第108回(H31) 看護師国家試験 解説【午後76~80】

76 成人で、骨髄が脂肪組織になっているのはどれか。

1.寛骨
2.胸骨
3.大腿骨の骨幹
4.椎骨の椎体
5.肋骨

解答3

解説

骨髄は赤色髄と黄色髄に分類される。
赤色髄:血液の造血が盛んなため赤くなる。
黄色髄:造血組織が少なくなり脂肪組織に置き換わっているため黄色に見える。

乳幼児期:骨髄はほとんど赤色髄
成人:一部の骨髄は黄色髄になる。
身体の中心に近い部分の骨や肩平骨(寛骨)、短骨では成人になっても赤色髄が多く残る

 

1.× 寛骨は、赤色髄が豊富である。なぜなら、骨盤を形成する肩平骨であるため。
2.× 胸骨は、赤色髄が豊富である。なぜなら、身体の中心部にあるため。
3.〇 正しい。大腿骨の骨幹は、黄色髄になる。身体の中心から遠い長管骨では、中心部が赤色髄から黄色髄に置き換わる。大腿骨の骨幹では赤色髄が減少して脂肪が多くなる。
4.× 椎骨の椎体は、赤色髄が豊富である。なぜなら、短い骨で身体の中心を成しているため。
5.× 肋骨は、赤色髄が豊富である。なぜなら、身体の中心に近い骨のため。

 

 

 

 

 

77 臓器と産生されるホルモンの組合せで正しいのはどれか。

1.膵臓:グルカゴン
2.副腎:プロラクチン
3.腎臓:アルドステロン
4.脳下垂体:インクレチン
5.視床下部:テストステロン

解答1

解説

1.〇 正しい。膵臓:グルカゴンが正しい組み合わせである。膵臓のランゲルハンス島のα細胞からグルカゴンが、β細胞からインスリンが、δ細胞からソマトスタチンが分泌される。ちなみに、グルカゴンは血糖値上昇、インスリンは血糖値低下、ソマトスタチンはグルカゴンやインスリンの分泌抑制の作用をもつ。
2.× プロラクチンは、副腎ではなく、下垂体前葉から分泌されるホルモンである。妊娠時の乳腺発育、分娩後の乳汁産生に働く。分泌過剰では無月経・不妊・乳汁分泌等の症状を起こす。
3.× アルドステロンは、腎臓ではなく、副腎皮質から分泌されるホルモンである。水や電解質の再吸収を促す。4.× インクレチンは、脳下垂体ではなく、食事摂取に伴い小腸から分泌されるホルモンである。主にインスリン分泌を促進する働きがある。
5.× テストステロンは、視床下部ではなく、下垂体からLH、ESHの刺激を受けて男性では主に精巣、一部は副腎から分泌されるホルモンである。男性の二次性徴を発現させる。女性でも主に副腎からの分泌が少量認められる。

 

 

 

 

 

78 抗甲状腺薬の副作用(有害事象)で正しいのはどれか。

1.頻脈
2.肝障害
3.低血糖
4.不整脈
5.眼球突出

解答2

解説

1.× 頻脈は、バセドウ病などでみられる甲状腺機能が亢進した場合にみられる。
2.〇 正しい。肝障害は、抗甲状腺薬の副作用(有害事象)で正しい。バセドウ病治療薬(メチマゾール、プロピルチオウラシル)は、しばしば肝障害の原因となる。そのほかの重要な副作用として無顆粒球症がある。顆粒球が減少すると易感染状態になるので、感染徴候の早期発見は重要である。
3.△ もし分かる方がいたら、コメント欄にて教えてください。低血糖は起こりえる。なぜなら、バセドウ病治療薬(チアマゾール)の副作用に、インスリン自己免疫症候群による低血糖はあるため。ちなみに、プロピルチオウラシルは低血糖は起こらない。したがって、一般的には抗甲状腺薬の副作用として低血糖は起こさないため、不適切であると考えられる。
4.× 不整脈は、甲状腺機能が亢進した場合にみられる症状である。
5.× 眼球突出は、甲状腺機能が亢進した場合にみられる症状である。

 

 

 

 

 

79 Barthelr(バーセル)インデックスで評価するのはどれか。

1.栄養状態
2.疼痛の強さ
3.褥瘡の深さ
4.日常生活動作
5.呼吸困難の程度

解答4

解説

1.× 栄養状態の評価は、主観的評価表(SGA)客観的評価表(ODA)などを用いて総合的に評価する。
2.× 疼痛の強さの評価は、VAS(Visual Analogue Scale)フェイススケールなどがある。
3.× 褥瘡の深さの評価は、米国褥瘡諮問委員会(NPUAP)による分類がある。
4.〇 正しい。日常生活動作は、バーセルインデックスで評価する。食事、移動、整容などの10項目で構成され、自立度にしたがって合計100点満点で評価する。
5.× 呼吸困難の程度は、ヒュー・ジョーンズの分類など評価基準が用いられる。

 

 

 

 

 

80 急性心筋梗塞患者の合併症を早期に発見するための徴候で正しいのはどれか。

1.皮疹の出現
2.頻脈の出現
3.時間尿の増加
4.腹壁静脈の怒張
5.うっ血乳頭の出現

解答2

解説

1.× 皮疹の出現は、アレルギー反応の症状としてみられる。アナフイラキシーショックの早期発見に重要である。
2.〇 正しい。頻脈の出現は、急性心筋梗塞患者の合併症を早期に発見するための徴候で正しい。なぜなら、急性心不全や心原性ショックが生じると、生体は心拍出量を確保しようとするため。
3.× 時間尿の増加ではなく、減少(乏尿)が起こる。急性心筋梗塞で急性心不全が生じると、腎血流量が低下し尿量減少(乏尿)となる。
4.× 腹壁静脈ではなく、頚静脈の怒張(心筋梗塞でみられる)である。腹壁静脈の怒張は、肝硬変などでみられる。肝硬変などによって、門脈圧が亢進すると側副血行路がつくられ、食道や胃につくられることが多い(食道・胃静脈癌)。腹部の皮下につくられると腹壁静脈の怒張がみられる。
5.× うっ血乳頭の出現は、脳腫瘍、脳炎、頭蓋内出血などで起こる眼底所見である。頭蓋内圧亢進に伴う視神経乳頭の腫脹である。

急性心筋梗塞患者に生じる三大合併症

①不整脈、②急性心不全、③心原性ショック

そのほかに重篤なものとして心破裂や心室中隔穿孔などがある。

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