第110回(R3) 看護師国家試験 解説【午前21~25】

 

21 感染予防のための手指衛生で正しいのはどれか。

1.石けんは十分に泡立てる。
2.洗面器に溜めた水で洗う。
3.水分を拭きとるタオルを共用にする。
4.塗布したアルコール消毒液は紙で拭き取る。

解答1

解説
1.〇 正しい。石けんは十分に泡立てる。泡立てることにより界面活性作用が促進され、洗浄効果が得られる。界面活性剤とは、分子内に水になじみやすい部分と、油になじみやすい部分を持つ物質の総称のことである。
2.× 洗面器に溜めた水で洗うのは清潔ではない。衛生的手洗いでは、洗浄効果として①石けんと流水による手洗いか、②速乾性擦式消毒(アルコール消毒)を行う。
3.× 水分を拭きとるタオルを共用にするのは清潔ではない。感染予防のため、使い捨てのペーパータオルを用いる。
4.× 塗布したアルコール消毒液は紙で拭き取るのは清潔ではない。なぜなら、速乾性擦式消毒剤は、乾燥するまで擦り込むことで、消毒効果が現れるため。

 

 

 

 

 

 

22 経鼻胃管の先端が胃内に留置されていることを確認する方法で正しいのはどれか。

1.腹部を打診する。
2.肺音の聴取を行う。
3.胃管に水を注入する。
4.胃管からの吸引物が胃内容物であることを確認する。

解答4

解説

1.× 腹部を打診しても確認できない。なぜなら、腹部の打診でわかることは、その部位におけるガス実質物の有無などあるため。
2.× 肺音の聴取を行っても確認できない。なぜなら、肺音の聴取は呼吸状態を判断するため。
3.× 胃管に水を注入しても確認できない。なぜなら、万一気管内に胃管の先端が入っていた場合は、肺に水を注入することになってしまうため。肺炎につながる非常に危険な行為である。ちなみに、胃管が胃内に入っているかについては、注射器で空気を10~20ml注入し、聴診器で気泡音を確認する。
4.〇 正しい。胃管からの吸引物が、胃内容物であることを確認する。胃の内容物が吸引されれば胃管の先端が胃まで到達していることを確実に判断できる。胃液は酸性なので、pH試験紙を用いれば胃の内容物かどうかの鑑別も可能である。また、レントゲン撮影によって確認をする方法もある。

 

 

 

 

 

 

23 輸液ポンプを使用する目的はどれか。

1.感染の防止
2.薬液の温度管理
3.薬物の効果判定
4.薬液の注入速度の調整

解答4

解説

MEMO

輸液ポンプとは、薬や輸液などを「正確」に患者さんに投与することを目的で使用する。抗不整脈薬や昇圧剤など確実に指定した量で投与しないと重大な副作用が出てしまうものもあるため輸液ポンプを使用する。

1.× 感染の防止は、輸液ポンプを使用する目的ではない。感染防止に重要なことは、①静脈留置針および輸液ラインの定期的な交換、②刺入部の観察である。
2.× 薬液の温度管理は、輸液ポンプを使用する目的ではない。そもそも輸液ポンプに温度管理をする機能はない。したがって、薬剤保管時は添付文書に従い、光・温度・湿度などに注意する必要がある。
3.× 薬物の効果判定は、輸液ポンプを使用する目的ではない。そもそも輸液ポンプに薬物の効果を判定する機能はない。薬物の効果は、エックス線・CT・MRI・エコー検査などの画像検査や血液検査によって判定する。
4.〇 正しい。薬液の注入速度の調整は、輸液ポンプを使用する目的である。輸液中は、体動や手の向きなどによって滴下の速さが変わることがある。そのため、輸液投与量を正確に保つ必要がある場合には、輸液ポンプを使用する。輸液ポンプの流量と予定量は医師の指示に基づき設定する。

 

 

 

 

 

 

24 1回の鼻腔内吸引時間の目安で適切なのはどれか。

1.10~15秒
2.20~25秒
3.30~35秒
4.40~45秒

解答1

解説

1.〇 10~15秒は、1回の鼻腔内吸引時間の目安で適切である。挿入中は吸引の陰圧を止め粘膜損傷を予防する。吸引カテーテルに陰圧をかけ、回転させながら引き戻すが10秒以上の陰圧はかけないことが大切である。
2~4.× 20~25秒/30~35秒/40~45秒は、吸引の時間が長い。吸引の時間が長いと経皮的動脈血酸素飽和度(Sp02)が低下し二次障害につながりやすい。また、酸素吸入を行っている患者の場合は、蝦素投与を継続しめ経皮的動脈血酸素飽和度(Sp02)を測足しながら吸引する。

 

 

 

 

 

 

25 成人の心肺蘇生時の胸骨圧迫の深さの目安はどれか。

1.2cm
2.5cm
3.8cm
4.11cm

解答2

解説

1.× 2cmは浅すぎる。有効な心拍出を得ることができない。
2.〇 正しい。5cm(正確には5~6cm)は成人の心肺蘇生時の胸骨圧迫の深さの目安である。
3~4.× 8cm/11cmは深すぎる。6cm以上の胸骨圧迫にて有害事象(肋骨骨折)の発生率が上昇する。胸骨圧追は、圧迫だけではなく、胸骨圧迫と胸骨圧迫の間に十分に胸郭を引き上げ拡張させる(リコイル)ことが重要である。血液が全身の静脈から心臓へと還流し、胸骨圧迫により有効な心拍出が得られる。

 

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