第110回(R3) 看護師国家試験 解説【午後31~35】

 

31 診療記録で正しいのはどれか。

1.看護記録が含まれる。
2.開示は保健所長が行う。
3.1年間の保存義務がある。
4.閲覧は患者本人に限られる。

解答1

解説
1.〇 正しい。看護記録が含まれる。診療記録には、主に、①診療録(カルテ)、②処方箋、③手術記録、④看護記録、⑤検査所見、⑥エックス線写真、⑦紹介状などがある。もちろん看護記録はそのひとつである。
2.× 開示は保健所長ではなく、医療機関の管理者が担当医師などの意見を聞いたうえ行う。
3.× 保存義務は、「診療録」と「診療に関する諸記録」で異なる。①医師が記載する「診療録」は、5年間の保存が義務付けられている。②看護師などの医療従事者が記載する「診療に関する諸記録」は、2年間の保存が義務付けられている。ちなみに、医師法により定められている。
4.× 閲覧は患者本人だけでなく、患者本人以外の者が患者に代わって開示を求めることもできる。ただ原則として患者本人である。(診療情報の提供等に関する指針)

 

 

 

 

 

 

32 雇用保険法について正しいのはどれか。

1.育児休業給付がある。
2.雇用保険は任意加入である。
3.雇用保険の保険者は市町村である。
4.雇用保険料は全額を労働者が負担する。

解答1

解説

雇用保険法とは?

雇用保険とは、日本における雇用保険法に基づく、失業・雇用継続等に関する保険の制度である。保険者は日本政府。財源は雇用者と雇用主が社会保険として負担するほか、国費投入もされている。つまり雇用保険は、労働保険のひとつで、いわゆる失業保険を中心とするものである。

1.〇 正しい。育児休業給付がある。雇用保険には、『育児・介護休業法』による育児休業期間中の所得保障として、育児休業給付がある。
2.× 雇用保険は、任意加入ではなく強制加入である。雇用保険などの社会保険は、原則として、要件に該当する者は全員加入しなければならない。
3.× 雇用保険の保険者(管掌者)は、市町村ではなく政府(国)である。
4.× 雇用保険料は全額を、労働者ではなく、労働者と事業主とで負担する。ちなみに、事業主負担分のほうが多く、折半ではない。また、労働者災害補償保険の保険料は、全額事業主負担である。

 

 

 

 

 

 

33 小学校の児童が石けんと流水を用いた手指衛生の手技を習得するために最も適切な学習方法はどれか。

1.動画を視聴する。
2.友人と話し合う。
3.手洗い場で体験する。
4.養護教諭の話を聞く。

解答3

解説

技術を習得するプロセスには、プラクティスが最も効果的とされる。プラクティスとは、「ある結果を得るのに最も効率のよい技法・手法・プロセス」のことであり、プラクティスを学んで実践適用して経験を積む方法である。したがって、選択肢3.手洗い場で体験することが小学校の児童が石けんと流水を用いた手指衛生の手技を習得するために最も適切な学習方法といえる。

1~2.4.× 動画を視聴する/友人と話し合う/養護教諭の話を聞くことも必要な要素ではあるが、実際に技術を模倣し体験することが最も適切な学習方法である。

 

 

 

 

 

 

34 呼吸音の変化と原因の組合せで正しいのはどれか。

1.呼気延長:胸水
2.呼吸音の減弱:過換気症候群
3.呼吸音の増強:無気肺
4.肺野での気管支呼吸音の聴取:肺炎

解答4

解説
1.× 胸水(肺と胸壁の間に水がたまる)が存在すると、呼気延長ではなく、「呼吸音の伝達が低下し、呼吸音が減弱」する。音による振動が伝わりにくくなるため。
2.× 過換気症候群は、呼吸音は、減弱ではなく影響しない。なぜなら、過換気症候群は、肺内には病変がないため。1回換気量と呼吸数の増加により分時換気量が増加する。
3.× 無気肺は、呼吸音の増強ではなく減弱である。ちなみに、無気肺とは気管支の閉塞などによって肺内の空気の出入りがなくなり、空気が抜けてしまった状態である。
4.〇 正しい。肺炎は、肺野での気管支呼吸音の聴取できる。なぜなら、肺炎が起こると肺の含気が減少し、肺実質の音の伝播が亢進するため。通常肺野では吸気の音は聴取されるが呼気の呼吸音はあまり聴取されない。

 

 

 

 

 

 

35 ヒューマンエラーを起こす人間の特性で認知的特性はどれか。

1.同僚への依存
2.睡眠不足による疲労
3.同じ作業の連続による注意力低下
4.パワーハラスメントによる心理的圧迫

解答3

解説

ヒューマンエラーとは?

ヒューマンエラーとは、人間の生まれながらに持つ諸特性と人間を取り巻く広義の環境により決定された行動のうち、ある期待され範囲ら逸脱もた範囲から逸脱したものである。人間の特性とエラー誘発環境は、①生理的身体的特性、②認知的特性、③集団的特性、④エラー誘発環境である。

1.× 同僚(他者)への依存は、人間関係が人の行動や判断に影響を及ぼす集団的特性である。
2.× 睡眠不足による疲労(肉体的疲労や精神的疲労による能力低下)は、生理的特性である。
3.〇 正しい。同じ作業の連続による注意力低下は、ヒューマンエラーを起こす人間の特性で認知的特性である。
4.× パワーハラスメントによる心理的圧迫は、心理的圧迫である。人は権威をもつ人からの指示・命令に対し、意思に反して従ってしまうなどして、ヒューマンエラーを起こすことがある。

 

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