※注意:著者は看護師で、解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究・自己研鑽のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。またコメントにて解き方等教えてくださると幸いです。
問題引用:第106回保健師国家試験、第103回助産師国家試験、第109回看護師国家試験の問題および正答について
1 平成29年(2017年)の日本における簡易生命表で女性の平均寿命に最も近いのはどれか。
1.77年
2.82年
3.87年
4.92年
解答3
解説
平均寿命とは、生まれたばかりの子どもが平均して何年生きるかを示したものであり、0歳の平均余命のことである。平成29(2017)年の日本における女性の平均寿命は87.26年である。男性の平均寿命は、81.09年である。ちなみに、平成30(2018)年の日本における女性の平均寿命は87.32年である。男性の平均寿命は、81.25年である。したがって、選択肢3.87年が正しい。
2 平成29年(2017年)の国民健康・栄養調査で20歳以上の男性における喫煙習慣者の割合に最も近いのはどれか。
1.10%
2.20%
3.30%
4.40%
解答3
解説
喫煙習慣者の割合は年々減少している。平成29(2017)年の国民健康・栄養調査の結果によれば、20歳以上の男性における喫煙習慣者の割合は29.4%である。ちなみに、20歳以上の女性における喫煙習慣者の割合は7.2%である。したがって、選択肢3.30%が正しい。
3 じん肺に関係する物質はどれか。
1.フロン
2.アスベスト
3.ダイオキシン類
4.ホルムアルデヒド
解答2
解説
じん肺(肺線維症のひとつ)とは、微細な無機粉じんに分類される鉱物由来の粒子などを長期にわたり吸入したことで肺胞に沈着し、肺が線維化して呼吸困難が生じる疾患である。
1.× フロンとは、フルオロカーボン(フッ素と炭素の化合物)の総称である。発泡スチロールの発泡剤やスプレーなどに使用されている。オゾン層を破壊(大気汚染)する物質である。フロンによってオゾン層が破壊され、強い紫外線がそのまま地表に達するようになると、皮膚がんや白内障が増えたり、遺伝子の損傷による様々な疾患が増えたりする可能性がある。
2.〇 正しい。アスベスト(石綿)は、じん肺に関係する物質である。アスベスト(石綿)とは、耐火材や断熱材などに利用されてきた天然の繊維状の鉱物で、大量に吸入することでじん肺(石綿肺)や悪性中皮腫を発症させる物質である。
3.× ダイオキシン類とは、ポリ塩化ジベンゾ‐パラ‐ジオキシンとポリ塩化ジベンゾフランの総称である。ごみ焼却などで炭素・酸素・水素・塩素を含む物質が熱せられる過程で発生する物質で、大気中の粒子が地上に落下し土壌や水を汚染する。
4.× ホルムアルデヒドとは、木質建材に多く使用されている接着剤や塗料の原料である。鼻水、咳などの症状を引き起こすシックハウス症候群の原因物質である。
4 日本において国民皆保険制度となっているのはどれか。
1.医療保険
2.介護保険
3.雇用保険
4.労災保険
解答1
解説
「国民皆保険」とは、病気のときや事故にあったときの高額な医療費の負担を軽減するため、原則的にすべての国民が公的医療保険に加入しなければならない、という制度である。
1.〇 正しい。医療保険は、日本において国民皆保険制度の対象である。日本では、原則として国民のすべてが何らかの医療保険の対象となっている。
2.× 介護保険の対象は、40歳以上の者であるため、国民皆保険ではない。
3.× 雇用保険の対象は、企業に雇用されている労働者(パート・アルバイトなどは対象にならない場合があるであるため)、国民皆保険ではない。
4.× 労災保険対象は、企業に使用されている労働者(自営業者などは対象にならない)であるため、国民皆保険ではない。
5 保健師助産師看護師法で規定されている看護師の義務はどれか。
1.研究をする。
2.看護記録を保存する。
3.看護師自身の健康の保持増進を図る。
4.業務上知り得た人の秘密を漏らさない。
解答4
解説
保健師助産師看護師法とは、保健師・助産師及び看護師の資質を向上し、もって医療及び公衆衛生の普及向上を図ることを目的とする日本の法律である。通称は保助看法。
1.× 研究をする義務を直接定める法律はない。しかし、卒業後の臨床研修は、努力義務として規定されている。
2.× 看護記録を保存することは、『医療法施行規則』で規定されている。そこには、①記録を備えることと、②2年間の保存が病院の義務として定められている。
3.× 看護師自身の健康の保持増進を図ることを看護師の義務として、直接定めている法律はない。
4.〇 正しい。業務上知り得た人の秘密を漏らさない義務は、「保健師助産師看護師法」に定められている。そこには、保健師・看護師・准看護師の守秘義務が定められている。ちなみに、助産師の守秘義務は刑法に定められている。