看護師国家試験解説 公式を使用した問題6選「まとめ・解説」

 

106回午前

31 腹部CTを下に示す。
 矢印で示す部位について正しいのはどれか。

1.肥満細胞で構成される。
2.厚さはBMIの算出に用いられる。
3.厚い場合は洋梨型の体型の肥満が特徴的である。
4.厚い場合はメタボリックシンドロームと診断される。

解答3

解説

1.× 矢印が指すのは、肥満細胞ではなく、皮下の脂肪組織である。肥満細胞は全身の粘膜下組織や結合組織などに存在する。肥満細胞は肥満とは関係がなく、IgE抗体を結合し、Ⅰ型(即時型)アレルギー反応を引き起こす。
2.× 皮下の脂肪組織の厚さは、BMIの算出に用いられない。BMIは、[体重÷身長の2乗]で求められる肥満度の指数である。
3.〇 正しい。厚い場合は、洋梨型の体型の肥満が特徴的である。皮下脂肪型肥満は洋梨型の体型、内臓脂肪型肥満はリンゴ型の体型が特徴である。
4.× メタボリックシンドロームは、皮下の脂肪組織が厚い場合に加えて条件がさらにある。メタボリックシンドロームの診断では、内臓脂肪面積(通常は腹囲で代用される)100cm2以上が必須の診断基準である。ほかにも血圧や血糖値,脂肪値などの診断も必要である。

 

 

 

 

106回午後

21 Kaup<カウプ>指数の計算式はどれか。

解答1

解説

カウプ指数は、乳幼児の発育状態の程度を表す指標である。

 

1.〇 正しい。体重(g)/身長(cm)2 × 10は、カウプ指数の計算式である。標準値は、15~19である。
2.× 体重(g)/身長(cm)3 × 104は、ローレル指数の計算式である。学童期以降の肥満の程度を示すものである。標準値は115~145である。
3.× 体重(kg)/身長(m)2は、BMIの計算式である。標準は22である。国際的に使われている世界共通の肥満度の指標である。
4.× 実測体重(kg)-標準体重(kg)/標準体重(kg)× 100は、肥満度を表す計算式である。±10%以内が理想である。小児の場合、肥満判定は幼児期で15%以上、学童期で20%以上である。

 

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105回午後

次の文を読み91〜93の問いに答えよ。
 Aさん(28歳、女性、会社員)は、夫と1歳の娘との3人で暮らしている。25歳のときに潰瘍性大腸炎と診断され、内服治療を続けてきた。Aさんは27歳で出産後、職場に復帰していたが3か月前から排便回数が増え、便に血液が混入するようになった。1週前から下痢が1日8〜10回あり、腹痛や発熱もみられ、外来受診したところ、潰瘍性大腸炎の再燃のため入院することになった。身長158.2cm、体重40.2kg。体温38.3℃、脈拍92/分、血圧108/76mmHgであった。血液検査データは、赤血球340万/μL、白血球9,800/μL、Hb7.8g/dL、アルブミン2.5g/dL、CRP5.5mg/dL。

91 Aさんの状態のアセスメントで適切なのはどれか。

1.BMIによる肥満度の判定基準では普通体重に該当する。
2.貧血は心不全の徴候を示している。
3.浮腫が出現する可能性がある。
4.脱水に陥る可能性は低い。

解答3

解説

潰瘍性大腸炎とは?

潰瘍性大腸炎とは、主に大腸の粘膜を侵し、再燃と寛解を繰り返す慢性のびまん性炎症性腸疾患である。

1.× BMIによる肥満度の判定基準では、普通体重ではなく低体重(18.5未満)に該当する。AさんのBMIは、40.2 ÷ (1.58)2=16.1であり、低体重(18.5未満)に該当する。ちなみに、BMIの計算方法は、BMI(kg/㎡)=体重(kg)÷ 身長(m)の2乗で求められる。
2.× 貧血は、心不全の徴候ではなく潰瘍性大腸炎のためと考えらえる。なぜなら、潰瘍性大腸炎の増悪により腸管粘膜が損傷してびらんや潰瘍となり、腸管内出血を起こしており、貧血となっていると考えられるため。
3.〇 正しい。浮腫が出現する可能性がある。なぜなら、Aさんのアルブミン値は2.5g/dL(低値)であるため。Aさんは腸管からの蛋白漏出により、低アルブミン血症を起こしていると考えられる。そのため、膠質浸透圧の低下により水分が間質に流出し、浮腫が出現する可能性がある。
4.× 脱水に陥る可能性は、低いのではなく高い。なぜなら、1週間前から1日8~10回の下痢症状が出現しているため。

