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31.細胞小器官とその働きとの組合せで正しいのはどれか。
1.リボゾーム:蛋白質合成
2.リソソーム:遺伝情報伝達
3.中心体:物質運搬
4.ゴルジ装置:細胞分裂
解答1
解説
細胞は、核と細胞質からなり、細胞膜で覆われている。細胞膜は、リン脂質2重層から構成されており、この中に特殊なタンパク質(受容体、酵素、担体、チャネルなど)がはめ込まれている。脂溶性物質やガス(酸素や二酸化炭素)は、細胞膜を自由に通過できるが、水溶性物質(電解質や栄養素)は、通過できない。
・DNAとは、デオキシリボ核酸の略で、生物生存のための遺伝情報を担うとともにたんぱく質の合成を指令している物質である。
・RNAとは、リボ核酸の略で、DNA(デオキシリボ核酸)とともに遺伝物質であり、細胞の設計図であるDNAの指示のもと、タンパク質を合成する働きをする。
1.〇 正しい。リボゾーム:蛋白質合成
リボゾームとは、遺伝子(mRNA)情報をもとに、タンパク質を合成する場所である。
2.× 遺伝情報伝達は、「リソソーム」ではなく細胞核である。
・リソソームとは、細胞質内代謝物の消化と貯蔵に関与する細胞小器官である。
3.× 物質運搬は、「中心体」ではなくゴルジ装置である。
・Golgi装置とは、蛋白質を修飾する。リボソームで生成され送り込まれてきた蛋白質に糖鎖を付け加える、濃縮するなどの修飾をする機能を持つ。
4.× 細胞分裂は、「ゴルジ装置」ではなく中心体である。
・中心体とは、細胞内小器官の1つであり、細胞分裂の際、二つに分かれて細胞の両極に行き、これを中心として染色体群が移動する。細胞分裂の中心的な役割を果たすと考えられる顆粒で、細胞内微小管の重合、配向を制御することにより、 細胞内輸送、細胞形態、極性、運動など、幅広い細胞事象の制御に関わる。
32.妊娠を繰り返すにつれて母体の抗Rh抗体産生が起こりやすくなる組合せはどれか。
1.Rh-形の女性:Rh-形の男性
2.Rh-形の女性:Rh+形の男性
3.Rh+形の女性:Rh-形の男性
4.Rh+形の女性:Rh+形の男性
解答2
解説
抗Rh抗体とは、Rh(+)の人の血液とRh(-)の人の血液を混ぜたときに作られる抗体で、Rh(+)の人の血液を固めたり溶血させたりする働きがある。
1.× Rh-形の女性:Rh-形の男性
これは、お互い̠「Rh-」であるため、必ずRh-になる。
2.〇 正しい。Rh-形の女性:Rh+形の男性
これは、妊娠を繰り返すにつれて母体の抗Rh抗体産生が起こりやすくなる組合せである。なぜなら、母体がRh陰性(Rh因子を持たない)の場合、胎児がRh陽性(Rh因子を持つ)であると、胎児の赤血球が母体の免疫系に「異物」として認識される可能性があるため。この場合、母体が胎児のRh因子に対する抗体(抗Rh抗体)を産生することがある。
3.× Rh+形の女性:Rh-形の男性
Rh+の母親はRh抗原を持っているため、Rh-の胎児がいても免疫系が胎児の赤血球を異物として認識することはない。
4.× Rh+形の女性:Rh+形の男性
Rh+の母親は、Rh抗原に対して自己耐性を持っているため、Rh+の胎児がいても抗体産生は起こらない。
33.徐脈がみられるのはどれか。
1.運動時
2.頸動脈洞圧迫時
3.精神的興奮時
4.発熱時
解答2
解説
頻脈とは、100回/分以上、徐脈とは50回/分以下を定義される。
1.× 運動時は、心拍数が増加(頻脈)がみられる。なぜなら、運動中は交感神経が活性化されるため。
