第108回(H31) 看護師国家試験 解説【午後56~60】

56 障害のレベルを運動機能と知能指数で区分するのはどれか。

1.大島分類
2.NYHA分類
3.国際生活機能分類(ICF)
4.Hugh-Jonesr(ヒュー・ジョーンズ)分類

解答1

解説

1.〇 正しい。大島分類は、障害のレベルを運動機能と知能指数で区分する。運動機能と知能指数(IQ)から障害のレベルを分類したもので、1~4に該当する状態が重症心身障害児となる。
2.× NYHA分類(New York Heart Association)分類は、心不全の重症度分類である。肺うっ血による息切れの程度をもとにし、日常生活動作の自覚症状の有無から心肺機能を評価するものである。
3.× 国際生活機能分類(ICF)は、人間の生活機能と障害を「心身機能・身体構造」、「活動」、「参加」の3つの次元、および「環境要因」などの影響を及ぼす背景因子の側面から分類したものである。
4.× Hugh-Jonesr(ヒュー・ジョーンズ)分類は、呼吸困難の重症度分類である。運動機能と呼吸困難に基づいて判定される。

 

 

 

 

 

57 人間の性の意義と特質の組合せで適切なのはどれか。

1.快楽性としての性:種の保存
2.生殖性としての性:心理・社会的属性
3.性役割としての性:性的指向
4.連帯性としての性:人間関係の形成

解答4

解説

1.× 快楽性としての性(性衝動が充足されたことに伴う心地よさ)は、種の保存ではなく、快楽を求めるための性である。
2.× 生殖性としての性(種の保存と繁栄を目的とする生物学的な性の側面)は、心理・社会的属性ではなく、種の保存のための性である。
3.× 性役割としての性(男女の性別によって期待される役割規定)は、性的指向ではなく、心理・社会的属性である。性的指向とは、恋愛感情などが異性か、同性か、両性か、どちらに向かうかのことである。つまり、ヒトの恋愛感情や性的な関心が、どの性別に向かうかの指向をいい、異性に向かうヘテロセクシュアル(異性愛)、同性に向かうホモセクシュアル(同性愛)、男女両方に向かうバイセクシュアル(両性愛)、性的対象のないノンセクシュアルがある。
4.〇 正しい。連帯性としての性(愛を得て人間関係を形成し、それを維持するための性)は、人間関係の形成として正しい。愛情の表現による人と人の結びつきは人間の性の特質である。

 

 

 

 

 

58 出生前診断を目的とした羊水検査で適切なのはどれか。

1.先天性疾患のほとんどを診断することができる。
2.診断された染色体異常は治療が可能である。
3.合併症として流早産のリスクがある。
4.妊娠22週以降は検査できない。

解答3

解説

羊水検査とは、羊水穿刺により羊水中に浮遊する胎児細胞を分析し、染色体の数や構造の異常などを診断する検査である。

 

1.× 先天性疾患のほとんどを診断することはできない。羊水検査で診断できるのは、先天性疾患のうち染色体・遺伝子異常に限られる。出生児の3~5%は、先天性疾患をもって生まれてくるが、先天性疾患のうち染色体疾患は25%程度でしかない。
2.× 診断された染色体異常は、治療が可能ではなく、困難である。染色体異常そのものを治療することはできない。
3.〇 正しい。合併症として流早産のリスクがある。羊水を採取するために行う羊水穿刺によるリスクとしては、0.1〜0.3%の確率で破水・胎児感染・流早産などがある。
4.× 妊娠22週以降でも検査は行える。ただ、母体保護法による人工妊娠中絶は妊娠22週未満まで可能であることから、検査結果が出るまで3週間ほどかかることもあり、妊娠14週以降に行われる。

 

 

 

 

 

59 新生児聴覚スクリーニング検査で正しいのはどれか。

1.空腹時に行う。
2.泣いていない時に行う。
3.タンデムマス法で行う。
4.生後24時間以内に行う。

解答2

解説

 新生児聴覚スクリーニング検査は、聴覚障害を早く発見し、早期に援助することを目的に行うものである。精密検査の必要性を判定し、音刺激を与えて反応を得る検査である。

 

1.× 空腹時ではなく、泣いていない時や授乳後などの児が熟睡した状態に行う。なぜなら、空腹時に行うと、児が泣き出してしまうおそれがあるため。
2.〇 正しい。泣いていない時に行う。検査は、自然睡眠下あるいは安静時に実施する必要がある。
3.× タンデムマス法は、ろ紙に染み込ませた少量の血液を用いて、先天性代謝異常症をスクリーニングするものである。
4.× 生後24時間以内ではなく、生後24時間以降に行う。なぜなら、出産当日は中耳に液体が貯留していることが多いため。

 

 

 

 

 

60 リエゾン精神看護の活動はどれか。

1.行動制限の指示
2.向精神薬の処方
3.他科への転棟指示
4.コンサルテーションへの対応

解答4

解説

リエゾンとは、仲介・つなぎ・橋渡しといった意味をもつフランス語である。リエゾン精神看護の活動は、①直接ケア、②コンサルテーション、③コーディネーション(関係調整)、④倫理調整、⑤教育、⑥研究など多岐にわたる。したがって、選択肢4.コンサルテーションへの対応が正しい。

 

1.× 行動制限の指示ができるのは、医師のみである。
2.× 向精神薬の処方(薬の処方権)をもつのは、医師のみである。
3.× 他科への転棟指示ができるのは、医師のみである。

コンサルテーションとは

コンサルテーションは、問題解決のための知識や技術をもつ専門家(コンサルタント)と問題を抱えた人(コンサルティ)が、ともに問題の明確化と問題解決に向かう対等な相互関係のプロセスである。

リエゾン精神看護師の場合、身体疾患をもつ患者や家族の心のケアに関する相談や、看護師に対するメンタルヘルス支援を指す場合が多い。

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