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81.特発性三叉神経痛について正しいのはどれか。
1.若年者に多い。
2.前駆症状を伴う。
3.罹患枝は第2枝が多い。
4.痛みは持続的である。
解答3
解説
(※図引用:「illustAC様」)
特発性三叉神経痛とは、三叉神経のうち、1つまたは複数の枝の領域におこる発作性電撃様疼痛である。40歳以上の中高年者に多くみられ、女性に多くみられる。発作の間隔は症状の進行とともに短縮する。痛みは片側性に発症し、正中を越えて反対側に広がることはない。好発部位は第Ⅱ枝、次に第Ⅲ枝である。
1.× 「若年者」ではなく40歳以上の中高年者に多い。特発性三叉神経痛の原因は完全に解明しているわけではないが、その多くが、脳の脳幹と呼ばれる部位の三叉神経の出入り口の所で、動脈硬化などで屈曲した動脈や静脈が直接ぶつかり、神経を圧迫することによって生じることがいわれている。したがって、加齢による血管・髄鞘・脳機能・基礎疾患(高血圧や糖尿病)が関与しているといわれている。
2.× 前駆症状は伴わない。三叉神経痛の痛みは、突然発症し、痛みは電撃的で、一瞬のうちに起こる。ちなみに、前駆症状とは、疾患や症状が本格的に現れる前に、その予兆として出現する症状を指す。前駆症状は疾患の発症を早期に察知するための重要な手がかりとなる。
3.〇 正しい。罹患枝は第2枝(上顎神経)が多い。なぜなら、第2枝(上顎神経)は、解剖学的に血管が最も接触しやすく神経への圧迫が生じやすいため。
4.× 痛みは、「持続的」ではなく一時的(数秒から数十秒)である。三叉神経痛の痛みは、突然発症し、痛みは電撃的で、一瞬のうちに起こる。
82.片頭痛について正しいのはどれか。
1.50歳代に多い。
2.閃輝暗点がみられる。
3.痛みは非拍動性である。
4.入浴が有効である。
解答2
解説
片頭痛とは、中等度から重度の、脈打つような痛みやズキズキする痛みで、頭の片側または両側に生じる。しばしば身体活動、光、音、匂いなどによって悪化し、吐き気や嘔吐を伴ったり、音、光、匂いに過敏になったりする。片頭痛は、睡眠不足、天候の変化、空腹、感覚への過度の刺激、ストレス、その他の要因が引き金となって発生する。
1.× 「50歳代」ではなく20~40歳代の女性に多い。明確な原因は不明であるが、ホルモンの変動が考えられている。
2.〇 正しい。閃輝暗点(せんきあんてん)がみられる。閃輝暗点とは、視界に突然ギザギザやキラキラした光が現れ、徐々に広がり、視界の一部が見えにくくなる現象である。光視症と呼ばれるものの一種で、片頭痛の前兆として現れることが多い。片頭痛の約20~30%の患者で、頭痛に先行して前兆がみられる。
3.× 痛みは、「非拍動性」ではなく拍動性(ズキズキする痛み)である。なぜなら、脳の血管が拡張・収縮を繰り返し、周囲の神経を刺激するため。ちなみに、非拍動性の痛みは、緊張型頭痛や群発頭痛でみられることがある。
4.× 入浴は「有効」ではなく悪化させる。なぜなら、片頭痛では血管が拡張して痛みが生じるため。入浴などの血管拡張を促進する行為は、血管が拡張し、神経がさらに刺激されるため、片頭痛が悪化する。したがって、頭を冷やすなど血管を収縮させる方法が有効である。
83.メニエール病の症状としてみられないのはどれか。
1.耳漏
2.耳鳴り
3.難聴
4.眩暈
解答1
解説
(※図引用:「耳の構造・説明図」illustAC様より)
1.× 耳漏は、メニエール病の症状としてみられない。なぜなら、メニエール病は内耳の障害が原因であるため。耳漏とは、いわゆる耳だれのことで、耳から膿や液体が出る症状のことである。外耳や中耳の疾患(例:急性中耳炎、慢性中耳炎、外耳道炎など)でみられる。