低アルブミン血症の定義
  • 血清アルブミン値3.0g/dL以下

貧血の基準値

分類ヘモグロビン濃度
成人男性13g/dL未満
小児(6~14歳)~成人女性12g/dL未満
妊婦・幼児(6か月~6歳)11g/dL未満

 

 

 

 

108回午前

次の文を読み109〜111の問いに答えよ。
 Aさん(30歳、初産婦、会社員)は、夫と2人暮らし。妊娠38週6日で3,200g の児を正常分娩した。分娩後から母児同室を開始しており、母乳育児を希望している。

109 産褥2日。乳房の緊満はなく、熱感がある。初乳から移行乳へと変化している。Aさんの児の抱き方はぎこちなく、乳頭をくわえさせるのに時間がかかっている。産褥1日から2日にかけた24時間で、14回の直接授乳をしている。児の体重は3,060gで、体重減少率は4.4 %、排尿は3回/日、排便は2回/日である。Aさんは「あまり母乳が出ていないようですが、人工乳を足した方がよいですか」と看護師に相談した。
 この時、看護師がアセスメントする項目で最も重要なのはどれか。

1.直接授乳の回数
2.母乳の分泌状態
3.児の体重減少率
4.児の排泄状況

解答3

解説

1.× 直接授乳の回数だけでは、児がどれだけ母乳を飲めているか判断できない。産褥2日目の授乳回数として、少なくとも24時間で8回必要である。Aさんは、24時間で14回授乳できており、回数は適切である。
2.× 母乳の分泌状態だけでは、児がどれだけ母乳を飲めているか判断できない。また、初産婦で産褥2日目であり、現時点で分泌状態が悪くても問題はない。なぜなら、一般的に初産婦では、産褥2~3日頃に乳汁分泌が始まるため。
3.〇 正しい。児の体重減少率は、看護師がアセスメントする項目で最も重要である。なぜなら、児がどれだけ母乳を飲めているか判断できるため。新生児では母乳をうまく飲めないことも多く、児の脱水を防ぐため。Aさんの児の場合では、生後2日で体重減少率4.4%なので生理的体重減少の範囲内(5〜6%ほど)である。したがって、現時点では人工乳を追加する必要はないと考えられる。
4.× 児の排泄状況だけでは、児がどれだけ母乳を飲めているか判断できない。また、Aさんの児の場合では、排尿は3回/日、排便は2回/日である。出生後2日では、排尿回数は3回以上/日,排便回数は2回以上/日が目安となる。したがって、生理的体重減少の範囲内である。

 

 

 

 

107回午後

90 出生体重3,200gの新生児。日齢の体重は3,100gである。
 このときの体重減少率を求めよ。
 ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第位を四捨五入すること。
解答: ①.② %
選択肢①1~9、②1~9

解答①3、②1

解説

 新生児では、授乳が胎便の排出や排尿・不感蒸泄による体重減少に追いつかないことにより、生後3~5日頃までは生理的に体重が減少する。減少率とは、出生時体重からの減少の割合である。

 新生児の体重減少率(%)は、

(出生時の体重-現在の体重)÷ 出生時の体重×100

で算出される。

 

この場合は、

(3200-3100) ÷ 3200×100

=3.125(%)となる。

小数点以下第2位を四捨五入する。

なので、解答①3、②1となる。

 

MEMO

 生理的体重減少の範囲は、3~10%で、生後約1~2週間で出生時体重に戻る。10%以上体重が減少する場合、5日以上経過しても体重が増加しない場合は原因を検索し、その対処が必要である。

 

 

 

