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151.艾燃焼時の特有の芳香はどれによるか。
1.葉緑素
2.毛茸
3.夾雑物
4.腺毛
解答4
解説
1.× 葉緑素とは、植物の細胞の中にある緑色の色素である。日光のエネルギーにより、炭酸ガスと水とから炭水化物を作る作用をする。
2.× 毛茸は、トライコームと呼ばれる植物の表面に生えている細かい産毛のことで、葉を害虫から守ったり、水分の蒸発を防ぐ役割がある。
3.× 夾雑物とは、その物の中に異質な物が入り混じることである。
4.〇 正しい。腺毛は、艾燃焼時の特有の芳香である。腺毛には、揮発性精油(主成分はチネオール:シネオール)が含まれ、燃焼時に芳香がある。
152.灸術の種類で正しい組合せはどれか。
1.棒灸:温灸
2.紅灸:隔物灸
3.八分灸:透熱灸
4.糸状灸:知熱灸
解答1
解説
隔物灸は、艾炷と皮膚の間に物を置いて施灸する方法である。塩灸、韮灸、墨灸、ニンニク灸、味噌灸、生姜灸、ビワの葉灸、押灸など。
1.〇 正しい。棒灸:温灸
棒灸は、温灸のひとつで、艾を皮膚から距離を置いて燃焼させ、輻射熱で温熱刺激を与える方法である。棒灸のほかにも、温灸器、温筒灸、艾条灸などがある。
2.× 紅灸は、「隔物灸」ではなく薬物灸に該当する。
薬物灸は、艾を使用せず、薬物を塗布して刺激を皮膚に加える方法ある。紅灸、うるし灸、油灸、硫黄灸など。
3.× 八分灸は、「透熱灸」ではなく知熱灸に該当する。
・知熱灸は、半米粒~米粒大の艾炷に点火し、患者の気持ちの良い所で消火もしくは取り除く方法である。※8割燃焼→八分灸
4.× 糸状灸は、「知熱灸」ではなく透熱灸に該当する。
・透熱灸は、良質艾を米粒大前後で円錐形に捻り、経穴や圧痛点など皮膚上の治療点に直接施灸する。糸状灸も含まれる。
153.透熱灸を避けるべき部位はどれか。
1.頭頂部
2.顔面部
3.下腹部
4.殿部
解答2
解説
透熱灸は、良質艾を米粒大前後で円錐形に捻り、経穴や圧痛点など皮膚上の治療点に直接施灸する。糸状灸も含まれる。
1.3~4.× 頭頂部/下腹部/殿部は、透熱灸を実施できる。
2.〇 正しい。顔面部は、透熱灸を避けるべき部位である。一般的に灸の避けるべき部位は、顔面、化膿を起こしやすい部位、浅層に大血管がある部位、皮膚病患部などへの直接灸などである。
鍼:新生児の大泉門、外生殖器、臍部、眼球、急性炎症の患部など。
※肺、胸膜、心、腎、中枢神経系、大血管などへの刺鰄は注意が必要
灸:顔面、化膿を起こしやすい部位、浅層に大血管がある部位、皮膚病患部などへの直接灸など。
154.有痕灸を行う場合、最も注意しなければならない疾患はどれか。
1.骨粗鬆症
2.更年期障害
3.糖尿病
4.過敏性腸症候群
解答3
解説
鍼:新生児の大泉門、外生殖器、臍部、眼球、急性炎症の患部など
※肺、胸膜、心、腎、中枢神経系、大血管などへの刺鰄は注意が必要
灸:顔面、化膿を起こしやすい部位、浅層に大血管がある部位、皮膚病患部などへの直接灸など
1.〇 骨粗鬆症より優先度が高いものが他にある。骨粗鬆症とは、骨量が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気である。原因として、閉経による女性ホルモンの低下や運動不足・喫煙・飲酒・栄養不足・加齢などである。骨粗鬆症の患者は、わずかな外力でも容易に圧迫骨折(特に胸腰椎)、大腿骨頚部骨折、橈骨遠位端骨折を起こしやすい(※参考:「骨粗鬆症」日本整形外科学会様HPより)。
