第108回(H31) 看護師国家試験 解説【午後86~90】

86 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)に基づく五類感染症はどれか。2つ選べ。

1.後天性免疫不全症候群(AIDS)
2.腸管出血性大腸菌感染症
3.つつが虫病
4.日本脳炎
5.梅毒

解答1/5

解説

1.〇 正しい。後天性免疫不全症候群(AIDS)は、5類感染症に指定されている。ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染によって引き起こされる細胞性免疫不全状態を主な病態とする疾患である。
2.× 腸管出血性大腸菌感染症は、3類感染症に指定されている。腸管出血性大腸菌で汚染された食べ物を摂取することなどによって引き起こされる感染症である。
3.× つつが虫病は、4類感染症に指定されている。ツツガムシ(ダニの一種)に刺されることによって感染する疾患である。
4.× 日本脳炎は、4類感染症に指定されている。蚊によって媒介され、予防接種の普及により日本では近年著しく減少している。
5.〇 正しい。梅毒は、5類感染症に指定されている。成人において、梅毒は性的な接触によって感染する。

 

 

 

 

 

87 感覚性失語のある成人患者とのコミュニケーションで適切なのはどれか。2つ選べ。

1.短文で話しかける。
2.身振りを加えて話す。
3.多くの話題を提供する。
4.耳元に近づき大きな声で話す。
5.open-ended questionr(開かれた質問)を用いる。

解答1/2

解説

1.〇 正しい。短文で話しかける。なぜなら、感覚性失語は言語理解の障害であるため。
2.〇 正しい。身振りを加えて話す。なぜなら、視覚(イラストや写真、ジェスチャーなど)で代償することで円滑となりやすいため。
3.× 多くの話題ではなく、提供する話題は1つに絞るべきである。なぜなら、脳内で処理できる情報量を超えてしまい患者は混乱されるため。
4.× 耳元に近づき大きな声で話す必要はない。なぜなら、感覚性であっても運動性であっても、聴覚に問題があるわけではないため。
5.× open-ended questionr(開かれた質問)ではなく、closed question(閉ざされた質問)を用いる。closed question(閉ざされた質問)とは、「はい」/「いいえ」では答えられる質質問である。

 

 

 

 

 

 

88 交通事故によって脊髄損傷で入院した下肢に麻痺のある成人患者。
 職場復帰に向けて、看護師が患者に説明する内容で適切なのはどれか。2つ選べ。

1.自己導尿は自宅で行う。
2.仕事中は飲水を制限する。
3.車椅子には体圧分散マットを使用する。
4.残業する場合の休憩時間は不要である。
5.職場の担当者に自分の病気について伝える。

解答3/5

解説

1.× 自己導尿は、自宅だけでなく、自宅以外でも行えるよう準備しておく。なぜなら、自己導尿は、尿失禁や尿路感染症を防ぐために定期的に行う必要があるため。また、本症例は、職場復帰を目指しているため、職場でも実施できるようにする。
2.× 仕事中は飲水を制限するのではなく、摂取を促す。なぜなら、尿路感染症を防ぐため。
3.〇 正しい。車椅子には、体圧分散マットを使用する。なぜなら、下肢に麻痺があり、褥瘡の発生リスクが高いため。体圧分散マットを使用して褥瘡を予防できる。
4.× 残業する場合も休憩時間は必要である。なぜなら、残業によって身体に長時間の負荷(特に坐骨)がかかるため。
5.〇 正しい。職場の担当者に自分の病気について伝える。なぜなら、下肢の麻痺以外のわかりにくい障害の理解を得るため。また、バリアフリーにするなど環境を整備してもらい、適宜必要な援助が得られるようにすることで、今後の安心にもつながる。

 

 

 

 

 

89 人工肛門を造設した患者へのストーマケアの指導内容で適切なのはどれか。2つ選べ。

1.装具の交換は便が漏れない限り不要である。
2.装具をはがした時は皮膚保護材の溶解の程度を観察する。
3.洗浄後のストーマはドライヤーで乾かす。
4.装具の穴はストーマと同じ大きさにする。
5.装具を貼る時は腹壁のしわを伸ばす。

