第110回(R3) 看護師国家試験 解説【午後56~60】

 

56 フォローアップミルクで正しいのはどれか。

1.母乳の代替品である。
2.鉄分が添加されている。
3.離乳食を食べる直前に与える。
4.離乳食開始の時期から与え始める。

解答2

解説

フォローアップミルクとは?

フォローアップミルクとは、離乳食が頂調に進まない場合などに必要に応じて使用するものである。

1.× 母乳の代替品ではなく、離乳食が頂調に進まない場合などに必要に応じて使用するものである。フォローアップミルクは育児用ミルクではない。
2.〇 正しい。鉄分が添加されている。フォローアップミルクは、本来離乳食から得るべき鉄の摂取量を補足するため、鉄含有量は育児用ミルクの約1.4倍となっている。
3.× 離乳食を食べる直前に与えることはできない。なぜなら、フォローアップミルクは離乳食が順調に進まない場合に使用するものであるため。また、離乳食を食べる直前に与えると満腹により離乳食が進まなくなる可能性が高い。
4.× 与え始めるのは、離乳食開始の時期からではなく「生後9か月以降」である。なぜなら、このころから1日3回食となるため。

 

 

 

 

 

 

57 受精と着床についての説明で正しいのはどれか。

1.卵子が受精能をもつ期間は排卵後48時間である。
2.卵管采で受精が起こる。
3.受精卵は受精後4、5日で子宮に到達する。
4.受精卵は桑実腫の段階で着床する。

解答3

解説
1.× 卵子が受精能をもつ期間は、排卵後48時間ではなく「約24時間(1日)」である。ちなみに、精子が受精能をもつ期間は、体外への排出後48時間~72時間である。
2.× 受精が起こるのは、卵管采ではなく卵管膨大部である。卵巣から排卵された卵子は、卵管采にとらえられ卵管膨大部まで運ばれる。一方、膣内に射精された精子も、子宮腔、卵管を進み卵管膨大部へ到達する。
3.〇 正しい。受精卵は受精後4、5日で子宮に到達する。その後、受精後6~7日頃から子宮体部にある子宮内膜へ着床を開始する。
4.× 受精卵が着床する段階は、桑実腫ではなく、胚盤胞である。受精卵は分裂を繰り返しながら卵管内を通過し、割球が8~16個の桑の実のような外観の桑実胚の段階で子宮腔に到達する。さらに、桑実腫は内部に胞胚腔を形成した胚盤胞の状態となり子宮内膜に着床する。

 

 

 

 

 

 

58 母体保護法で規定されているのはどれか。

1.育児時間
2.生理休暇
3.受胎調節の実地指導
4.育児中の深夜業の制限

解答3

解説

母体保護法とは?

母体保護法とは、不妊手術及び人工妊娠中絶に関する堕胎罪の例外事項を定めること等により、母親の生命健康を保護することを目的とした法律である。1948年7月13日に公布された。 

1~2.× 育児時間/生理休暇は、労働基準法の女性労働者条項に規定されている。女性労働者条項は、他にも①妊産婦の危険有害業務の就業制限、②産前産後の就業禁止などがある。
3.〇 正しい。受胎調節の実地指導は、母体保護法に規定されている。そのほか、不妊手術や人工妊娠中絶についても定められている。
4.× 育児中の深夜業の制限は、『育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(育児・介護休業法)』に規定されている。小学校就学前までの子を療育する労働者が申し出た場合には、事業主は午後10時から午前5時までの間において労働させてはならない。

 

 

 

 

 

 

59 クラウス,M.H.とケネル,J.H.が提唱した紳(ボンディング)について適切なのはどれか。

1.生まれながらのものである。
2.母子間の同調性を意味する。
3.母子相互作用によって促進される。
4.親との間に子どもが築くものである。

解答3

解説

粋(ボンディング)とは?

赤ちゃんが生まれると、愛おしくなり、「我が子を守りたい」という気持ちが強く湧く。 このように、お母さんが自分の子どもに抱く気持ちのことを、お母さんから赤ちゃんへの「ボンディング」と呼ぶ。出生直後から始まる授乳や児の欲求に応じる母親や養育者のかかわりに対し、児が、微笑む・吸啜・泣く・声を出すなどの愛着行動を示すことで形成されていくものである。

1.× 生まれながらのものではない。二者間に生じる独自の関係性である。
2.× 紳(ボンディング)は、母子間の同調性を意味するものではない。ちなみに、コンドンとサンダーが提唱した同調現象(エントレインメント)は、母親や養育者の声の調子やリズム、行動や表情を、子が反応・模倣する相互同期性のことで、生まれて間もない時期からみられる。
3.〇 正しい。紳(ボンディング)は、母子相互作用によって促進される。クラウスとケネルは、産後早期から長く母子接触をすると、母子関係によい影響を与えると示した研究から、互いに見つめ合う・触れ合うなど、反応に呼応する母子相互作用によって母子の絆(ボンディング)が促進されると説いた。
4.× 親との間に子どもが築くものであるものではない。ちなみに、子ども側から親へ築く情緒的な結び付きは愛着(アタッチメント)という。粋(ボンディング)は、親側から子どもへ築く情緒的な結び付きである。

 

 

 

 

 

 

60 早産期の定義はどれか。

1.妊娠21週0日から36週6日
2.妊娠22週0日から36週6日
3.妊娠22週0日から37週6日
4.妊娠23週0日から37週6日

解答2

解説

分娩時期の分類

流産:妊娠21週6日までの妊娠中絶(分娩)。
早産:妊娠22週0日~36週6日における分娩。
正期産:妊娠37週0日~41週6日までの分娩。
過期産:42週0日以後の分娩。

2.〇 正しい。妊娠22週0日から36週6日は、早産期である。ちなみに、切迫早産とは、妊娠22週以降37週未満に下腹部痛、性器出血、破水などの症状に加えて、外測陣痛計で規則的な子宮収縮がみられ、内診では子宮口開大子宮頸管の展退などが認められ、早産の危険性が高いと考えられる状態である。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)