第109回(R2) 看護師国家試験 解説【午前46~50】

 

46 細菌性髄膜炎の症状はどれか。

1.羞明
2.羽ばたき振戦
3.Raynaud(レイノー)現象
4.Blumberg(ブルンベルグ)徴候

解答1

解説

 髄膜炎の3大症状は、①頭痛、②発熱、③髄膜刺激症状である。そのほかに悪心・嘔吐・意識障害などがある。

 

1.〇 正しい。羞明(しゅうめい)とは、強い光を受けた際に、不快感や眼の痛みなどを生じることをいう。髄膜刺激症状の代表は項部硬直だが、差明や聴覚過敏を呈することがある。そのため、髄膜炎患者の病室を暗めに設定する必要がある。
2.× 羽ばたき振戦は、肝性脳症ウィルソン病など代謝性神経疾患で出現する。大脳基底核の障害によるもので髄膜刺激症状ではない。
3.× Raynaud(レイノー)現象は、手指の皮膚が寒冷刺激や精神的ストレスにより蒼白になり、それから紫色を経て赤色になり、元の色調に戻る一連の現象をいう。強皮症全身性エリテマトーデス(SLE)などにみられる。
4.× Blumberg(ブルンベルグ)徴候は、患者の腹壁をゆっくりと検者の手で圧迫して、急に圧迫をとると痛みが強くなるという現象である。腹膜に炎症があることを示し、腹膜炎を呈する疾患(消化管穿孔急性虫垂炎など)で出現する。

 

 

 

 

 

47 貧血を伴う患者の爪の写真を下図に示す。
 欠乏している栄養素はどれか。

1.ビタミンB12
2.ビタミンC
3.葉酸
4.鉄

解答4

解説

 写真の爪は、爪甲がくぼんだ「さじ状爪(スプーンネイル)」である。原因は、鉄分の不足である。

 

1.× ビタミンB12が欠乏すると、大球性貧血を起こし、舌炎や神経障害などを伴うことがある。
2.× ビタミンCが重度に欠乏すると、出血症状や骨形成異常を特徴とする壊血病がみられる。
3.× 葉酸が欠乏すると、大球性貧血を起こし、舌炎や神経障害などを伴うことがある。
4.〇 正しい。鉄が欠乏すると、写真のような爪甲がくぼんだ「さじ状爪(スプーンネイル)」が生じる。鉄欠乏では、小球性低色素性貧血となり、口角炎や嚥下障害、異食症などがみられる。

 

 

 

 

 

48 手術後に無排卵になるのはどれか。

1.脳下垂体全摘出術
2.単純子宮摘出術
3.低位前方切除術
4.片側卵巣切除術

解答1

解説

排卵に関係する性腺ホルモン指示系統は、「視床下部ー脳下垂体ー性腺(卵巣)」である。

 

1.〇 正しい。脳下垂体全摘出術すると、無排卵となる。なぜなら、下垂体が全摘出されると、性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)が分泌されず卵巣への刺激がなくなるため。通常、視床下部からゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)が分泌され、その作用により下垂体前葉からは、性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)が分泌され、卵巣を刺激し排卵に至る。
2.× 単純子宮摘出術は、排卵には影響しない。なぜなら、子宮は女性ホルモンを産生しないため。
3.× 低位前方切除術は、排卵には影響しない。なぜなら、低位前方切除は直腸癌(肛門括約筋を温存して直腸を切除する術式)に対して行う。
4.× 片側卵巣切除術は、排卵には影響しない。なぜなら、片側の卵巣を切除した場合でも、対側卵巣が残っていれば排卵は成立するため。

 

 

 

 

 

49 被験者が図形を描き写す内容が含まれる認知機能の評価はどれか。

1.認知症高齢者の日常生活自立度判定基準
2.Mini-Mental State Examination(MMSE)
3.高齢者の総合機能評価CGA簡易版(CGA7)
4.改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)

解答2

解説

1.× 認知症高齢者の日常生活自立度判定基準に、 被験者が図形を描き写す内容が含まれる認知機能の評価(図形模写)は含まれない。認知症高齢者の日常生活自立度判定基準は、介護保険認定の要介護認定の評価に使われる。金銭管理や着替えができるかなどを介護者から聞き取る質問形式である。
2.〇 正しい。Mini-Mental State Examination(ミニメンタルステート検査:MMSE)に被験者が図形を描き写す内容が含まれる認知機能の評価(図形模写)は含まれる。Mini-Mental State Examination(ミニメンタルステート検査:MMSE)は、11項目からなる認知機能検査である。30点満点で23点以下を認知症の疑いとなる。
3.× 高齢者の総合機能評価CGA簡易版(CGA7)に、 被験者が図形を描き写す内容が含まれる認知機能の評価(図形模写)は含まれない。高齢者の総合機能評価CGA簡易版(CGA7)は、生活機能、精神・心理、社会環境の3つの観点から高齢者の障害度を評価する。認知機能検査は3単語記銘(桜・猫・電車の記銘)の項目があるが、図形模写はない。
4.× 改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)に、 被験者が図形を描き写す内容が含まれる認知機能の評価(図形模写)は含まれない。長谷川式認知症スケール(HDS-R)は、9項目の質問に答える認知機能検査である。30点満点で20点以下を認知症の疑いとする。

 

 

 

 

 

50 老化による免疫機能の変化はどれか。

1.胸腺の肥大
2.T細胞の増加
3.獲得免疫の反応の低下
4.炎症性サイトカインの産生の減少

解答3

解説

1.× 胸腺の肥大ではなく萎縮する。胸腺は、胸骨の裏側・上大静脈や大動脈の前に位置する臓器である。働きは、骨髄で産生された未熟なT細胞が成熟する。重量は小児期(10~12歳頃)にピークに達し、その後脂肪に置き換わり、退縮し機能も低下する。高齢者では著しく萎縮し、CT画像で存在が判然としない場合もある。大人では摘出しても特に問題ない。
2.× T細胞の増加ではなく、減少する。獲得免疫は、①T細胞が主体となる細胞性免疫と、②B細胞が産生する抗体が関与する液性免疫(体液性免疫)に分けられる。加齢により免疫機能は全般に低下するが、特に免疫応答全体をコントロールする役割をもつT細胞系の著しい減少によって機能低下がみられる。
3.〇 正しい。老化により、獲得免疫の反応は低下する。加齢に伴い、自然免疫(生まれつきもっている免疫系であり、好中球やマクロフアージ、NK細胞、補体などによる抗原非特異的防御反応)よりも、獲得免疫(生後新たに獲得される免疫系であり、精密で強力な反応)のほうが著しく低下する。
4.× 炎症性サイトカインの産生は、減少ではなく増加する。なぜなら、加齢に伴い、動脈硬化・肥満・糖尿病などの生活習慣病やがんなどの疾患の背景に慢性炎症が存在するため。

 

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