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96.食滞について誤っている記述はどれか。
1.食を嫌う。
2.呑酸がある。
3.大便に酸臭がある。
4.消渇が起こる。
解答4
解説
食滞(胃脘)は、腹部脹痛、噯気、悪心嘔吐、拒按、便秘、失気の回数増、脈弦滑などが生じる。
1~3.〇 食を嫌う。呑酸(口腔内への胃酸逆流によって、苦みや酸っぱみを感じたり、そのようなげっぷが出ること)がある。大便に酸臭がある。
これらは、食滞の症状である。
4.× 消渇が起こる。
消渇の特徴は、多飲、多食、多尿で糖尿病を指す言葉である。
97.次の文で示す経脈病証に用いる経穴について適切なのはどれか。
「舌の根元の痛み、腹部膨満感、下痢、全身倦怠感、下肢内側の痛み。」
1.太渓
2.衝陽
3.太白
4.侠渓
解答3
解説
・舌の根元の痛み、腹部膨満感、下痢、全身倦怠感、下肢内側の痛み。
→本症例は、足の太陰脾経の病証が疑われる。
1.× 太渓は、足の少陰腎経である。
・太渓は、足関節後内側、内果尖とアキレス腱の間の陥凹部に位置する。
・足の少陰腎経の病証は、空腹感があるが食べられない。顔面が黒くすすけて艶がない。咳をして唾を吐くと血が混じっている。咳をしてあえぐ。目がボーっとしてハッキリしない、不安感や煩悶感を覚え、よく恐れを抱き、恐れたり、驚いたり、不安を覚えたりする。口の中や喉の渇き上実下虚になり、咽頭が乾いたり痛んだりする。足底全体に熱感を感じて痛む。
2.× 衝陽は、足の陽明胃経である。
・衝陽は、足背、第2中足骨底部と中間楔状骨の間、足背動脈拍動部に位置する。
・足の陽明胃経の病証は、顔面神経麻痺、喉や膝の皿が腫れたり痛んだりする。胃腸が張る。気衝~髀関、足の甲と流注上に痛みや熱感が出る。食べても食べてもお腹が空き、濃黄色の小便が出る。びっくりして不安な状態になる。独り塞ぎこんで窓を閉め家の中に閉じこもっている。高い所に登って歌を歌いだす。羞恥心を無くしたように裸になって走り出す。
3.〇 正しい。太白は、経脈病証(足の太陰脾経)に用いる経穴である。
・太白は、足内側、第1中足指節関節の近位陥凹部、赤白肉際に位置する。
・足の太陰脾経の病証は、舌が強ばりやすくなり、食べるとからえずきし、胃の辺りが痛み、腹部が張ってよくゲップが出る。大便や放屁すると今まであった不快感がなくなり楽になる。身体全体が重くなる。舌本が痛み、身体が動かしにくく、食べた物がつかえてなかなか下に降りていかない。横になっても不快感や胸苦しさで寝付きが悪くなり、無理に立とうとすると膝の内側が腫れて引きつってくる。足の親指が動かしにくい。
4.× 侠渓は、足の少陽胆経である。
・侠渓は、足背、第4~5指間、みずかきの近位、赤白肉際に位置する。
・足の少陽胆経:口苦が起こり、大きなため息をつく、寝返りが打てない。顔に少し垢が付いたように黒くなる。体の艶が無くなる。足外反しほてる。頭やエラの所が痛む。まなじりが痛む。首に結核性のリンパ節炎ができる。往来寒熱の状態になり、あらゆる関節が痛む。
98.一定の時刻に発熱する特徴をもつのはどれか。
1.壮熱
2.潮熱
3.但熱不寒
4.往来寒熱
解答2
解説
1.× 壮熱とは、高熱(身熱)が続き、悪寒せず悪熱するものである。裏実熱証などでみられる。
2.〇 正しい。潮熱は、一定の時刻に発熱する特徴をもつ。潮熱とは、潮の満ち引きのように、ある一定の時間になると熱を感じるもの。陰虚や陽明の熱などでみられる。
3.× 但熱不寒とは、熱症状があるが、寒症状はないものである。壮熱、長期微熱、潮熱がある。
4.× 往来寒熱とは、悪寒と熱感が交互にやってくる状態である。風邪をひいたときの症状である。
99.「45歳の男性。首や肩のこりが強く、寝汗をよくかき熟睡できない。便が硬く排便しづらい。」
最も考えられる病証はどれか。
1.気虚証
2.血虚証
3.陽虚証
4.陰虚証
解答4
解説
・45歳の男性。
・首や肩のこりが強く、寝汗をよくかき熟睡できない。
・便が硬く排便しづらい。
→本症例は、陰虚証が疑われる。ほかの選択肢の消去理由もあげられるようにしよう。
1.× 気虚証は、倦怠感、無力感、眩暈、息切れ、懶言、自汗、易感冒などをいう。
2.× 血虚証は、眩暈、顔面蒼白、動悸、不眠、健忘、目のかすみ、しびれ、痙攣、月経痛、経少、経色淡白、視力減退、爪の変形など。
3.× 陽虚証(虚寒)は、寒証+気虚症状。寒がり、四肢の冷え、顔面蒼白、下痢、白色帯下、腹痛、自汗、倦怠感、息切れ、食欲不振、脈遅・弱など
4.〇 正しい。陰虚証は、最も考えられる病証である。陰虚証(陰熱)は、ほてり、のぼせ、五心煩熱、手足身熱、盗汗、頬部紅潮、消痩、潮熱、舌質(紅)、舌苔(少)、脈(細脈)など。
100.「45歳の男性。首や肩のこりが強く、寝汗をよくかき熟睡できない。便が硬く排便しづらい。」
この患者の舌の所見と脈状との組合せで正しいのはどれか。
1.胖舌:結脈
2.痩舌:滑脈
3.紅舌:細脈
4.淡舌:弦脈
解答3
解説
・45歳の男性。
・首や肩のこりが強く、寝汗をよくかき熟睡できない。
・便が硬く排便しづらい。
→本症例は、陰虚が疑われる。陰虚(陰熱)は、ほてり、のぼせ、五心煩熱、手足身熱、盗汗、頬部紅潮、消痩、潮熱、舌質(紅)、舌苔(少)、脈(細脈)などである。
1.× 胖舌:結脈
・胖大は、陽虚、痰湿の停滞にみられる。
・結脈とは、脈が一拍欠落する不整脈のことである。決まった法則性はなく、ゆるやかな脈で、時々止まる。主に陰寒や積滞内阻による。
2.× 痩舌:滑脈
・瘦薄は、気血不足、陰虚にみられる。
・滑脈は、痰湿、食滞で起こる。滑脈は、脈の流れが滑らかで、円滑に指に触れるものを指す。
3.〇 正しい。紅舌:細脈
本症例は、陰虚が疑われる。陰虚(陰熱)は、ほてり、のぼせ、五心煩熱、手足身熱、盗汗、頬部紅潮、消痩、潮熱、舌質(紅)、舌苔(少)、脈(細脈)などである。
・紅・絳は、実熱、陰虚による熱証でみられる。
・細脈は、血虚でみられ、脈幅が小さく細いが、指にはっきり感じられるものである。
4.× 淡舌:弦脈
・淡紅は、正常、表証(外感病の初期)である。一方、淡白の場合、気血不足、寒証にみられる。
・弦脈は、肝胆病、痛証、痰飲で起こり、琴の弦に触れたような、長く真っすぐで緊張したものを指す。