第110回(R3) 看護師国家試験 解説【午後36~40】

 

36 エアマットレスの使用目的で適切なのはどれか。

1.体圧分散
2.体温管理
3.関節拘縮の予防
4.末梢循環の促進

解答1

解説

エアマットレスの使用目的

①自力で体位変換する能力がない場合。
②体位変換能カがあっても骨突出がある場合。

1.〇 正しい。体圧分散はエアマットレスの使用目的で適切である。円背や関節拘縮、顕著な骨突出がある場合にも高い体圧分散効果が期待できる。
2.× 体温管理の機能はない。ちなみに、体温管理機能があるのは、ウォーターマットレスである。
3.× 関節拘縮の予防の機能はない。ちなみに、関節拘縮の予防には、ポジショニング関節可動域訓練が効果的である。
4.× 末梢循環の促進の機能はない。ちなみに、末梢循環を促進させる方法として、①足趾の末梢循環障害の場合には温罨法部分浴、②下肢の静脈瘤やリンパ浮腫による静脈・リンパ環流障害の場合には弾性ストッキングの着用が有効である。

 

 

 

 

 

 

37 車椅子による移送で正しいのはどれか。

1.坂を上るときは、背もたれ側から進む。
2.段差を上るときは、小車輪を浮かせる。
3.方向転換をするときは、小車輪を支点にする。
4.乗り降りをするときは、フットレストを下げる。

解答2

解説
1.× 坂を上るときは、背もたれ側ではなく、前向きで進む。なぜなら、転落のリスクが少なく、また車椅子を押す力が伝わりやすいため。ちなみに、背もたれ側から進むのは、急な坂道を下るときである
2.〇 正しい。段差を上るときは、小車輪を浮かせる。なぜなら、そのまま進むと小車輪が段差に衝突し、小さな段差でも大きな衝撃となって患者に伝わってしまうため。
3.× 方向転換をするときは、小車輪ではなく大車輪を支点にする。なぜなら、方向転換する際は、重心を軸にして回転させると向きを変えやすいため。
4.× 乗り降りをするときは、フットレストを下げるのではなく上げておく。なぜなら、フットレストを下げた状態で乗り降りすると、足がフットレストに引っかかり転倒けがにつながるおそれがあり危険であるため。

 

 

 

 

 

 

38 成人の上腕での触診法による血圧測定で適切なのはどれか。

1.ゴム嚢中央が上腕の正中線に沿うように合わせる。
2.マンシェットの幅は13~17cmのものを使用する。
3.加圧後1秒ごとに10mmHg下がる速さで減圧する。
4.動脈の拍動が触知できなくなった値からさらに40mmHg加圧する。

解答2

解説

血圧測定

血圧測定には触診法と聴診法がある。

  • 触診法(収縮期血圧の測定)

①橈骨動脈(または肘窩上腕動脈)を触知し、70mmHgまで速やかに加圧する。
②脈を触知しなくなるまで、10mmHgずつ加圧する。
③脈を触知しなくなった点から、20~30mmHg加圧する。
④1拍動に2~4mmHgの速度で減圧する。
⑤脈が触れ始めた時点の圧を収縮期血圧とする。

  • 聴診法(収縮期血圧と拡張期血圧の測定)

①聴診器を肘窩上腕動脈の上に置く(マンシェットより末梢側)。
②触診法で確認した収縮期血圧の20~30mmHg上まで加圧する。
③1拍動につき2~4mmHgの速度で減圧する。
④コロトコフ音が聴こえ始めた時点の圧を収縮期血圧とする。
⑤1拍動につき2~4mmHgの速度で減圧を続ける。
⑥ コロトコフ音が聴こえなくなった時点の圧を拡張期血圧とする。

1.× ゴム嚢中央が、上腕の正中線ではなく「上腕動脈(上腕内側)」にかかるように巻く。
2.〇 正しい。マンシェットの幅は、13~17cm(成人のマンシェット幅は14cmが一般的)のものを使用する。マンシェット幅が狭いと実際より高く測定され、広いと低く測定される。
3.× 加圧後1秒ごとに、10mmHgではなく「2~4mmHg」下がる速さで減圧する。なぜなら、減圧速度が速いと目盛りの読み取りが追いつかず、実際よりも低い測定値となるため。
4.× 動脈の拍動が触知できなくなった値からさらに、40mmHgではなく「20~30mmHg」加圧する。減圧を開始すると、動脈拍動を触知できるようになる、その値が収縮期血圧である

