第109回(R2) 看護師国家試験 解説【午後31~35】

 

31 急性骨髄性白血病の検査所見で正しいのはどれか。

1.赤血球数が増加する。
2.血小板数が増加する。
3.白血球分画に白血病裂孔を認める。
4.ミエロペルオキシダーゼ反応陽性が3%未満である。

解答3

解説

1~2.× 赤血球数/血小板数は、増加ではなく低下する。なぜなら、急性骨髄性白血病は、正常造血が抑制されるため。
3.〇 正しい。白血球分画に白血病裂孔を認める。急性骨髄性白血病では白血球が増加することが多い。白血球分画とは、白血球の各細胞である好中球、リンパ球、好酸球、単球、好塩基球の5種類について、その割合を100分率(%)で表したものである。白血病裂孔とは、白血球を顕微鏡などで観察すると、幼若な白血病細胞と残存した成熟細胞はみられるが、分化段階が中間の成熟細胞が観察されなくなること。主に急性骨髄性白血病で観察される血液の状態のことである。
4.× ミエロペルオキシダーゼ反応陽性は、3%未満ではなく、3%以上である。

ミエロペルオキシダーゼ(MPO)反応とは?

 急性白血病の診断において、白血病細胞が骨髄系かリンパ系かを調べるための重要な検査である。ミエロペルオキシダーゼ(MPO)反応で染色する細胞が3%以上(陽性)ならば骨髄系、3%未満(陰性)ではリンパ系の急性白血病となる。ただし、骨髄系の急性白血病のー部には陰性となるものがある。

 

 

 

 

 

32 Ménière(メニエール)病で正しいのはどれか。

1.伝音性難聴を伴う。
2.めまいは回転性である。
3.発作期に外科治療を行う。
4.蝸牛の機能は保たれている。

解答2

解説

 Ménière(メニエール)病は、膜迷路を満たしている内リンパ液の内圧が上昇し、内リンパ水腫が生じる内耳疾患である。激しい回転性のめまいと難聴・耳鳴り・耳閉感の4症状が同時に重なる症状を繰り返す内耳の疾患である。

 

1.× 伝音性難聴ではなく、感音性難聴を伴う。なぜなら、メニエール病は内耳の障害によって起こる疾患であるため。伝音性難聴は、外耳や中耳などの「伝音器」と呼ばれる部分の障害によって起こる難聴である。感音性難聴は、内耳や聴神経など「感音器」と呼ばれる部分の障害によって起こる難聴である。
2.〇 正しい。めまいは回転性である。なぜなら、内耳(蝸牛、前庭、三半規管)の疾患であるため。
3.× 発作期に外科治療を行う必要はない。外科治療(手術)は、非発作期に行う。しかし、保存的治療を行ってもめまい発作のコントロールがつかないときに外科治療を行う。めまい症状、嘔気、嘔吐があるときには行わない。
4.× 蝸牛の機能は障害されている。なぜなら、内耳(蝸牛、前庭、三半規管)の疾患であるため。蝿牛は聴覚をつかさどっている器官である。Ménière(メニエール)病は、回転性のめまいと、難聴、耳鳴りの主症状を繰り返す疾患である。したがって、鍋牛の機能は障害される。

 

 

 

 

 

33 成人の急性腎盂腎炎で正しいのはどれか。

1.男性に多い。
2.両腎性が多い。
3.初尿を用いて細菌培養を行う。
4.原因菌はGram(グラム)陰性桿菌が多い。

解答4

解説

急性腎盂腎炎急性腎盂腎炎とは?

 細菌が腎臓の中に入って、炎症が起きている状態。 症状が急に現れるが、治療が早くできると症状は3日~5日で落ち着く。 しかし、症状が悪くなれば入院する必要があるため、注意する必要がある。

1.× 男性ではなく女性に多い。20~40歳代では、男女比は1対30である。なぜなら、膀胱炎からの逆行性感染によって生じることが多いため。したがって、解剖学的に尿道が短く膀胱炎になりやすい女性に多い。
2.× 両腎性ではなく、圧倒的に片側腎のみが多い。逆行性感染では、片側腎のみの感染が多いが、血行性感染では両側腎の同時感染が起こることがある。
3.× 初尿を用いず、中間尿を採取して細菌培養を行う。なぜなら、膀胱炎の際の採尿と同じで、特に女性の初尿は外陰部の常在菌が混入することがあるため。
4.〇 正しい。原因菌は、Gram(グラム)陰性桿菌(かんきん)が多い。急性単純性腎孟腎炎は、急性単純性膀胱炎から逆行性に感染が波及することが多く、原因菌も膀胱炎と同様にグラム陰性桿菌の大腸菌であることが非常に多い。

 

 

 

 

 

34 国民健康保険で正しいのはどれか。

1.被用者保険である。
2.保険者は国である。
3.高額療養費制度がある。
4.保険料は加入者の年齢で算出する。

解答3

解説

 国民健康保険は、日本の国民健康保険法等を根拠とする、法定強制保険の医療保険である。

 

1.× 被用者保険ではなく、地域保険である。被用者保険(職域保険)とは、健康保険、共済組合、船員保険などが該当する。
2.× 保険者は国ではなく、都道府県と各市町村の両者か、国民健康保険組合である。
3.〇 正しい。高額療養費制度がある。高額療養費制度は、国民健康保険のみならず、他の医療保険にも存在する。
4.× 保険料は、加入者の年齢で算出するのではない。国民健康保険の保険料は、都道府県が算定した標準保険率を参考に市町村が保険料(税)率または額を決定する。内訳は、所得割・資産割・均等割・平等割からなり、世帯ごとに保険料が決定される。

 

 

 

 

 

35 高齢者の虐待防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(高齢者虐待防止法)で、措置された高齢者が入所する社会福祉施設はどれか。

1.有料老人ホーム
2.特別養護老人ホーム
3.高齢者生活福祉センター
4.サービス付き高齢者向け住宅

解答2

解説

 『高齢者虐待防止法』では、高齢者の生命や身体にかかわる危険性が高く、放置しておくと重大な結果を招くことが予測された場合、『老人福祉法』に基づき、市町村または市町村長が「やむを得ない事由による措置」として、高齢者を施設に入所させるなどして一時的に保護をすることができる。

 

1.× 有料老人ホームは、緊急一時保護のために、自費負担によって短期入所する場合もあるが、入所する社会福祉施設ではない。
2.〇 正しい。特別養護老人ホームは、高齢者虐待防止法に基づき入所する社会福祉施設である。『老人福祉法』で、やむを得ない事由による入所措置の対象施設は、特別養護老人ホーム、短期入所生活介護(ショートステイ)、小規模多機能居宅介護、認知症対応型共同生活介護などとされている。
3.× 高齢者生活福祉センターとは、自宅での生活に不安のある高齢者に対する各種相談や助言、介護サービスおよび保健福祉サービスの利用手続きの援助、緊急通報装置の貸与、高齢者の収入額に応じた住居の提供などを役割・機能としている。
4.× サービス付き高齢者向け住宅(サ高住、サ付き)とは、主に民間事業者が運営するバリアフリー対応の賃貸住宅である。国土交通省と厚生労働省が所管する『高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)』を根拠法とする高齢者のための住宅であるため、措置の入所施設と合致しない。

 

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