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61.装具と疾患との組合せで正しいのはどれか。
1.ボストンブレース:変形性頚椎症
2.リーメンビューゲル装具:先天性股関節脱臼
3.デニスブラウン副子:扁平足
4.フォンローゼン装具:ペルテス病
解答2
解説
(※図引用:大阪発達総合療育センター 南大阪小児リハビリテーション病院様HPより)
①TLSO装具:胸椎・腰椎の変形を制御する。①アンダーアームブレース、②ボストンブレースがある。
②CTLSO装具:頸椎・胸椎・腰椎の変形を制御する。ミルウォーキーブレースがある。
1.× ボストンブレースは、「変形性頚椎症」ではなく側弯症(胸~腰椎)である。特徴として、ミルウォーキーブレースより小型である。ちなみに、変形性頚椎症では、首のサポートに頚椎カラーなどが用いられます。
2.〇 正しい。リーメンビューゲル装具:先天性股関節脱臼
リーメンビューゲル装具は、先天性股関節脱臼の患児の足を固定し、脱臼状態を治療する装具である。股関節を屈曲・外転位に保つことで、脱臼した大腿骨頭を寛骨臼に整復し、正常な関節形成を促す。
3.× デニスブラウン副子は、「扁平足」ではなく先天性内反足である。デニスブラウン副子とは、足を矯正位置に保持するためのスプリントである。
4.× フォンローゼン装具は、「ペルテス病」ではなく先天性股関節脱臼である。リーメンビューゲル装具と同様、股関節を外転・屈曲位に保つことで整復を行う。
男女比は4:1で、小柄な男児に多く見られる。小児期における血行障害による大腿骨頭・頚部の阻血性壊死(虚血と阻血は同義であり、動脈血量の減少による局所の貧血のこと)が原因で骨頭・頚部の変形が生じる骨端症である。初期症状は、跛行と股関節周囲の疼痛(大腿部にみられる関連痛)、股関節の可動域制限である。治療は、大腿骨頭壊死の修復が主な目標である。治療後は歩容の異常がなく、通常の日常生活を送れるようになることが多い。
62.膵癌について正しいのはどれか。
1.膵体部に好発する。
2.内分泌腫瘍が多い。
3.膵尾部癌では早期に症状が現れる。
4.CA19-9は診断的価値が高い。
解答4
解説
(図引用:「肝臓周辺臓器 名称」illustAC様HPより)
1.× 「膵体部」ではなくに膵頭部(約60~70%)に好発する。なぜなら、膵頭部の周囲に血管や神経、リンパ組織が複雑に分布しているため。がんが近くの神経やリンパ節に転移しやすい。ちなみに、膵体部が約20%、膵尾部が約10%である。
2.× 「内分泌腫瘍」ではなく外分泌腫瘍(95%)が多い。
3.× 膵尾部癌では早期に症状が現れるとはいえない。どこと比較して、「早期に症状が現れる」と判断してよいか不明である。ただし、膵頭部と比較した場合、一般論として、膵頭部に腫瘍ができると、総胆管などを圧迫することで黄疸などの症状が比較的早期に現れることが多い。膵尾部癌は、腹腔内の深い位置にあるため、早期には症状が出にくい。
4.〇 正しい。CA19-9は診断的価値が高い。なぜなら、CA19-9は、膵癌の腫瘍マーカーであるため。ちなみに、CA19-9は、マウスモノクローナル抗体NS19-9で認識されるシアリルLea抗原のことである。また、胆道癌や一部の胃癌でも上昇することがある。
・単層扁平上皮:薄いので物質の交換などに向く。
(胸膜、腹膜、血管内皮、肺胞など)
・単層立方上皮:甲状腺の濾胞細胞など。
(甲状腺の濾胞上皮、尿細管など)
・単層円柱上皮:吸収と分泌を行う場所に向く。
消化器系(胃、小腸、大腸)、卵管・子宮など
・重層扁平上皮:摩擦など機械的刺激に強い。
皮膚、口腔~食道、肛門、膣など。
・多列線毛上皮:表面に線毛があり、杯細胞が豊富。線毛と粘液で塵や異物をからめとる。
鼻腔~気管・気管支(気道)
・移行上皮:伸び縮みすることができる。
腎杯~尿管~膀胱(尿路)
63.デュシェンヌ型筋ジストロフィーについて正しいのはどれか。
1.女性に多い。
2.関節の拘縮のため踵足になる。
3.ガワーズ徴候がみられる。
4.血清CK値は正常である。
解答3
解説
Duchenne型筋ジストロフィーとは、幼児期から始まる筋力低下・動揺性歩行・登攀性歩行・仮性肥大を特徴とするX連鎖劣性遺伝病である。筋ジストロフィー症の中でもっとも頻度が高い。3歳頃に歩行や粗大運動の異常で気がつかれることが多い。
1.× 「女性」ではなく男性に多い。なぜなら、X連鎖劣性遺伝病であるため。