2.〇 正しい。頸動脈洞圧迫時は、徐脈がみられる。なぜなら、圧迫により頸動脈洞が刺激されると、副交感神経が過剰に活性化するため。ちなみに、頸動脈洞反射(ツェルマーク・へーリング反射)とは、頸動脈を刺激することにより生じる迷走神経反射のことである。脈拍を抑えることを目的として利用されることがある(頸動脈洞マッサージ)。つまり、副交感神経優位になる。
求心路:舌咽神経
遠心路:迷走神経
3.× 精神的興奮時は、心拍数が増加(頻脈)がみられる。なぜなら、精神的興奮により交感神経が活性化されるため。
4.× 発熱時は、心拍数が増加(頻脈)がみられる。なぜなら、体温上昇時には、体温の熱を逃がす必要があるため。
34.頸動脈小体を刺激するのはどれか。
1.血液量の減少
2.血液のpH上昇
3.血液の酸素ガス分圧減少
4.動脈圧の上昇
解答3
解説
頚動脈小体(頚動脈球)とは、頚動脈の分岐部にある、米粒大の末梢化学受容器である。類似の末梢化学受容器としては他に大動脈小体がある。血中の酸素(O2)および二酸化炭素(CO2)の分圧(濃度)を検知し、またpHや温度の変化にも敏感で、呼吸調節システムの一部をなす。頚動脈小体の支配神経は頚動脈洞神経で、舌咽神経(IX)に入る求心性線維と迷走神経(Ⅹ)に由来する自律神経遠心性線維を含む。
1.4.× 血液量の減少/動脈圧の上昇は、主に圧受容器(頸動脈洞や大動脈弓)が感知する。ちなみに、頸動脈小体は、化学的な変化を感知する。
2.× 血液のpHは、「上昇(アルカリ化)」ではなく低下(酸性化)に対して感知する。頚動脈小体(頚動脈球)は、血液中の酸素濃度が低下したときに刺激される。
【酸塩基平衡】
・血液(体液)のpH:7.40 ± 0.05
→pH7.30:酸性に傾いている状態
→pH7.50:アルカリ性に傾いている状態
アシドーシス(酸性):pHが低下している状態。
アルカローシス(アルカリ性):pHが上昇している状態。
【酸素需要度が高い状態】
①PaCO2の上昇(pHの低下)
②血中2,3-DPGXの上昇
③H+の上昇(pHの低下)
④血液温度上昇
3.〇 正しい。血液の酸素ガス分圧(pO2)の減少は、頸動脈小体を刺激する。血液の酸素ガス分圧(pO2)の減少は、、頸動脈小体が活性化し、呼吸中枢を刺激して呼吸を促進し、血液中の酸素供給を改善する。
頸動脈洞反射(ツェルマーク・へーリング反射)とは、頸動脈を刺激することにより生じる迷走神経反射のことである。脈拍を抑えることを目的として利用されることがある(頸動脈洞マッサージ)。つまり、副交感神経優位になる。
求心路:舌咽神経
遠心路:迷走神経
35.胃の受け入れ弛緩はどれか。
1.体性-運動反射
2.体性-内臓反射
3.内臓-運動反射
4.内臓-内臓反射
解答4
解説
胃の受け入れ弛緩は、食道から食物が送られてくる際に、胃の近位部(胃底や胃体)が弛緩して食物を受け入れる現象である。
この反射は、自律神経系を介した内臓-内臓反射である。
1.× 体性-運動反射は、骨格筋に関与する反射(例:膝蓋腱反射)である。
2.× 体性-内臓反射は、対光反射、鍼灸による内臓機能の調整などである。
3.× 内臓-運動反射は、痛みによる筋緊張や筋性防御などである。内臓からの刺激が骨格筋に影響を与える反射である。
4.〇 正しい。内臓-内臓反射は、胃の受け入れ弛緩である。内臓-内臓反射とは、内臓からの刺激が別の内臓の反応を引き起こす反射を指し、圧受容器反射、排便・排尿の反射などである。
内臟・内臟反射:圧受容器反射、排便・排尿の反射など
内臟・体性知覚反射:関連痛、知覚過敏帯(ヘッド帯・マッケンジー帯)など
内臟・体性運動反射:筋性防御など
内臟・体性自律反射:汗腺反射、皮脂腺反射、立毛筋反射、皮膚血管反射など
体性・内臟反射:対光反射、鍼灸による内臓機能の調整など