2.〇 更年期障害より優先度が高いものが他にある。更年期障害とは、更年期に出現する器質的な変化に起因しない多彩な症状によって、日常生活に支障をきたす病態と定義される。更年期症状は大きく、①自律神経失調症状、②精神神経症状、③その他に分けられるが、各症状は重複して生じることが多い。治療の一つに、ホルモン補充療法(HRT)があげられる。
3.× 糖尿病は、有痕灸を行う場合、最も注意しなければならない疾患である。なぜなら、糖尿病に対して、壊疽や感染症の可能性があるため。1型糖尿病とは、原因が自己免疫異常によるインスリン分泌細胞の破壊などがあげられる糖尿病である。小児~思春期の発症が多く、肥満とは関係ないのが特徴である。一方、2型糖尿病の原因は生活習慣の乱れなどによるインスリンの分泌低下である。
4.〇 過敏性腸症候群より優先度が高いものが他にある。過敏性腸症候群とは、通常の検査では腸に炎症・潰瘍・内分泌異常などが認められないにも関わらず、慢性的に腹部の膨張感や腹痛を訴えたり、下痢や便秘などの便通の異常を感じる症候群である。腸の内臓神経が何らかの原因で過敏になっていることにより、引き起こされると考えられている。それぞれタイプが存在し、①下痢型(ストレスや緊張などのわずかなきっかけによって腹痛と激しい便意とともに下痢を生じる)、②便秘型(便秘に伴ってお腹の張りなどの症状が起こる)、③混合型(便秘と下痢が交互に繰り返すもの)がある。
臓器や重要組織を損傷するあるいはその危険性が極めて高い部位、または病状を悪化させる可能性がある部位への施術は行ってはならない。
①新生児の大泉門・小泉門、外生殖器、乳頭、臍部、眼球、化膿部、急性炎症の患部、大血管、体腔内臓器、中枢神経、悪性腫瘍部に対して、刺鍼をしてはならない。
②顔面部、外生殖器、乳頭、臍部、化膿部、悪性腫瘍部、急性炎症の患部、皮膚病の患部に対して、直接灸(有痕灸)をしてはならない。
③上記部位の近傍に施術する場合も、特段の注意を払うべきである。
(※引用:「鍼灸安全対策ガイドライン2020 年版」公益社団法人 全日本鍼灸学会より)
155.灸痕化膿の予防法で正しいのはどれか。
1.灸痕部の痂皮を掻爬しない。
2.艾炷の底面積を大きくする。
3.壮数を重ねる場合、施灸部を少しずつずらす。
4.施灸後、施術部をラビング法で消毒する。
解答1
解説
原因:水疱・痂皮の破壊、不完全な消毒、体質、免疫力低下など
予防:同一点への施灸、艾炷を大きくしない、灸痕を破壊しない、消毒の反復など
1.〇 正しい。灸痕部の痂皮を掻爬しない。痂皮は創部を保護し、感染を防ぐ役割を果たす。したがって、掻爬すると、化膿や感染のリスクが高まる。ちなみに、掻破とは、皮膚をかき壊す、かきむしる行動を伴う皮膚の不快な感覚のことである。掻破は、皮膚から異物を物理的に除去し、痒みのない元の状態に戻そうとする反応である。
2.× 艾炷の底面積は、「大きく」ではなく小さく(適切な大きさ)する。なぜなら、艾炷の底面積を大きくすると、熱量が増え、皮膚に過剰な熱刺激が加わることで火傷のリスクが高まるため。したがって、化膿するリスクも上がる。
3.× 壮数を重ねる場合、施灸部を「少しずつずらす」のではなく同一点へ施灸する。
4.× 施灸後、施術部を「ラビング法」ではなくスワブ法で消毒する。ラビング法とは、擦式法ともいい、アルコール擦式製剤を手掌にとり、乾燥するまで擦り込んで消毒する方法である。一方、スワブ法とは、拭き取り法ともいい、物体表面の付着微 生物を拭き取って捕捉する方法である。