第109回(R2) 看護師国家試験 解説【午後41~45】

 

41 成人のセルフケア行動に関する学習を促進するのはどれか。

1.自己効力感
2.パターナリズム
3.プレパレーション
4.ノンコンプライアンス

解答1

解説

1.〇 正しい。自己効力感は、成人のセルフケア行動に関する学習を促進する。自己効力感とは、自分が行動しようと思っていること、変えようと思っている生活習慣などに対し、自分がどれだけできるかという自信や意欲のことである。したがって、自己効力感を高めることは、セルフケア行動や行動変容を促す支援として有効である。
2.× パターナリズム(父権主義)とは、弱い立場の者の意思・判断に関係なく強い立場の者が介入・干渉し、それに従うべきだとする考えのことである。医療において、患者の意思にかかわらず、医師などの専門家に任せた治療を進めることを指す。
3.× プレパレーションとは、小児科の手術や治療に先立って、患者である子供に、画像や人形などを使って分かりよい説明をし(練習もさせ)、安心して臨める心構えに導くことである。心理的準備の援助として、主に小児に行うものである。
4.× ノンコンプライアンスとは、医療者からの指示を患者が守らない状態を指す。コンプライアンスとは、医療者からの指示を患者が遵守することを指す。

 

 

 

 

 

42 成人女性に膀胱留置カテーテルを挿入する方法で適切なのはどれか。

1.水溶性の滅菌潤滑剤を用いる。
2.カテーテルは外尿道口から15cm挿入する。
3.固定用バルーンを膨らませた後、尿の流出を確認する。
4.固定用バルーンにはクロルヘキシジングルコン酸塩液を注入する。

解答1

解説

1.〇 正しい。水溶性の滅菌潤滑剤を用いる。なぜなら、動物性油脂・植物性油脂・鉱物性油脂の潤滑剤を用いると、膀胱留置カテーテルが損傷し破裂するおそれがあるため。
2.× カテーテルは、外尿道口から15cmではなく、7~9cm挿入する。15cmまで挿入すると膀胱を傷つけてしまう。
3.× 固定用バルーンを膨らませた後ではなく前に、尿の流出を確認する。挿入したカテーテルから尿が流出したことを確認してから(カテーテルが膀胱に届いたことを確認してから)、バルーンのふくらみを考慮してさらに2~3cm挿入し、固定用バルーンをふくらませる。尿の流出を確認する前に、バルーンをふくらませると尿道内を損傷するおそれがある.
4.× 固定用バルーンには、クロルヘキシジングルコン酸塩液ではなく滅菌蒸留水を注入する。なぜなら、固定用バルーンをふくらませるため。クロルヘキシジングルコン酸塩液は、手術時手洗い、手術部位の皮膚、創傷部位(創傷周辺皮膚)、血管内留置カテーテル挿入部位の皮膚などに使用する。

 

 

 

 

 

43 中心静脈栄養法(TPN)で高カロリー輸液を用いる際に、起こりやすい合併症はどれか。

1.高血圧
2.高血糖
3.末梢静脈炎
4.正中神経麻痺

解答2

解説

中心静脈栄養法(TPN)とは、中心静脈(上大静脈、下大静脈)にカテーテルを留置して、高カロリーの輸液を行う方法である。高カロリー輸液を行うため、高血糖、肝機能障害などの合併症、血流感染や静脈炎などのリスクがある。そのため、衛生面など管理には細心の注意が必要である。また、腸管粘膜が萎縮し、消化機能が低下し、血栓が形成されることがある。したがって、選択肢2.高血糖が正しい。ちなみに、選択肢3.末梢静脈炎は、中心静脈栄養法ではなく、末梢中心静脈カテーテルを用いる場合は末梢静脈炎を起こすこともある。また、選択肢4.正中神経麻痺も同様に、中心静脈栄養法は通常、内頚静脈、鎖骨下静脈、大腿静脈などから刺入されるため起こらない。

 

 

 

 

 

44 成人に自動体外式除細動器(AED)を使用する際の電極パッドの貼付で正しいのはどれか。

1.小児用電極パッドが代用できる。
2.右前胸部に縦に並べて貼付する。
3.貼付部の発汗は貼付前に拭き取る。
4.経皮吸収型テープ剤の上に貼付する。

解答3

解説

1.× 小児用電極パッドで代用できない。なぜなら、小児用の電極パッドでは、電気エネルギー量が小さく効果がない場合があるため。一方で、小児の場合は小児用電極パッドを使用しないと小児の心筋を損傷してしまうおそれがある。しかし、緊急時には成人用の電極パッドを使うこともある。
2.× 右前胸部に縦に並べてではなく、「右前胸部と左側胸部」に貼付する。
3.〇 正しい。貼付部の発汗は、貼付前に拭き取る。なぜなら、皮膚が汗や水で濡れているとパットが密着しないため。
4.× 経皮吸収型テープ剤の上ではなく、必ずはがして肌に貼付する。なぜなら、経皮吸収型テープ剤の上に貼付すると、電気ショックの効果が弱まったり熱傷を起こしたりする可能性があるため。

 

 

 

 

 

45 Braden(ブレーデン)スケールの評価項目で正しいのはどれか。

1.湿潤
2.循環
3.体圧
4.年齢

解答1

解説

 Braden(ブレーデン)スケールとは、褥瘡の危険度を評価する方法である。6項目で構成され、「知覚の認知」「湿潤」「活動性」「可動性」「栄養状態」「摩擦とずれ」である。それぞれの項目を「1点:最も悪い」から「4点:最も良い」で評価し、合計点を出し、(「摩擦とずれ」だけは1~3点)合計点は6~23点である。合計点が低いほどリスクが高くなり、国内でのカットオフ値は14点、国外では16~18点である。したがって、選択肢1.湿潤が正しい。他の選択肢2~5.循環/体圧/年齢は、褥瘡の発生要因になるが、評価項目には含まれていない。

 

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