105回午後

52 乳児が1日に必要とする体重1kg当たりの水分量はどれか。

1.80mL
2.100mL
3.150mL
4.180mL

解答3

解説

 小児では、成人に比べ体重あたりの必要水分量が多い。その理由として2つ理由がある。①小児の成長には体重あたり多くのエネルギーと水分が必要であること。②細胞外液の割合が多く、また汗腺からの汗の分泌も多いために水分が失われやすいことなどが挙げられる。

 一方、成人ではー般に体重1.0kgあたり30~50mLが必要であり、小児では年齢や体重が小さいほど、体重1kgあたりの必要水分量は多くなる。乳児(生後1か月~1歳まで)は、離乳食が始まるまでは母乳またはミルクしか飲まない。

1.× (50~)80mLは、学童期(6~12歳)の1日必要水分量である。
2.× (80~)100mLは、幼児期(1~6歳)の1日必要水分量である。
3.〇 正しい。(100~)150mLは、乳児期(1か月~1歳)の1日必要水分量である。
4.× 180mLに、該当するライフサイクルはない。

 

 

 

次の文を読み97〜99の問いに答えよ。
 Aさん(82歳、女性)は、Alzheimerr(アルツハイマー)型認知症で、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準Ⅱb、要介護1である。息子と2人暮らしであったが、1年前から認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)に入所している。
 息子は仕事が忙しいため、2か月に1回面会に来所する。Aさんは2日前から活気がなくなり、食事量も減少した。本日、発熱や下痢を主訴に介護職員に付き添われて外来を受診した。外来の看護師が介護職員に普段の健康状態の把握の方法を尋ねると、1日1回の体温と血圧の測定、月1回の体重測定、レクリエーションへの参加の様子を確認しているという回答を得た。Aさんは、看護師の簡単な質問に答えることができる。
 身体所見:体温37.0 ℃、呼吸数24/分、脈拍72/分、血圧132/82 mmHg、呼吸音は異常なし。水様便が3回/日、濃縮尿、手指の冷感あり、顔色は不良。皮膚の乾燥あり。体重45.8 kg。
 検査所見:Ht 40%、白血球9,800/μL、尿素窒素25mg/dL。Na 150mEq/L、尿比重1.030。

99 入院後3日。Aさんは開始された食事を全量摂取し、活気が出てきた。Aさんは自ら水分を摂ることはなかったが、看護師がお茶を勧めると、少量ずつ摂取している。体重47kg。Aさんの尿の性状は淡黄色で尿臭はなく、血液検査データは改善して基準値となったため、点滴静脈内注射が中止となり、退院が決まった。
 Aさんが外来受診時と同じ状態を起こさないために、看護師が介護職員に伝える予防策で適切なのはどれか。

1.室温は30℃に保つ。
2.8g/日の食塩を摂取する。
3.カフェインを含む水分を摂取する。
4.熱の放散を抑制する衣類を選択する。
5.食事を含めて1,300mL/日の水分を摂取する。

解答5

解説

1.× 室温は、30℃だと高すぎる。なぜなら、室温は、夏季は22~26℃で、冬季は18~22℃に設定することが推奨されているため。2.× 8g/日の食塩の摂取は多すぎる。なぜなら、日本人の食事摂取基準(2015年版)(厚生労働省)によると、食塩摂取の目標量は70歳以上の女性では7.0g/日未満であるため。また本症例は、血清ナトリウム値が高い高張性脱水を起こしていたので、同じ状態にならないよう、塩分の摂取を勧めるより水分の摂取を勧めるべきである。
3.× カフェインを含む水分を摂取は控える方が良い。なぜなら、カフェインには利尿作用があり脱水を助長するため。
4.× 熱の放散を抑制ではなく、促進する衣類を選択する。なぜなら、熱の放散を抑制する衣類は、暖かいという利点があるが、発汗が増えるため、脱水を助長する可能性があるため。
5.〇 正しい。食事を含めて1,300mL/日の水分を摂取する。高齢者の1日の必要水分量は、「25~30(mL)× 体重(kg)」で求められる。これに当てはめると、本症例の1日に必要な水分量は、1145~1374mLである。

 

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