第109回(R2) 看護師国家試験 解説【午後106~110】

 

次の文を読み106〜108の問いに答えよ。
 Aさん(3歳、初産婦)は、正常分娩で児を出産した。第2度会陰裂傷を認め、会陰縫合術を受けた。分娩3時間後に、分娩室から褥室へ帰室した。産褥1日のAさんのバイタルサインは、体温36.8℃、脈拍72/分、血圧118/70mmHgであった。
 子宮底は臍下1横指で、子宮は硬く触れ、血性悪露中等量、後陣痛がみられる。会陰縫合部の痛みはあるが発赤はない。乳房緊満(-)、乳管開口数は左右とも4、5本。
 「昨夜は興奮してなかなか眠れなかった」と言う。

106 この時のAさんの状態のアセスメントで適切なのはどれか。

1.子宮収縮は良好である。
2.縫合部に感染徴候がみられる。
3.分娩の受け止めに問題がある。
4.産褥日数に比べて進行性変化が遅い。

解答1

解説

1.〇 正しい。子宮収縮は良好である。Aさんの子宮底の位置、硬さ、悪露の色・量ともに産褥1日の正常範囲にあり、子宮収縮は良好である。後陣痛の訴えは、子宮収縮が促進されていることを裏付けている。
2.× 縫合部に感染徴候はみられない。なぜなら、Aさんは創傷治癒過程の炎症期にあるため。痛みはこの時期の創傷治癒過程の反応のひとつであり、発熱はなく、会陰縫合部の発赤もみられていない。
3.× 分娩の受け止めに問題はない。なぜなら、褥婦は無事に出産を終えたことによる安心感、安堵感をもつと同時に、多幸感、高揚感を感じるため。Aさんのように分娩当日は、興奮して眠れない褥瘡婦も多い。
4.× 産褥日数に対し、進行性変化も問題ない。なぜなら、持続的な乳汁分泌は、初産婦では産褥2~3日頃から始まるため。したがって、Aさんは十分な乳汁分泌や乳房緊満はまだみられないが、産褥1日の進行性変化は適切な経過をとっていると判断できる。

 

 

 

 

 

次の文を読み106〜108の問いに答えよ。
 Aさん(3歳、初産婦)は、正常分娩で児を出産した。第2度会陰裂傷を認め、会陰縫合術を受けた。分娩3時間後に、分娩室から褥室へ帰室した。産褥1日のAさんのバイタルサインは、体温36.8℃、脈拍72/分、血圧118/70mmHgであった。
 子宮底は臍下1横指で、子宮は硬く触れ、血性悪露中等量、後陣痛がみられる。会陰縫合部の痛みはあるが発赤はない。乳房緊満(-)、乳管開口数は左右とも4、5本。
 「昨夜は興奮してなかなか眠れなかった」と言う。

107 産褥2日。Aさんから会陰縫合部の疼痛の増強はないが、離開の不安から排便ができないと訴えがあった。看護師は縫合部の異常がないことを確認した。Aさんは妊娠中の便秘はなかった。
 看護師の対応で優先度が高いのはどれか。

1.産褥体操をAさんに勧める。
2.水分を多く摂るようAさんに勧める。
3.医師に緩下薬の処方について相談する。
4.縫合部の離開の心配はないことをAさんに説明する。

解答4

解説

 産褥期は、妊娠末期からの腸嬬動低下と分娩時の食物摂取量の減少、運動不足、会陰創部痛や脱肛痛による便意の抑制、腹壁の弛緩、発汗量の増加や乳汁分泌による水分量の損失など、さまざまな理由で排便障害をきたしやすい。

 

1.× 産褥体操をAさんに勧める必要はない。なぜなら、産褥体操は、腹壁や骨盤底筋群の回復を促す効果があり、産褥1日に軽い運動から始めてよいが、会陰縫合部の疼痛緩和の解決策にはならないため。
2.× 水分を多く摂るようAさんに勧める必要はない。なぜなら、現時点では会陰縫合部離開の不安による排便抑制であるため、優先度は高くない。ただ、産褥期においては、発汗量の増加や乳汁分泌による水分量の損失によって便秘になりやすいため、水分摂取を促すことは大切である。
3.× 医師に緩下薬の処方について相談する必要はない。なぜなら、現時点では会陰縫合部離開の不安による排便抑制であるため、優先度は高くない。Aさんは大腸の機能低下や便の硬さに問題はないため、緩下薬を使う必要はない。
4.〇 正しい。縫合部の離開の心配はないことをAさんに説明する。Aさんは縫合部離開の不安から排便ができないと訴えている。まずは、縫合部に異常はなく、離開の心配はないことを説明することが最優先である。

 

 

 

 

 

次の文を読み106〜108の問いに答えよ。
 Aさん(3歳、初産婦)は、正常分娩で児を出産した。第2度会陰裂傷を認め、会陰縫合術を受けた。分娩3時間後に、分娩室から褥室へ帰室した。産褥1日のAさんのバイタルサインは、体温36.8℃、脈拍72/分、血圧118/70mmHgであった。
 子宮底は臍下1横指で、子宮は硬く触れ、血性悪露中等量、後陣痛がみられる。会陰縫合部の痛みはあるが発赤はない。乳房緊満(-)、乳管開口数は左右とも4、5本。
 「昨夜は興奮してなかなか眠れなかった」と言う。

