第21回(H25年)はり師きゅう師国家試験 解説【午後96~100】

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96.脾の生理機能はどれか。

1.精を蔵す。
2.運化を主る。
3.目に開竅する。
4.液は汗である。

解答

解説
1.× 精を蔵す。
これは腎の生理である。腎の生理は、①蔵精(精を貯蔵し、生命活動を調節する)、②主水(水を主り、水液代謝を調節する)、③納気(吸気を補助し、呼吸のバランスを保つ)。また、特性は、①封蔵(漏れ出るのを防ぐ)、②陰陽の根本(気・血・精・津液の化生に関わり、供給・補充する)である。

2.〇 正しい。運化を主る。脾の生理として、①運化(飲食物を水穀の精微に変化させ、心・肺に運ぶ)、②統血(血が脈中から漏れ出るのを防ぐ(気の固摂作用))である。脾は気血生成の源、生痰の源といわれる。また、特性として、①昇清(生理物質の上昇、組織・器官を正常な位置に保つ)、②喜燥悪湿である。

3.× 目に開竅する。
これは肝の生理である。肝の生理は、①疏泄(情志・気機・月経の調節、脾胃の補助、②蔵血(血の貯蔵、血液量の貯節)である。また、特性は、①昇発(上昇·発散)②条達(隅々まで行き渡らせる)である。

4.× 液は汗である。
これは心の生理である。ちなみに、脾の液は涎である。
【心の生理と特性】
生理: ①主血(血、脈を主る(血を送り出す))、②神志(生命活動を維持し、精神活動を主宰する)
特性: ①陽気を主る(全身を温煦する)、②(臓腑)を統括する。
関連:(舌、汗、血脈、面・色、神、喜、苦)などに関わる。君主の官、生の本、神明出づ

 

 

 

 

 

97.胆と表裏関係にある臓の生理作用はどれか。

1.血を蔵す。
2.気を主る。
3.腐熟を主る。
4.水を主る。

解答

解説

MEMO

胆と表裏関係にあるのは「肝」である。

1.〇 正しい。血を蔵す
これは肝の生理である。肝の生理は、①疏泄(情志・気機・月経の調節、脾胃の補助、②蔵血(血の貯蔵、血液量の貯節)である。また、特性は、①昇発(上昇·発散)②条達(隅々まで行き渡らせる)である。

2.× 気を主る。
これはの生理である。肺の生理は、①宣粛(宣発(宣布・発散)、粛降(清肅・下降。通調水道、水の上源))、②主気(呼吸を主る(治節)、一身の気を主る)肺は百脈を朝ず。また、特性は①華蓋(外邪の侵襲を防ぐ)、②嬌臓(機能が失調しやすい)である。

3.× 腐熟を主る。
これはの生理である。胃の生理として、①受納(口から入った飲食物を受け入れる)、②腐熟(飲食物の初歩的な消化を行う)、③和降(消化した飲食物を小腸に下降させる)、④降濁(胃は濁なるものを腸へ送ること)などである。

4.× 水を主る。
これはの生理である。腎の生理として、①蔵精(精を貯蔵し、生命活動を調節する)、②主水(水を主り、水液代謝を調節する)、③納気(吸気を補助し、呼吸のバランスを保つ)があげられる。

陰経:陽経
【木】肝:胆
【火】心:小腸
【土】脾:胃
【金】肺:大腸
【水】腎:膀胱
【火】心包:三焦

 

 

 

 

 

98.外邪で遊走性の痛みを起こすのはどれか。

1.風邪
2.湿邪
3.火邪
4.燥邪

解答

解説
1.〇 正しい。風邪は、外邪で遊走性の痛みを起こす。風邪は、陽性の邪気で軽揚性、開泄性、遊走性があり、他の外邪の先導役となる(百病の長)。

2.× 湿邪は、陰性の邪気で重濁性、粘滞性、下注性がある。脾を損傷しやすい。気機を滞らせやすい。

3.× 火邪は、熱邪で起こり、陽性の邪気で炎上性があり、気・津液を損傷する。また、生風、動血という特徴も持つ。

4.× 燥邪は、陽性の邪気で乾燥性があり、肺を損傷しやすい。秋に現れることが多い。

六淫とは?

風邪:陽性の邪気で軽揚性、開泄性、遊走性があり、他の外邪の先導役となる(百病の長)。
寒邪:陰性の邪気で寒冷性、凝滞性、収引性があり、陽気を損傷しやすい。
暑邪(熱邪):陽性の邪気で夏季のみに出現し、炎熱性、昇散性がある。気・津液を損傷しやすく、湿邪を伴う。
湿邪:陰性の邪気で重濁性、粘滞性、下注性がある。脾を損傷しやすい。気機を滞らせやすい。
燥邪:陽性の邪気で乾燥性があり、肺を損傷しやすい。秋に現れることが多い。
火邪(熱邪):陽性の邪気で炎上性があり、気・津液を損傷する。また、生風、動血という特徴も持つ。

 

 

 

 

 

99.胃気の上逆でみられるのはどれか。

1.喘
2.鼾
3.欠
4.吃逆

解答

解説
1.× 喘は、呼吸困難のことである。虚喘(息は弱く呼吸音が低い、吸気時に楽になる。肺腎両など)と実端(息は粗く呼吸音が高く大きい、呼気時に楽になる。疹湿など)がある。

2.× 鼾は、いびきのことである。熱証によって生じる。

3.× 欠は、あくびや呵欠のことである。労倦による虚証などでみられる。

4.〇 正しい。吃逆は、胃気の上逆でみられる。吃逆は、噱、しゃっくりのことである。
ほかにも、胃気上逆では、
・嘔吐:声が出て物が出ない(嘔)、物が出て声が出ない(吐)。
・噯気:噫気。げつぷがみられる。

 

 

 

 

 

100.気が逆行して起こる病の総称はどれか。

1.積聚
2.痹
3.厥
4.疝

解答

解説
1.× 積聚は、腹部の異常を示す病の総称である。

2.× 痹は、痛みの中でも、しびれを伴うようなリウマチや坐骨神経痛、腰痛、五十肩のようなものの総称である。

3.〇 正しい。は、気が逆行して起こる病の総称である。厥とは、詰まって流れない意味を持っている。冬に手足が冷たいことを四肢厥冷または厥逆という。

4.× 疝は、体の冷えによって腹部が激痛やひきつり痛む症状を指す。

 

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