 

 

 

 

 

 

39 経口薬と食品の関係について、正しいのはどれか。

1.テトラサイクリン系抗菌薬は牛乳の摂取によって吸収が高まる。
2.非ステロイド性抗炎症薬は炭酸飲料の摂取によって吸収が早まる。
3.抗ヒスタミン薬はアルコールの摂取によって副作用〈有害事象〉が出現しやすくなる。
4.キサンチン系気管支拡張薬は納豆の摂取によって副作用〈有害事象〉が出現しやすくなる。

解答3

解説

1.× テトラサイクリン系抗菌薬(ニューキノロン系抗菌薬)は、牛乳(カルシウム)の摂取によって吸収が高まるのではなく妨げられる
2.× 非ステロイド性抗炎症薬は、炭酸飲料の摂取によって吸収が早まるのではなく低下する。なぜなら、消炎鎮痛剤の多くは酸性であるため。
3.〇 正しい。抗ヒスタミン薬は、アルコールの摂取によって副作用〈有害事象〉が出現しやすくなる。抗ヒスタミン薬の中枢神経抑制作用が増強し、眠気・倦怠感などの副作用が強く現れる。ちなみに、内服薬はまたはぬるま湯で効果が現れるように設計されている。
4.× キサンチン系気管支拡張薬(テオフィリン)の薬剤添付文書には、①喫煙を控えること、②喫煙患者が急に禁煙した場合に、中毒症状が起こりやすいこと、③セイョウオトギリソウ含有食品(ハーブ系)の摂取に注意すると記載されている。ちなみに、納豆(ビタミンK)との関係で注意すべき経口薬は、ワルファリンカリウム(抗凝固薬)である。

 

 

 

 

 

 

40 夜勤帯に看護師が病棟のトイレ内で倒れている患者を発見した。呼びかけても反応がない。
 この看護師が最初に実施すべきなのはどれか。

1.脈拍を確認する。
2.胸骨圧迫を開始する。
3.トイレ内のナースコールで応援を呼ぶ。
4.自動体外式除細動器〈AED〉を取りに行く。

解答3

解説

(※画像引用:日本ACLS協会ガイド様HPより「BLSとは?」)

一時救命処置(BLS)とは?

一時救命処置(BLS)とは、Basic Life Supportの略称で、心肺停止または呼吸停止に対する一次救命処置のことである。正しい知識と適切な処置の仕方さえ知っていれば誰でも行うことができる。

1.周囲の安全を確認
救助者の安全を最優先し、二次災害を防ぐためにまずは周囲の安全を確認する。

2.緊急通報とAEDを要請
大声で叫んで助けを呼ぶなど、周囲の人に119番通報とAEDの手配を頼む。  

3.呼吸を確認
普通の呼吸が確認できたら、回復体位(横向き)にして救急車を待つ。
呼吸をしていない、もしくは正常な呼吸でない場合はCPRを開始する。

4.CPR(心肺蘇生法)を開始
胸骨圧迫からはじめる。人工呼吸ができるようなら行うが、胸骨圧迫のみでも構わない。 

5.(AEDが入手できた場合)AEDで解析する

1~2.4.× 脈拍を確認する/胸骨圧迫を開始する/自動体外式除細動器〈AED〉を取りに行くよりも選択肢の中に優先度が高いものがある。今回、病棟のトイレ内で起こっていることなので、1.周囲の安全を確認は行えている。次に、2.緊急通報とAEDを要請(大声で叫んで助けを呼ぶなど、周囲の人に119番通報とAEDの手配を頼む。)である。トイレ内にナースコールが設置されていれば、それを押して応援を呼ぶのが最も適切である。ナースコールで応援を呼んでいる間に、患者の状態(脈拍など)を確認し、つながった看護師にスムーズに情報を伝達できるとなおよい。ただし、これは一般的な一時救命処置(BLS)の手順である。
3.〇 正しい。トイレ内のナースコールで応援を呼ぶ。ナースコールで応援を呼び、除細動・救急カートの準備や質のよい蘇生治療を行うために人手を増やすことが、まず行うべき行動である。

 

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