108 産褥4日。母子ともに出産後の経過は順調である。看護師が、Aさんへ退院に向けて育児に関する話をしていたところ「赤ちゃんの顔や胸が赤くなっているのが気になっています」と相談してきた。看護師が新生児の皮膚を観察したところ、児の顔面と胸部に中毒性紅斑が数個散在していた。
 この時のAさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。

1.紅斑を乾燥させるよう説明する。
2.紅斑をガーゼでよく洗うよう説明する。
3.自然に消失するため心配はないと説明する。
4.抗菌薬の軟膏の処方について医師に相談すると伝える。

解答3

解説

 中毒性紅斑の多くは、出生後1~3日頃に発症し、発症から2~3日で自然に消失する。新生児の30~40%前後にみられ、皮膚の成熟徴候のひとつとされている。皮膚の非病的変化の代表的なものであり、心配はないことを説明すればよい。したがって、選択肢3.自然に消失するため心配はないと説明するのが正しい。

 

1~2.× 紅斑を乾燥させるよう説明する。/紅斑をガーゼでよく洗うよう説明する必要はない。なぜなら、自然に消失するため。
4.× 抗菌薬の軟膏の処方について医師に相談すると伝える必要はない。なぜなら、感染性の皮膚疾患ではないため。

 

 

 

 

 

次の文を読み109〜111の問いに答えよ。
 Aさん(22歳、女性、会社員)は、昼食後、自室に大量のお菓子とお酒を持ち込み、食べて飲んでいたところを母親に注意をされたことに腹を立て、母親の目の前でリストカットを始めた。慌てた母親は、父親とともにAさんを連れて救急外来に来院した。医師が傷の処置をしようとすると「死んでやる。触るな」と大声で騒ぎ暴れ始めたため、精神科病棟に緊急入院となった。

109 入院当日、Aさんに対する看護師の関わりで適切なのはどれか。

1.短期間の入院となることを伝える。
2.母親と関係修復をするように促す。
3.リストカットをしないように説得する。
4.Aさんの心身を心配していることを伝える。

解答4

解説

1.× 短期間の入院となることを伝えることは不適切である。なぜなら、入院期間がどれくらいになるかを決めるのは医師であるため。
2.× 母親と関係修復をするように促すことは不適切である。なぜなら、患者と母親がこれまでどのような関係性だったのか現時点では情報が不十分であるうえ、母親に加担していると思われてしまうため。
3.× リストカットをしないように説得することは不適切である。なぜなら、リストカットに至った患者なりの理由や事情があるため。一方的に説得するだけでは患者の行動を止めることができないばかりか、理解してもらえないと思われることで信頼関係の構築が難しくなる可能性がある。
4.〇 正しい。Aさんの心身を心配していることを伝える。なぜなら、信頼感の醸成や休息につなげることがまずは重要であるため。そのためにも心身ともに疲弊している患者にいたわりの声かけをすることによって、病院が安心できる場であると患者に思ってもらう。

 

 

 

 

 

次の文を読み109〜111の問いに答えよ。
 Aさん(22歳、女性、会社員)は、昼食後、自室に大量のお菓子とお酒を持ち込み、食べて飲んでいたところを母親に注意をされたことに腹を立て、母親の目の前でリストカットを始めた。慌てた母親は、父親とともにAさんを連れて救急外来に来院した。医師が傷の処置をしようとすると「死んでやる。触るな」と大声で騒ぎ暴れ始めたため、精神科病棟に緊急入院となった。

110 入院翌日、母親が面会に来たが、Aさんに要求されるままお菓子を大量に持参した。Aさんは、面会室でお菓子をすべて食べた直後に、トイレにこもり、嘔吐していたところを看護師が発見した。Aさんは泣きながら「食べると止まらなくなる。太りたくない」と訴えた。主治医は、Aさんが右第2指を使って嘔吐していた痕跡を認めたこと、Aさんが「中学の時から過食と嘔吐を繰り返していた」と話したことから、神経性過食症と診断した。
 入院時の身体所見:身長155cm、体重48kg。
 入院時の検査所見:赤血球400 万/μL、Hb 12.5 g/dL、白血球6,300/μL。Na135mEq/L、K2.7mEq/L、Cl 98 mEq/L、AST 30U/L、ALT 35U/L、γ-GTP32U/L。
 Aさんの状態をアセスメントするために優先度が高い検査はどれか。

1.心電図
2.頭部CT
3.腹部超音波
4.上部消化管内視鏡

解答1

解説

1.〇 正しい。心電図が最も優先される。なぜなら、嘔吐を繰り返すことによって、胃酸とともにカリウムが流失し、低カリウム血症となることが多く、血液データからもカリウムが低値となっていることが分かるため。低カリウム血症は、不整脈を生じる。他にも、筋力低下、筋肉のけいれんやひきつり、さらには麻痺が生じる。
2.× 頭部CTは、優先度が低い。なぜなら、脳の異常を疑う徴候や症状は認められないため。頭部CT検査は、脳内の腫瘍や出血などの異常の有無や程度が分かる。
3.× 腹部超音波は、優先度が低い。なぜなら、肝機能を示す血液データは正常であるため。腹部超音波検査は、肝臓などの腹部の臓器の異常や疾患の有無である。
4.× 上部消化管内視鏡は、優先度が低い。なぜなら、嘔吐を繰り返すことによって逆流性食道炎になることがあるが、その症状である胸やけなどの記述がないため。上部消化管内視鏡検査は、食道・胃・十二指腸に発生した潰瘍、腫瘍などの有無である。

 

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