2.〇 耳鳴り/難聴/眩暈は、メニエール病の症状である。Ménière病とは、膜迷路を満たしている内リンパ液の内圧が上昇し、内リンパ水腫が生じる内耳疾患である。4大症状として、①激しい回転性のめまい、②難聴(感音難聴)、③耳鳴り、④耳閉感を繰り返す内耳の疾患である。主な原因は「内リンパ水腫」で、 その根底にはストレス・睡眠不足・疲労・気圧の変化・几帳面な性格などがあると考えられている。耳発作時では安静を第一に考えた指導を行い、間欠期では発作が起こらないようにするための指導をする。
84.国際生活機能分類(ICF)の構成要素で「参加」に該当するのはどれか。
1.屋内手すりの設置
2.短下肢装具の作製
3.残存筋の強化
4.麻痺手の回復訓練
解答1
解説
(※画像引用:Job Medley様HPより)
ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health)は、人間の生活機能と障害分類法として2001年5月、世界保健機関(WHO)において採択された。これまでの ICIDH(国際障害分類、1980)が「疾病の帰結(結果)に関する分類」であったのに対し、ICF は「健康の構成要素に関する分類」であり、新しい健康観を提起するものとなった。生活機能上の問題は誰にでも起りうるものなので、ICF は特定の人々のためのものではなく、「全ての人に関する分類」である。
1.〇 正しい。屋内手すりの設置は、「参加」に該当する。参加とは、生活・人生場面への関わりのことである。
2~4.× 短下肢装具の作製/残存筋の強化/麻痺手の回復訓練は、「心身機能・構造」に該当する。なぜなら、短下肢装具の作製は、主に身体機能の補助を目的としているため。歩行にも関連するため、「活動」にも該当する可能性が高い。ちなみに、短下肢装具とは、足首の関節の動きを制限し、固定・動揺・拘縮などの治療を目的とした装具である。脳卒中患者の歩行の際に足首の固定や安定性の向上のために使用される。
85.小脳性失調の所見として正しいのはどれか。
1.構音障害
2.羽ばたき振戦
3.はさみ脚歩行
4.ロンベルグ徴候陽性
解答1
解説
1.〇 正しい。構音障害は、小脳性失調の所見である。これを断綴性発語という。断綴性発語とは、小脳性失調でみられる緩徐・不規則・努力的・爆発的にしゃべるのが特徴的な発語障害である。ちなみに、小脳性失調は、協調性運動障害により細かい動作が困難となる。また、構音障害とは、発語・発声に関与する神経・筋系の障害であり、言語の理解は正常であるが正しく発語できない状態である。
2.× 羽ばたき振戦は、肝性脳症、呼吸不全(CO2ナルコーシス)に認められる。羽ばたき振戦とは、手関節を背屈させたまま手指と上肢を伸展させ、その姿勢を保持するように指示すると、「手関節及び中指関節が急激に掌屈し、同時に、元の位置に戻そうとして背屈する運動」が認められる。手関節や手指が速くゆれ、羽ばたいているようにみえるので、このように呼ばれる。
3.× はさみ脚歩行は、痙直型両麻痺児などに認められる。はさみ脚歩行とは、両足をはさみのように組み合わせて歩く痙性対麻痺歩行のことをいう。
4.× ロンベルグ徴候陽性は、脊髄後索障害や末梢神経障害などに認められる。Romberg徴候(ロンベルグ徴候)は、被験者に足をそろえ、目を閉じて直立する検査で、陽性(閉眼時)では、脊髄性障害(脊髄癆)では動揺が大きくなる。ちなみに、開眼時・閉眼時ともに動揺がみられる場合は小脳障害を考える。