第21回(H25年)はり師きゅう師国家試験 解説【午後151~155】

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151.毛茸について正しい記述はどれか。

1.黄色の毛である。
2.ヨモギの葉の表に密生する。
3.T字形をしている。
4.揮発性の精油が含まれている。

解答

解説

艾の製造

①ヨモギを採集(5~8月頃)→②葉を乾燥→③石臼でひく→④篩(長唐箕(けんどん))にかける→⑤唐箕で不純物を除去する。
※ヨモギ:キク科の多年生植物。生産量は新湯県が最も多い。

1.× 必ずしも黄色の毛だけとはいえない。毛茸の色は植物種によって異なり、主に白色である。場合によっては、透明や少し黄色味を帯びることもある。

2.× ヨモギの葉の場合は、「表」ではなくに密生する。一般的に、「ヨモギ」ではなくトライコームの葉の表に密生する。毛茸は、トライコームと呼ばれる植物の表面に生えている細かい産毛のことで、葉を害虫から守ったり、水分の蒸発を防ぐ役割がある。

3.〇 正しい。T字形をしている。ヨモギの葉の裏面にある毛茸は、T字形をしている。

4.× 揮発性の精油が含まれているのは、腺毛である。精油を多く含むのは、ヨモギの葉裏にある腺毛である。ヨモギの葉の裏面には毛茸が多い。

 

 

 

 

 

152.良質艾の条件で正しい記述はどれか。

1.繊維が細かく軟らかい。
2.主な構成物は葉脈である。
3.灰分の含有量が多い。
4.黒褐色である。

解答

解説

艾の良否鑑別

良質艾:芳香、手触り良く柔らかい、線維が細かい、夾雑物が少ない、淡黄白色、煙と灰が少ない、熱感が緩和(燃焼温度が低い)、燃焼時間が短い、よく乾燥している、など

粗悪艾:青臭い、手触りが悪く固い、線維が粗い、夾雑物が多い、黒褐色、煙と灰が多い、熱感が強い(燃焼温度が高い)、燃焼時間が長い、湿気を帯びている、など

1.〇 正しい。繊維が細かく軟らかい。これは、良質艾の特徴である。

2.× 主な構成物は葉脈である。これは、粗悪艾の特徴である。葉脈とは、葉身の中にある維管束のことで、葉の表面にみえる筋はこの維管束の存在によって出来ている。けんどん(篩、長唐箕)により、葉脈を除去する。

3~4.× 灰分の含有量が多い/黒褐色である。
これらは、粗悪艾の特徴である。

 

 

 

 

 

153.次の文で示す状況はどの熱傷深達度に該当するか。「施灸後に局所の発赤とわずかな痛みがある。」

1.Ⅰ度熱傷
2.浅達性Ⅱ度熱傷
3.深達性Ⅱ度熱傷
4.Ⅲ度熱傷

解答

解説
1.〇 正しい。Ⅰ度熱傷は、この状況(施灸後に局所の発赤とわずかな痛み)の熱傷深達度に該当する。
・Ⅰ度:【深さ】表皮【症状】発赤、熱感、軽度の腫脹と疼痛、水泡形成(ー)【治癒】数日間、瘢痕とはならない。

2.× 浅達性Ⅱ度熱傷
・Ⅱ度:【深さ】真皮浅層(SDB)【症状】強い疼痛、腫脹、水泡形成(水泡底は赤色)【治癒】1~2週間、瘢痕再生する。

3.× 深達性Ⅱ度熱傷
・Ⅱ度:【深さ】真皮深層(DDB)【症状】水泡形成(水泡底は白色、もしくは破壊)、知覚は鈍麻【治癒】3~4週間、瘢痕残す、感染併発でⅢ度に移行。

4.× Ⅲ度熱傷
・Ⅲ度:【深さ】皮下組織【症状】疼痛(ー)、白く乾燥、炭化水泡形成はない【治癒】一か月以上、小さいものは瘢痕治癒、植皮が必要。

熱傷の分類

Ⅰ度:【深さ】表皮【症状】発赤、熱感、軽度の腫脹と疼痛、水泡形成(ー)【治癒】数日間、瘢痕とはならない。
Ⅱ度:【深さ】真皮浅層(SDB)【症状】強い疼痛、腫脹、水泡形成(水泡底は赤色)【治癒】1~2週間、瘢痕再生する。
Ⅱ度:【深さ】真皮深層(DDB)【症状】水泡形成(水泡底は白色、もしくは破壊)、知覚は鈍麻【治癒】3~4週間、瘢痕残す、感染併発でⅢ度に移行。
Ⅲ度:【深さ】皮下組織【症状】疼痛(ー)、白く乾燥、炭化水泡形成はない【治癒】一か月以上、小さいものは瘢痕治癒、植皮が必要。

 

 

 

 

 

154.良質艾で同じ大きさの艾炷3壮を施灸する場合、刺激を弱くできるのはどれか。

1.湿った艾を使用する。
2.灰を一々除去して行う。
3.艾炷を軟らかくひねる。
4.燃焼時に風を送る。

解答

解説

刺激量を決める要因

鍼:①使用する鍼②運鍼の速度③激時間④手技(※刺激強:長く太い鍼、刺入・抜去の速度が急、長時間の刺激、動謡の大きな手技)

灸:①艾炷の大小②ひねりの硬軟③数④施灸法(※刺激強:艾炷が大きい、ひねりが硬い、壮数が多い)

1.〇 正しい。湿った艾を使用することにより、刺激を弱くできる。なぜなら、湿気により燃焼が遅くなるため。したがって、熱刺激が穏やかになる。

2.× 灰を一々除去して行うことにより、刺激を強くなる。なぜなら、灰を除去すると、燃焼がよりスムーズになり、艾炷の燃焼が促進されるため。

3.△ 艾炷を軟らかくひねることにより、刺激を弱くできる。なぜなら、艾炷を柔らかくひねると、密度が低くなり、燃焼が緩やかになる(※ただし、艾炷を軟らかくひねることにより、刺激を強くなるといった報告もある。)。

4.× 燃焼時に風を送ることにより、刺激を強くなる

 

 

 

 

 

155.灸あたりで見られる症状はどれか。

1.ふるえ
2.疲労感
3.湿疹
4.しびれ

解答

解説

灸あたり(瞑眩)

症状:施灸直後または翌日から数時間~数十時間、全身倦怠感、脱力感、頭重、めまい、悪寒、発熱、嘔気などをみるが、その後、愁訴は急速に軽減・消失する。
原因:総刺激量の過剰などが要因と考えられている。
処置:安静臥床、予防では刺激量の調節や精神的安定を図る。

1.× ふるえの主な原因として、緊張や寒さのほか、Parkinson病などが考えられる。

2.〇 正しい。疲労感は、灸あたりで見られる症状である。

3.× 湿疹とは、科学的物質や花粉で皮膚が炎症している状態である。

4.× しびれの主な原因として、神経障害やストレスなどが考えられる。

 

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