第110回(R3) 看護師国家試験 解説【午後26~30】

 

26 生後から20歳になるまでの器官の発育発達を示した曲線(Scammon〈スカモン〉の発育発達曲線)を図に示す。
 胸腺の成長を示すのはどれか。

1.①
2.②
3.③
4.④

解答1

解説

スカモンの発育発達曲線とは?

スカモンの発育曲線(発育発達曲線)とは、各器官の発育の急速な時期をわかりやすく図式化したもの。子どもの発育には、急速な時期と緩慢な時期が存在する。

1.〇 正しい。①は、胸腺(リンパ型)である。胸腺とは胸骨裏面の前縦隔に位置する免疫担当臓器で、Tリンパ球が成熟する場所である。10~12歳頃に最も大きくなり、その後は加齢とともに小さくなる。
2.× ②は、神経型である。神経型は出生直後から急激に発育し、幼児期のうちに成人に近いレベルに達する特徴を持つ。
3.× ③は、一般型(身長などの外形計測値や呼吸器、循環器、消化器などを含む)である。S字状の形状を持つ。
4.× ④は、生殖器型である。生殖器型は、思春期以降に急速に発育する。

 

 

 

 

 

 

27 腸閉塞について正しいのはどれか。

1.仰臥位の腹部エックス線写真で鏡面像を認める。
2.経口による水分摂取は少量にする。
3.イレウス管を小腸に留置する。
4.抗菌薬の投与は禁忌である。

解答3

解説
1.× 仰臥位ではなく立位または左側臥位の腹部エックス線写真で鏡面像を認める。単純X線写真において、立位または左側臥位をとると、腸管内容物のうち液性成分は下に、気体成分は上に移動し、水平に液面像を形成するが、これをニボー像(鏡面像)という。

2.× 経口による水分摂取は、少量ではなく、原則絶飲食とする。なぜなら、腸管の安静のため。
3.〇 正しい。イレウス管を小腸に留置する。腸閉塞にもさまざまな原因があり、その原因が小腸にあれば減圧チューブの先端は病変部口側に留置することが望ましい。ただし、進行大腸癌などによる大腸イレウスの場合は、経肛門的に大腸に留置することもある。
4.× 抗菌薬の投与は、禁忌ではなく使用する場合がある。なぜなら、腸閉塞は腸管内に腸内容物が停滞することによって腸内細菌が増殖し、菌血症を併発することがあるため。

 

 

 

 

 

 

28 膀胱癌について正しいのはどれか。

1.女性に多い。
2.尿路上皮癌より腺癌が多い。
3.経尿道的生検によって治療法を決定する。
4.表在性の癌に対して膀胱全摘除術が行われる。

解答3

解説
1.× 女性ではなく男性に多い。60~70歳代の高齢者に多く、男女比は約4:1で男性に多い。
2.× である。腺癌より尿路上皮癌(移行上皮癌)が多い。95%以上は尿路上皮癌(移行上皮癌)であり、尿路上皮は腎盂・尿管・膀胱覆っている。
3.〇 正しい。経尿道的生検によって治療法を決定する。経尿道的生検とは、顕微鏡検査のために前立腺から組織標本を採取する手技である。尿道から前立腺に照明の付いた細い管を挿入し、切除ループを用いて小さな組織片を採取する。経尿道的生検は、経尿道的膀胱腫瘍切除術と同時に行うことが多い。治療的意義と診断的意義があり、がんの広がりや深さを正確に診断することで、適切な治療法を決定する。
4.× 膀胱全摘除術が行われるのは、表在性の癌に対してではなく「筋層以上に浸潤した膀胱癌」である。

 

 

 

 

 

 

29 日本の人口静態統計のもとになる調査はどれか。

1.患者調査
2.国勢調査
3.国民生活基礎調査
4.国民健康・栄養調査

解答2

解説

人口静態・動態統計とは?

人口静態統計:ある時点(時間の瞬間的な断面)における人口に関する統計のことである。

人口動態統計:人口静態統計に対し、人口の動的な側面をとらえる統計のことである。

1.× 患者調査は、病院および診療所を利用する患者の傷病状況などを明らかにする調査(人口動態統計)である。
2.〇 正しい。国勢調査は、日本の人口静態統計のもとになる調査である。日本の人口静態統計は、5年ごとに行われる国勢調査によって得られる。
3.× 国民生活基礎調査は、国民の保健・医療・福祉・年金・所得など、国民生活の基礎的事項を把握する調査(人口動態統計)である。
4.× 国民健康・栄養調査は、国民の身体の状況、栄養素等摂取量および生活習慣の状況を明らかにする調査(人口動態統計)である。

 

 

 

 

 

 

30 感染症と感染経路の組合せで正しいのはどれか。

1.結核:接触感染
2.麻疹:空気感染
3.マラリア:飛沫感染
4.インフルエンザ:経口感染

解答2

解説
1.× 結核は、接触感染ではなく空気感染(空気中を漂う飛沫核となった結核菌を吸い込むことにより感染)である。
2.〇 正しい。麻疹は、空気感染である。ちなみに、麻疹は接触感染も生じうる。
3.× マラリアは、飛沫感染ではなく蚊媒介感染であるマラリア原虫がハマダラカを媒介して感染する。
4.× インフルエンザは、経口感染ではなく飛沫感染(咳やくしゃみで飛び散った飛沫を吸い込むことにより感染する)である。

詳しくまとめました。参考にしてください。

【看護師国家試験】主な感染経路とその特徴について完全解説

 

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