第109回(R2) 看護師国家試験 解説【午後81~85】

 

81 健常な成人において、血液中のグルコース濃度が低下した時に、グルカゴンの働きでグリコゲンを分解してグルコースを生成し、血液中に放出するのはどれか。

1.肝臓
2.骨格筋
3.脂肪組織
4.心臓
5.膵臓

解答1

解説

 グルカゴンは、主に膵臓のランゲルハンス島のα細胞で合成、分泌され、膵臓のインスリン分泌を増加させる。グリコゲンは脂肪組織中の脂肪細胞から、遊離脂肪酸の放出を促し、脂肪分解を促進する。また、グリコゲンは心臓に作用し、心臓のポンプ作用を亢進させる。したがって、選択肢3~5.脂肪組織/心臓/膵臓は、グリコゲンを分解してグルコースを生成し、血液中に放出するものではない。

 

1.〇 正しい。肝臓は、グルコースを生成し、血液中に放出する。グルカゴンは、低血糖を防ぐために肝細胞に働きかけて肝臓内のグリコーゲンを分解し、グルコースを生成し、血中に放出することで血糖値を上昇させる。ちなみに、アミノ酸代謝による糖新生も亢進する。
2.× 骨格筋は、肝臓と同様、インスリンの作用で筋肉にグリコゲンを取り込み、血糖をコントロールする。しかし、骨格筋でグルカゴンは、グリコゲーンの分解を促進しない

 

 

 

 

 

82 関節運動はないが筋収縮が認められる場合、徒手筋力テストの結果は( )/5と表記する。
 ( )に入るのはどれか。

1.1
2.2
3.3
4.4
5.5

解答1

解説

 徒手筋力テスト(MMT:manual muscle testing)は、筋力の評価に用いられる。筋収縮のまったくみられない完全麻痺を「0」、正常を「5」として6段階で評価する。

 

1.〇 正しい。1は、「関節の運動は起こらないが、筋のわずかな収縮は起こる。筋収縮がみえる、または触知できる」状態である。
2.× 2は、「地面に水平に動かすなど、四肢への重力の影響を除外すると、正常可動域いっぱい、または一部において運動できる」状態である。
3.× 3は、「徒手抵抗を加えなければ、重力に対して正常可動域いっぱいに運動できる」状態である。
4.× 4は、「ある程度、徒手抵抗を加えても、正常可動域いっぱいに運動できる」状態である。
5.× 5は、「強い抵抗を加えても、完全に運動できる」状態である。

 

 

 

 

 

83 加齢黄斑変性の症状はどれか。

1.羞明
2.霧視
3.飛蚊症
4.眼圧の亢進
5.中心視野の欠損

解答5

解説

加齢黄斑変性とは?

加齢黄斑変性とは、高齢者・男性・喫煙者に好発し、脈絡膜新生血管を伴う惨出型と網膜色素上皮の萎縮を呈する萎縮型に大別される。症状は、①ものが歪んで見える(変視症、歪視)、②視力低下、③中心暗点などがある。また、惨出型では眼底検査で、黄斑部の出血、網膜色素上皮剥離などが観察される。治療は、血管内皮増殖因子阻害薬の硝子体内注射が行われる。

1.× 羞明(しゅうめい:明るいところで見えにくい症状)は、代表的な疾患に白内障がある。
2.× 霧視(むし:眼がかすんで見える症状)は、代表的な疾患に白内障や、緑内障に伴う眼圧の急激な上昇時などで起こる。
3.× 飛蚊症(かぶんしょう:小さな虫、糸くずのようなものが飛んで見える症状)は、代表的な疾患に白内障がある。加齢に伴う生理的なものと、眼底出血や網膜剥離などで起こる病的なものがある。
4.× 眼圧の亢進は、緑内障でみられる。
5.〇 正しい。中心視野の欠損(視野の中心部が見えにくい症状)は、加齢黄斑変性で起こる。

 

 

 

 

 

84 高齢者が共同生活をする施設で、感染の拡大予防のために個室への転室などの対応を必要とするのはどれか。

1.白癬
2.帯状疱疹
3.蜂窩織炎
4.角化型疥癬
5.皮膚カンジダ症

解答4

解説

1.× 白癬は、いわゆる水虫のことで、皮膚糸状菌によって生じる皮膚感染症の一つである。接触感染の感染経路をとり、個室隔離の必要はない。
2.× 帯状疱疹とは、身体の左右どちらか一方に、ピリピリと刺すような痛みと、これに続いて赤い斑点と小さな水ぶくれが帯状にあらわれる病気である。皮疹部の接触感染の感染経路をとり、通常は標準予防策の感染対策を講じる。
3.× 蜂窩織炎とは、皮膚とその下にある皮下脂肪にかけて、細菌が入り込んで、感染する皮膚の感染症である。接触感染の感染経路をとり、個室隔離の必要はない。
4.〇 正しい。角化型疥癬は、感染の拡大予防のために個室への転室などの対応を必要である。なぜなら、感染力が強いため。皮疹部の直接接触による接触感染の感染経路をとり、短時間の接触でも感染しうる。また、剥がれ落ちた角質内にも多数のヒゼンダニが含まれており、衣類や寝具類を介した間接接触でも感染する。
5.× 皮膚カンジダ症は、接触感染の感染経路をとり、個室隔離の必要はない。カンジダ症では、発疹、鱗屑、かゆみ、腫れなどがみられるカンジダ属の真菌による感染症である。湿潤部位の皮膚で発生しやすい傾向がある。

 

 

 

 

 

85 3歳児の排泄行動の発達に該当するのはどれか。

1.夜尿をしなくなる。
2.尿意を自覚し始める。
3.排便後の後始末ができる。
4.トイレに行くまで排尿を我慢できる。
5.遊びに夢中になっても排尿の失敗がなくなる。

解答4

解説

1.× 夜尿(夜間睡眠中の無意識の排尿のこと)をしなくなるのは、一般的に4歳以降である。3歳では抗利尿ホルモンの分泌が不十分であるため、大脳による抑制ができない夜間は排尿があり、おむつが必要である。
2.× 尿意を自覚し始めるのは、1歳6か月~2歳頃である。膀胱容量が増え、延髄による排尿抑制が生じ、膀胱で尿を貯留できるようになる。そして、膀胱に尿が貯留すると、大脳皮質で尿意として知覚し、自分の意思で排尿をすることが可能となる。
3.× 排便後の後始末ができるのは、4歳半以降である。小学校にあがるまでにできるようになることを目指して、家庭や保育所、幼稚園などで指導を行う。
4.〇 正しい。トイレに行くまで排尿を我慢できるのは、3歳児の排泄行動の発達に該当する。
5.× 遊びに夢中になっても排尿の失敗がなくなるのは、4歳半以降である。3歳では、排尿を我慢できるようになるが、遊びに夢中になると失敗することもある。

 

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