自立度判定基準A-1である。
 Aさんが介護保険による貸与を受けられる福祉用具はどれか。

1.車椅子
2.歩行器
3.電動ベッド
4.入浴用椅子

解答2

解説

1.3.× 車椅子/電動ベッドは、要介護2以上で貸与を受けられる。
2.〇 正しい。歩行器は、要支援1~2、要介護1~5のすべてで貸与を受けられる。
4.× 入浴用椅子は、貸与することができないが、購入することができる。要支援1~2、要介護1~5のすべてが対象である。

貸与の対象(要介護2~5)

①車椅子
②車椅子付属品
③特殊寝台
④特殊寝台付属品
⑤床ずれ防止用具
⑥体位変換器
⑦手すり
⑧スロープ
⑨歩行器
⑩歩行補助杖(T字杖を除く)
⑪認知症老人徘徊感知機器
⑫移動用リフト(つり具の部分を除く)
⑬自動排泄処理装置

 

 

 

 

 

59 乳幼児健康診査を規定しているのはどれか。

1.母子保健法
2.児童福祉法
3.次世代育成支援対策推進法
4.児童虐待の防止等に関する法律

解答1

解説

1.〇 正しい。母子保健法は、乳幼児健康診査を規定している。乳幼児健康診査は、『母子保健法』に基づき、市町村が必要に応じて行う乳児、幼児に対しての健康診査である。
2.× 児童福祉法は、障害児等に対する給付・児童相談所の設置・要保護児童の保護措置等を定める法律である。健康診査の規定はあるが、乳幼児健康診査とは異なる。
3.× 次世代育成支援対策推進法は、次世代の社会を担う子どもが健やかに生まれ、かつ育成される環境整備を図るための次世代育成支援対策の基本理念を定めた法律である。
4.× 児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)は、児童虐待の早期発見、通告、立ち入り調査、出頭要求、臨検・捜索等を定める法律である。

 

 

 

 

 

60 小児の呼吸法が、腹式呼吸から成人と同じ胸式呼吸に変化する時期はどれか。

1.生後6か月
2.3歳
3.7歳
4.12歳

解答3

解説

1.× 生後6か月(乳児期)は、腹式呼吸を行う。なぜなら、肋骨が水平であり、横隔膜の働きに依存せざるを得ないため。
2.× 3歳(2歳~幼児期後期)は、肋骨胸郭と呼吸筋の発達に伴い、胸部と腹部を同時に使う胸腹式呼吸を行う。なぜなら、発達に伴い、次第に肋骨が斜めに走行するようになるため。
3.〇 正しい。7歳(学童期以降)は、腹式呼吸から成人と同じ胸式呼吸に変化する時期である。なぜなら、胸郭の形がより成人に近づき、さらに呼吸筋も発達するため。
4.× 12歳は、成人と同様の胸式呼吸が確立している。

呼吸運動

主に横隔膜が動くものを腹式呼吸(吸気時に横隔膜が下がり胸腔が拡大する)という。

主に肋間筋が動くものを胸式呼吸(吸気時に外肋間筋が収縮し肋骨が水平になることで胸腔が拡大する)という。

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