第22回(H26年)はり師きゅう師国家試験 解説【午前1~5】

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1.被用者保険でないのはどれか。

1.健康保険
2.船員保険
3.共済組合
4.国民健康保険

解答

解説

被用者保険とは?

被用者保険とは、被用者を対象とする保険のことである。被用者とは、企業や個人事業主等に雇われた人々で、いわゆるサラリーマン等の会社員や公務員、さらには船員が含まれる。職域保険ともいう。被用者保険の場合、雇用に伴う給料支払等を通じて、被用者の所得等が把握されるため、雇用主からの拠出や被用者からの保険料徴収が相対的に容易に行えるというメリットがある。被用者保険は、①健康保険(一般被用者保険)、②特定被用者保険に分かれる。①健康保険は、組合管掌健康保険(組合健保)、全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)があり、②特定被用者保険は、国家公務員共済組合、地方公務員共済組合、私立学校教職員共済制度、船員保険があげられる。

1.〇 健康保険とは、①協会けんぽと、②組合健保の2つに分けられる。全国健康保険協会管掌保険(協会けんぽ)とは、中小企業の労働者やその家族を対象とした保険制度で、被用者保険の範囲内に含まれる。協会けんぽは、加入者の医療費や年金を支払うために設立されている。

2.〇 船員保険とは、船員法第1条に規定する船員として船舶所有者に使用される者を対象としている。船員保険法等を根拠とする。特徴として、船員保険は健康保険より給付が手厚いことがあげられる。特に通常の健康保険と違うのは、業務上の災害や事故による場合でも、保険給付が行われるという部分である。また、独自の給付に加え、健康保険、年金、さらには雇用保険と労働災害保険の全てを兼ね備えている。

3.〇 共済組合(国家公務員共済組合)とは、公務員および私立学校教職員を対象とした公的社会保障を運営する社会保険組合である。組合は医療保険、年金保険の役割を担っており、組合員は健康保険法に基づく保険料の徴収・各種給付が行なわれない。

4.× 国民健康保険は、被用者保険でない。国民健康保険とは、日本の国民健康保険法等を根拠とする、法定強制保険の医療保険である。病気やケガで医療機関や薬局を受診する場合に、「国民健康保険証」を窓口に提示することで医療費の一定の割合を国民健康保険が負担できる。国民健康保険の加入者は、職場の健康保険(協会けんぽ、健康保険組合、共済組合)の加入者、75歳以上等で後期高齢者医療制度の加入者および生活保護を受けている人以外の方となる。

 

 

 

 

 

2.後期高齢者医療制度の財源について正しいのはどれか。

1.高齢者の支払う保険料は全財源の1割である。
2.他の医療保険者からの支援金はない。
3.国および地方自治体の負担は全財源の8割である。
4.75歳以上は保険料を免除される。

解答

解説

MEMO

後期高齢者医療制度とは、2008年施行の高齢者の医療の確保に関する法律を根拠法とする日本の医療保険制度である。①75歳以上または②65~74歳で一定の障害があると認定された人である。

1.〇 正しい。高齢者の支払う保険料は、全財源の1割である
【財源構成】
被保険者(高齢者)が支払う保険料:全体の約1割
他の医療保険者(現役世代からの支援)からの支援金:約4割
公費(国・地方自治体の負担):約5割

2.× 他の医療保険者からの支援金は「ある」。これは、現役世代からの支援が該当する。

3.× 国および地方自治体の負担は全財源の「8割」ではなく約5割である。

4.× 75歳以上は保険料を免除され「ない」。75歳以上の被保険者も保険料を負担する。ただし、所得に応じた軽減措置があるため、低所得者には負担が軽減される仕組みがある。

 

 

 

 

 

3.我が国の下水道行政について正しいのはどれか。

1.都市下水路は雨水の排除を目的とする。
2.流域下水道は汚染された河川の水を処理する。
3.公共下水道は都道府県が管理する。
4.全国民の9割以上が下水道を利用している。

解答

解説
1.〇 正しい。都市下水路は、雨水の排除を目的とする。都市下水路は、公共下水道事業を実施していない市町村において、市街地の雨水を排除し、すみやかに河川などに排水する施設である。

2.× 「流域下水道」ではなく、公共下水道は汚染された河川の水を処理する。公共下水道とは、市町村が管理する下水道で、主に市街地における雨水や汚水を排除・処理するために整備された施設である。一方、流域下水道とは、2つ以上の市町村の公共下水道から流れてくる下水を広域的に集めて処理する下水道である。

3.× 公共下水道は、「都道府県」ではなく市町村が管理する。これは、下水道法におけて「第二章 公共下水道 第三条(管理) 公共下水道の設置、改築、修繕、維持その他の管理は、市町村が行うものとする」と記載されている(※引用:「下水道法(抜粋) 」厚生労働省様HPより)。

4.× 全国民の「9割以上」ではなく約8割程度が下水道を利用している(※参考データ:「下水道のFAQ」日本下水道協会様HPより)。

 

 

 

 

 

4.ダニ以外で媒介される疾患はどれか。

1.ツツガムシ病
2.重症熱性血小板減少症候群
3.日本脳炎
4.日本紅斑熱

解答

解説
1.× ツツガムシ病は、ダニで媒介される疾患である。つつが虫病とは、ツツガムシ(ダニの一種)に刺されることによって感染する疾患である。ツツガムシに刺されて5~14日の潜伏期の後に、全身倦怠感、食欲不振とともに頭痛、悪寒、発熱などを伴って発症する。体温は段階的に上昇し数日で40℃にも達する。

2.× 重症熱性血小板減少症候群は、ダニで媒介される疾患である。重症熱性血小板減少症候群とは、SFTSウイルスをマダニが媒介する感染症である。ブニヤウイルス科フレボウイルス属に分類される。症状として、発熱、消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血)を主張とし、ときに、腹痛、筋肉痛、神経症状、リンパ節腫脹、出血症状などを伴う。

3.〇 正しい。日本脳炎は、「ダニ」ではなくで媒介される疾患である。日本脳炎とは、日本脳炎ウイルスにより発生する疾病で、蚊を介して感染する。以前は子どもや高齢者に多くみられた病気である。初期症状として、突然の高熱・頭痛・嘔吐などで発病し、意識障害や麻痺等の神経系の障害を引き起こす病気で、後遺症を残すことや死に至ることもある。

4.× 日本紅斑熱は、ダニで媒介される疾患である。日本紅斑熱とは、リケッチアの一種である日本紅斑熱リケッチアの感染によって引き起こされる感染症である。

 

 

 

 

 

5.分母が人口でないのはどれか。

1.出生率
2.乳児死亡率
3.婚姻率
4.離婚率

解答

解説
1.〇 出生率とは、一定人口に対するその年の出生数の割合をいう。一般的には、人口1,000人当たりにおける出生数を指し、単位はパーミルである。パーミル(‰)は1000分の1を1とする単位(千分率)であり、1‰は0.1%となる

2.× 乳児死亡率は、分母が人口でない。乳児死亡率とは、生後1年未満に死亡した乳児の死亡率のことである。

3.〇 婚姻率とは、人口千人あたりの婚姻件数の割合である。

4.〇 離婚率とは、人口千人あたりの離婚件数の割合である。

 

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