第20回(H24年)はり師きゅう師国家試験 解説【午後106~110】

この記事には広告を含む場合があります。

記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。

 

106.経絡の概要について正しい記述はどれか。

1.奇経八脈は帯脈を除き上行性の流注である。
2.脾の大絡は脾経の公孫から分かれ出る絡脈である。
3.十二経筋は臓腑に連絡する。
4.孫絡は正経十二経脈から分かれた支脈である。

解答

解説
1.〇 正しい。奇経八脈は、帯脈を除き上行性の流注である。奇形八脈は、督脈・任脈・衝脈・帯脈・陽蹻脈・陰蹻脈・陽維脈・陰維脈がある。

2.× 脾の大絡は、脾経の「公孫」ではなく大包から分かれ出る絡脈である。
・公孫は、足内側、第1中足骨底の前下方、赤白肉際に位置する。
・大包は、側胸部、第6肋間、中腋窩線上に位置する。

3.× 十二経筋は、「臓腑」ではなくに連絡する。十二経筋とは、十二経脈に相い応じた筋肉の部分をいう。経絡とは、違って触れたり、見たりすることの出来る。経筋は、「人体の骨格を結ぶ靭性のある帯状のもの」と定義されている。ちなみに、各臓腑(五臓六腑)と深く関連し、気血の流れを主るのは、「正経(十二経脈) 」である。

4.× 正経十二経脈から分かれた支脈であるのは、「孫絡」ではなく絡脈である。孫絡は、分布領域に沿って拡散して存在する細かい絡脈である。

 

 

 

 

 

107.骨度法で殿溝から膝窩までの長さはどれか。

1.1尺2寸
2.1尺4寸
3.1尺8寸
4.2尺

解答

解説
1.× 1尺2寸は、足指尖から踵(足底)までの長さに該当する。

2.〇 正しい。1尺4寸は、骨度法で殿溝から膝窩までの長さである。

3.× 1尺8寸は、恥骨結合上縁~膝蓋骨上縁までの長さに該当する。

4.× 2尺に該当する長さのものはない。

骨度法とは?

骨度法とは、骨を基準にして、身体各所の長さを尺寸によって定める方法である。

骨度法:1尺10寸、1寸10分
【頭顔面部】
前髪際中点~後髪際中点:1尺2寸
眉間~前髮際中点:3寸
両額角際間:9寸
両乳様突起間:9寸

【胸腹部】
頸切痕~胸骨体端:9寸
胸骨体下端~臍中央:8寸
臍中央~恥骨結合上縁:5寸
両乳頭間:8寸

【上肢】
左右の肩甲棘内端縁間:6寸
中指尖~手関節横紋:8寸5分
腋窩横紋前端または後端~肘窩:9寸
肘窩~手関節横紋:1尺2寸

【下肢】
恥骨結合上縁~膝蓋骨上縁:1尺8寸
膝蓋骨尖~内果尖:1尺5寸
脛骨内側顆下縁~内果尖:1尺3寸
脛骨内側顆下縁~膝蓋骨尖:2寸
大転子頂点~膝窩:1尺9寸
殿溝~膝窩:1尺4寸
膝窩~外果尖:1尺6寸
内果尖~足底:3寸
足指尖~踵(足底):1尺2寸

 

 

 

 

 

108.関門と同じ高さに取穴する経穴はどれか。

1.関元
2.下脘
3.腹哀
4.陰都

解答

解説

関門と同じ高さ

関門は、上腹部、臍中央の上方3寸、前正中線の外方2寸に位置する。

他にも、臍中央の上方3寸は、建里、石関、腹哀があげられる。

1.× 関元は、下腹部、前正中線上、臍中央の下方3寸に位置する。

2.× 下脘は、上腹部、前正中線上、臍中央の上方2寸に位置する。

3.〇 正しい。腹哀は、関門と同じ高さに取穴する経穴である。
腹哀は、上腹部、臍中央の上方3寸、前正中線の外方4寸に位置する。

4.× 陰都は、上腹部、臍中央の上方4寸、前正中線の外方5分に位置する。

 

 

 

 

 

109.前正中線から最も離れているのはどれか。

1.肺の募穴
2.大腸の募穴
3.肝の募穴
4.胆の募穴

解答

解説
1.〇 正しい。肺の募穴は、前正中線から最も離れている。肺の募穴は、中府である。中府は、前胸部、第1肋間と同じ高さ、鎖骨下高の外側、前正中線の外方6寸に位置する。

2.× 大腸の募穴は、天枢である。天枢は、上腹部、臍中央の外方2寸に位置する。

3.× 肝の募穴は、期門である。期門は、前胸部、第6肋間、前正中線の外方4寸にある。

4.× 胆の募穴は、日月である。日月は、前胸部、第7肋間、前正中線の外方4寸※女性では、鎖骨中線と第7肋間との交点に位置する。

 

 

 

 

 

110.取穴法で舌骨を指標とする経穴はどれか。

1.水突
2.天窓
3.人迎
4.廉泉

解答

解説
1.× 水突は、前頸部、輪状軟骨と同じ高さ、胸鎖乳突筋の前緑に位置する。胸鎖乳突筋をはさんで、天鼎(大腸経)と同じ高さにあたる。

2.× 天窓は、前頸部、胸鎖乳突筋の後縁、甲状軟骨上縁と同じ高さに位置する。取穴部位が後頸三角の領域にある。

3.× 人迎は、前頸部、甲状軟骨上緑と同じ高さ、胸鎖乳突筋の前縁、総頚動脈上に位置する。扶突(大腸経)の内方にあたる。

4.〇 正しい。廉泉は、取穴法で舌骨を指標とする経穴である。廉泉は、前頸部、前正中線上、喉頭隆起上方、舌骨の上方陥凹部である。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)