解答2/5

解説

1.× 装具の交換は、便が漏れない限り不要ではなく、漏れる前に交換すべきである。ストーマ装具の交換は、皮膚保護材が皮膚から剥がれてきているかどうかを見て判断する。通常は、短期タイプで1~3日、中期タイプでは3~5日が目安である。
2.〇 正しい。装具をはがした時は、皮膚保護材の溶解の程度を観察する。なぜなら、皮膚保護材の溶解の程度は皮膚保護材交換の目安になるため。そのときに、便漏れや皮膚障害による過度な溶解が起こっていないか確認する。
3.× 洗浄後のストーマは、ドライヤーで乾かすのではなく、洗浄後はガーゼで水分を軽く吸い取った後、自然乾燥させてから皮膚保護材を装着する。なぜなら、ストーマは腸の粘膜が腹壁に固定されている状態であり、過度にドライヤーで乾燥させることは粘膜の損傷につながり、出血や炎症などのリスクを増大させるため。
4.× 装具の穴は、ストーマと同じ大きさではなく、ストーマより2~3mm大きく切る。なぜなら、ストーマの大きさは腸管の嬬動運動や浮腫によって日々変化するため。また、面板がストーマと重なり傷つけてしまう可能性もある。
5.〇 正しい。装具を貼る時は、腹壁のしわを伸ばす。なぜなら、腹壁を伸展させずに皮膚保護材を貼ると、しわのすきまから便が漏れたり、腹壁が伸びたときに剥がれたりする原因となるため。

 

 

 

 

 

90 妊娠36週の妊婦にNST(non-stress test)を行うため、分娩監視装置を装着することになった。
 妊婦への説明で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.「胎児の健康状態を判定します」
2.「所要時間は10分です」
3.「排尿を済ませて下さい」
4.「仰向けで行います」
5.「固定用ベルトを1本使用します」

解答1/3

解説

ノンストレステスト(non-stress test:NST)とは、分娩監視装置を用いて子宮収縮や胎児心拍、胎動の状態で調べ、胎児の健康状態を判定するものである。陣痛(子宮収縮)などのストレスがない状態で妊婦に行う検査である。よって、選択肢1.「胎児の健康状態を判定します」が適切である。

 

2.× 所要時間は、10分ではなく、通常40~60分間計測を行う。なぜなら、胎児は、20~40分ごとに睡眠と覚醒を繰り返すためである。
3.〇 正しい。排尿を済ませておく。なぜなら、検査時間が長引くこともあり、安静な状態で検査をする必要があるため。また妊婦は、子宮増大に伴う膀胱圧迫による内圧の上昇や循環血漿量の増加に伴う尿量の増加により、頻尿となりやすい。妊娠後期にはこれに加え児頭の下降によっても頻尿となりやすいため、事前に排尿を済ませるよう説明する。
4.× 仰向けではなく、セミファーラー位側臥位で行う。なぜなら、検査中、仰臥位低血圧症候群を予防するため。検査に限らず、妊娠後期で仰臥位になると、増大した子宮によって下大静脈が圧迫され、静脈血の還流が阻害された結果,妊婦の心拍出量が低下し血圧の下降をおこすため注意する。
5.× 固定用ベルトは、1本ではなく2本使用する。1本は、胎児心拍計(超音波ドプラ)を固定し、もう1本で陣痛計(トランスデューサー)を固定する。陣痛計(トランスデューサー)は、子宮収縮状況を測定する機器である。

胎児の健康状態が正常であると判定する基準

①胎児心拍数基線が110~160bpmの正常範囲内。
②胎児心拍基線細変動がある。
③一過性頻脈がある。
④一過性徐脈がない。
の4条件が挙げられる。

また、一過性頻脈が20分間に2回以上認められる場合は、胎児状態良好と判断する。

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