第22回(H26年)はり師きゅう師国家試験 解説【午後101~105】

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101.痹証で重だるい痛みはどれか。

1.行痹
2.痛痹
3.着痹
4.熱痹

解答

解説
1.× 行痹は、風邪による痛みで、遊走性の痛みである。

2.× 痛痹は、寒邪による痛みで、温めると症状は改善しやすい。

3.〇 正しい。着痹は、痹証で重だるい痛みである。着痹とは、湿邪による痛みで、重だるいのが特徴である。ちなみに、湿邪とは、陰性の邪気で重濁性、粘滞性、下注性がある。脾を損傷しやすい。気機を滞らせやすい。

4.× 熱痹は、熱邪による痛みで、熱感や腫れである

 

 

 

 

 

102.次の文で示す経脈病証はどれか。
 「首が腫れ、後ろを振り返ることができない。難聴があり、上肢後面内側が痛む。」

1.手の太陽小腸経
2.手の陽明大腸経
3.手の太陰肺経
4.手の少陰心経

解答

解説
1.〇 正しい。手の太陽小腸経が、本症例の経脈病証である。
手の太陽小腸経は、咽頭の痛み、顎の付け根の腫れ、後ろを振り返ることができない。肩が抜けるように痛み、上腕が折れるように痛む。耳が聞こえなくなり、目が黄ばんだり充血したり、類の辺りが腫れてくる。顎から顎の付け根、肩、上腕、肘など経脈の流注上が痛む。

2.× 手の陽明大腸経は、下の歯が痛み、頸が腫れる。目が黄ばみ、口が乾き、鼻血が出て、扁桃炎のような症状が出る。肩髃から臂臑あたりの経脈の流注上に痛みが出る。示指が痛んで使えない。冷えたままでなかなか温まりにくい。

3.× 手の太陰肺経は、あえぎ、咳、喉の痛み上腕、前腕の経所の流れる所が痛んだり、感覚異常が起きる。手の平が熱くなる。肩背が痛み、風寒の邪が襲ってくると汗が出る。小便が少しずつ出で回数が多い、もしくは小便がしばしば出てあくびをする。肩背が冷えて痛み、酸素不足の様な感じがする。尿の色が変わる。

4.× 手の少陰心経は、吸願の乾燥、上腹部から前胸部にかけてが痛み、口渇が起こり、水分を取ろうとする。目の黄疽や充血、脇痛、経脈の流注部分が痛み、厥してくる。手掌に熱がこもり痛む。

 

 

 

 

 

103.心・心包の病証で多くみられるのはどれか。

1.裏急
2.胸脇苦満
3.心下痞鞭
4.小腹急結

解答

解説

心の病証と症状

【主な症状】心悸、心煩、胸悶、不眠、意識障害など。
※小腸の機能失調で小便の異常、消化不良など。

1.× 裏急(腹裏拘急)は、腹直筋の異常なつっぱり、腹裏のひきつれのことで、虚労でみられる。

2.× 胸脇苦満は、季肋下部に苦満感、圧痛などがあるもので、肝・胆の病変に多い。

3.〇 正しい。心下痞鞭は、心・心包の病証で多くみられる。心下痞鞭は、心下部の自覚的なつかえを心下痞、他覚的に硬いものを心下鞭、ともにあるものを心下痞鞭という。心・心包の病変に多い。

4.× 小腹急結は、下腹部(特に左)に抵抗感や硬結のあるものを指す。瘀血の腹証である。

 

 

 

 

 

104.難経六十九難の治療法則で肝虚証の治療穴はどれか。

1.曲泉
2.大敦
3.太衝
4.中封

解答

解説

難経六十九難に基づく取穴

【部位】虚証(補法):実証(瀉法)
【肝】曲泉・陰谷:行間・少府・労宮
【肺】太淵・太白:尺沢・陰谷
【心】少衝・大敦:神門・太白
【腎】復溜・経渠:湧泉・大敦
【脾】大都・少府・労宮:商丘・経渠
【心包】中衝・大敦:大陵・太白
【胆】侠渓・足通谷:陽輔・陽谷・支溝
【大腸】曲池・足三里:二間・足通谷
【小腸】後渓・足臨泣:小海・足三里
【膀胱】至陰・商陽:束骨・足臨泣
【胃】解渓・陽谷・支溝:厲兌・商陽
【三焦】中渚・足臨泣:天井・足三里

1.〇 正しい。曲泉は、難経六十九難の治療法則で肝虚証の治療穴である。
・曲泉は、膝内側、半腱・半膜様筋腱内側の陥凹部、膝窩横紋の内側端に位置する。

2.× 大敦は、心・心包の虚証(補法)もしくは腎の実証(瀉法)の治療穴である。
・大敦は、足の第1指、末節骨外側、爪甲角の近位外側1分(指付)、爪甲外側の垂直線と爪甲基底部の水平線の交点に位置する。

3.× 太衝は、難経六十九難の治療法則に該当しない
・太衝は、足背、第1~2指中足骨間、中足骨底接合部遠位の陥凹部、足背動脈拍動部に位置する。

4.× 中封は、難経六十九難の治療法則に該当しない
・中封は、足関節前内側、前脛骨筋腱内側の陥凹部、内果尖の前方に位置する。解渓(胃経)と商丘(脾経)との間にあたる。

 

 

 

 

 

105.迎随の補瀉で補法はどれか。

1.太淵穴では肘関節に向けて刺す。
2.外関穴では手関節に向けて刺す。
3.足臨泣穴では足関節に向けて刺す。
4.三陰交穴では膝関節に向けて刺す。

解答

解説

MEMO

迎随の補瀉とは、「迎えて奪うを瀉と云い、随って補うを補と云う」との原典の言葉がその出所である。実地臨床上は、狭い意味に解釈し、経の流れに逆うを瀉法とし、経の流れに随うを補法とする。

1.× 太淵穴では肘関節に向けて刺す。
これは、経の流れに逆うため、瀉法である。
手の太陰肺経である太淵は、手関節前外側、橈骨茎状突起と舟状骨の間、長母指外転筋腱の尺側陥凹部に位置する。

2.× 外関穴では手関節に向けて刺す。
これは、経の流れに逆うため、瀉法である。
手の少陽三焦経である外関は、前腕後面、橈骨と尺骨の骨間の中点、手関節背側横敏の上方2寸に位置する。

3.× 足臨泣穴では足関節に向けて刺す。
これは、経の流れに逆うため、瀉法である。
足の少陽胆経である足臨泣は、足背、第4~5中足骨底接合部の遠位、第5指の長指伸筋腱外側の陥凹部に位置する。

4.〇 正しい。三陰交穴では膝関節に向けて刺す
足の太陰脾経である三陰交は、下腿内側(脛側)、脛骨内縁の後側、内果尖の上方3寸に位置する。

 

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