第108回(H31) 看護師国家試験 解説【午後81~85】

81 Alzheimerr(アルツハイマー)型認知症の患者にみられる実行機能障害はどれか。

1.シャツを前後反対に着る。
2.調理の手順がわからなくなる。
3.物音がすると食事を中断する。
4.鏡に映った自分の姿に話しかける。
5.歯ブラシで髪の毛をとかそうとする。

解答2

解説

1.× シャツを前後反対に着る(服を着られない状態)は、着衣失行である.
2.〇 正しい。調理の手順がわからなくなるのは、Alzheimerr(アルツハイマー)型認知症の患者にみられる実行機能障害(遂行機能障害)である。実行機能障害(遂行機能障害)とは、中核症状のひとつである。論理的・計画的な行動ができなくなることである。
3.× 物音がすると食事を中断する(複数の外的刺激に対し注意力が維持できない状態)は、複雑性注意障害という。
4.× 鏡に映った自分の姿に話しかけるのは、失認の1つで、鏡像現象鏡現象という。
5.× 歯ブラシで髪の毛をとかそうとする(物品を使用する動作や使用方法が障害される状態)は、観念失行という。

 

 

 

 

 

82 副交感神経を含む脳神経はどれか。2つ選べ。

1.嗅神経
2.視神経
3.動眼神経
4.三叉神経
5.迷走神経

解答3/5

解説

1.× 嗅神経は、嗅覚情報(匂い)を感じる感覚神経として機能する。
2.× 視神経は、視覚情報(視覚)を感じる感覚神経として機能する。
3.〇 正しい。動眼神経は、副交感神経を含む。動眼神経は、外側直筋と上斜筋以外の眼筋を支配する運動神経と、眼球内の瞳孔括約筋や毛様体筋を支配する副交感神経を含んでいる。したがって、縮瞳や近くに目の焦点を合わることにも働く。
4.× 三叉神経は、顔面や舌前2/3の感覚をつかさどる感覚神経と、咀嚼筋を動かす運動神経として機能する。
5.〇 正しい。迷走神経は、副交感神経を含む。喉を動かす運動神経だけでなく、腸などの胸腹部臓器を動かす副交感神経の機能をもつ。

 

 

 

 

 

 

83 糖尿病性腎症の食事療法で制限するのはどれか。2つ選べ。

1.脂質
2.塩分
3.蛋白質
4.炭水化物
5.ビタミン

解答2/3

解説

一般的な糖尿病の食事療法としては、標準体重と身体活動量により摂取エネルギー量を算出し、50~60%が糖質、蛋白質が20%までとし、残りは脂質とする。

 

1.4.× 脂質/炭水化物は、一般的な糖尿病の食事療法に従い、腎機能の程度によって制限するということはない。蛋白質制限を行うときはエネルギー不足を補えるようにエネルギー量を管理する必要があるため、炭水化物と脂質で代替する。
2.〇 正しい。塩分は、糖尿病性腎症の食事療法で制限する。なぜなら、高血圧によって悪化し、腎臓に負担をかけるため。高血圧を招く食塩は、摂取6g/日未満である。
3.〇 正しい。蛋白質は、糖尿病性腎症の食事療法で制限する。なぜなら、過剰な蛋白質の摂取は腎機能に悪影響を与え、尿毒症物質の蓄積にもつながるため。腎機能に応じての低蛋白食が必要である。
5.× ビタミンは、は、一般的な糖尿病の食事療法に従い、腎機能の程度によって制限するということはない。腎障害の程度によって、カリウムリンの制限は必要となることがある。

 

 

 

 

 

 

84 アナフィラキシーショックで正しいのはどれか。2つ選べ。

1.徐脈になる。
2.重症例では死に至る。
3.気道粘膜の浮腫を生じる。
4.Ⅲ型アレルギー反応である。
5.副腎皮質ステロイドは禁忌である。

解答2/3

解説

1.× 徐脈ではなく、頻脈になる。重症例は、不整脈が起こる。なぜなら、血圧の低下がみられ、その代償的な作用が起こるため。
2.〇 正しい。重症例ではに至る。なぜなら、喉頭浮腫による気道閉塞、全身の循環不全などが起こるため。
3.〇 正しい。気道粘膜の浮腫を生じる。なぜなら、アレルギー反応により血管透過性の亢進が起こるため。
4.× Ⅲ型アレルギー反応ではなく、Ⅰ型アレルギー反応である。特定の抗原がIgE抗体に結合した刺激で、全身の肥満細胞(マスト細胞)や好塩基球からヒスタミンなどが放出されることで起こる。
5.× 副腎皮質ステロイドは、禁忌ではなく適応である。初期症状が改善した後に再度アナフィラキシーの症状が出現することがあり、これを二相性反応という。副腎皮質ステロイドはこの二相性反応に対する効果が期待されている。

 

 

 

 

 

85 前立腺肥大症で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.進行すると水腎症となる。
2.外科治療は経尿道的前立腺切除術を行う。
3.直腸診で石の様な硬さの前立腺を触知する。
4.前立腺を縮小させるために男性ホルモン薬を用いる。
5.前立腺特異抗原(prostate specific antigen:PSA)値が100ng/mL以上となる。

解答1/2

解説

前立腺肥大症は、前立腺移行領域が肥大する病気である。前立腺部の尿道が圧迫され排尿困難が生じる。

 

1.〇 正しい。進行すると水腎症となる。水腎症は、尿路閉塞のため尿が貯留して腎盂・腎杯の拡張をきたし、合わせて腎実質の萎縮が起こっている病態である。
2.〇 正しい。外科治療は、経尿道的前立腺切除術を行う。経尿道的前立腺切除術(TUR-P)とは、前立腺肥大症の標準手術療法で、肥大した前立腺移行領域のみを内視鏡で切除する手術である。
3.× 直腸診で石の様な硬さの前立腺を触知するされるのは、前立腺肥大症ではなく、前立腺癌を疑う。前立腺肥大症は、直腸診において直腸面に鶏卵大程度に突出し、弾性があり、表面がなめらかで左右対称に触知できるなどの特徴がある。一方、前立腺癌では硬結を触知し、進行すると全体に石のように硬く左右非対称に変形する。
4.× 前立腺を縮小させるために、男性ホルモン薬ではなく、抗男性ホルモン薬を用いる。なぜなら、前立腺は、前立腺肥大症でも前立腺癌でも男性ホルモンに依存して大きくなるため。
5.× 前立腺特異抗原(prostate specific antigen:PSA)値が、100ng/mL以上となる場合、前立腺肥大症ではなく、前立腺癌を疑う。前立腺特異抗原とは、前立腺内や精液中に多く存在する糖タンパク質であり、前立腺癌の早期発見に有用な検査である。4.0~20ng/mL程度の軽い上昇では前立腺肥大症と早期前立腺癌の確率はほぼ半々である。しかし、100ng/mL以上の高度上昇では、ほぽ全例が進行した前立腺癌と診断される.

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