2.× 関節の拘縮のため、「踵足」ではなくで動揺性歩行になる。なぜなら、動揺性歩行は、幼児期から始まる筋力低下が原因となるため。ちなみに、踵足とは、足関節が背屈位に変形した状態である。踵足は、小児脳性不全麻痺、脛骨神経の損傷などの麻痺、アキレス腱などの治療の結果としてなりやすい。
3.〇 正しい。ガワーズ徴候がみられる。Gowers徴候(ガワーズ徴候:登はん性起立)とは、立ち上がる際に手を膝でおさえつつ、体を起こしていく方法である。筋ジストロフィーとは、骨格筋の変性・壊死と筋力低下を主徴とする遺伝性の疾患総称である。そのうちのDuchenne型筋ジストロフィーは、X連鎖劣性遺伝で①幼児期から始まる筋力低下、②動揺性歩行、③登攀性起立(Gowers徴候:ガワーズ徴候)、④腓腹筋などの仮性肥大を特徴とする。筋ジストロフィー症の中でもっとも頻度が高い。3歳頃に歩行や粗大運動の異常で気がつかれることが多い。
4.× 血清CK値は、「正常」ではなく上昇する。血中CK値とは、筋肉にエネルギーを貯めるときに働く酵素で、全身の運動をつかさどる筋肉(骨格筋)や心臓の筋肉(心筋)に多く含まれる。したがって、それらの筋肉が傷害されたときに、血液中で高値となる。
64.肺結核について正しいのはどれか。
1.接触感染の頻度が高い。
2.一次結核症の頻度が高い。
3.クオンティフェロン法は診断に用いられる。
4.糖尿病合併患者では再発率が低い。
解答3
解説
肺結核とは、結核菌による感染症で、体の色々な臓器に起こることがあるが多くは肺のことである。結核菌は、喀痰の中に菌が出ている肺結核の患者と密閉空間で長時間(一般的には数週間以上)接触することにより空気感染でうつる。リンパ節結核や脊椎カリエス(骨の結核)など、肺に病気のない結核患者からはうつらない。また肺結核でも、治療がうまくいって喀痰の中に菌が出ていない患者さんからはうつることはない。また、たとえ感染しても、発病するのはそのうち1割ぐらいといわれており、残りの9割の人は生涯何ごともなく終わる。感染してからすぐに発病することもあるが、時には感染した後に体の免疫が働いていったん治癒し、その後数ヶ月から数十年を経て、免疫が弱ったときに再び結核菌が増えて発病することもある。結核の症状には、咳、痰、血痰、熱、息苦しさ、体のだるさなどがある。
1.× 「接触感染」ではなく空気感染の頻度が高い。肺結核とは、結核菌による感染症で、体の色々な臓器に起こることがあるが多くは肺のことである。結核菌は、喀痰の中に菌が出ている肺結核の患者と密閉空間で長時間(一般的には数週間以上)接触することにより空気感染でうつる。
2.× 一次結核症の頻度が「高い」とはいえない。一次結核症とは、結核に初めて感染した場合に発症することを指す。しかし、免疫が正常な人では結核菌に感染しても多くは不顕性感染(発症しない)にとどまる(約10%程度が発症)。発症する頻度は低く、結核症の多くは過去の感染が再燃する二次結核症(成人型結核)である。
3.〇 正しい。クオンティフェロン法は診断に用いられる。クォンティフェロンとは、結核患者の血液を結核菌特異抗原とともに培養し、Tリンパ球から分泌されるインターフェロン-γ(INF-γ)を測定することにより、活動性結核及び潜在結核の診断補助を行う有用な方法である。
4.× 糖尿病合併患者では再発率が「低い」のではなく高い。なぜなら、糖尿病患者では免疫機能が低下しているため。糖尿病の人は、結核を発症する危険性が3倍に上昇し、結核を発症する可能性は4倍高く、死亡率も2倍に上昇するといわれている。
感染には、①接触感染、②空気感染、③飛沫感染がある。
①接触感染(例:流行性角結膜炎、疥癬、ノロウイルス感染症など)
(1)直接接触感染:感染者の皮膚粘膜との直接接触による伝播・感染する。
(2)間接接触感染:感染者の微生物で汚染された衣類、周囲の器物、環境などとの接触による伝播・感染する。
②飛沫感染(例:風疹、流行性耳下腺炎、 インフルエンザ、マイコプラズマ、百日咳など)
咳やくしゃみなどに伴って発生する飛沫(粒径5μm以上の粒子)が経気道的にヒトの粘膜に付着し感染する。飛散する範囲は1m以内であることが特徴。
③空気感染(例:結核、水痘、麻疹など)
飛沫核 (粒径5μm未満の粒子に付着した微生物)が長期間空中を浮遊し、これを吸い込むことで感染が伝播・感染する。
(※参考:「医療施設等における感染対策ガイドライン」厚生労働省様HPより)
65.急性心筋梗塞の検査項目で最も有用性が高いのはどれか。
1.赤血球数
2.コリンエステラーゼ
3.トロポニンT
4.ALP
解答3
解説
【血液検査】
・WBC:2~3時間上昇(7日に正常化)
・CK:2~4時間上昇(3~7日に正常化)
・トロポニンT:3~4時間上昇(14~21日に正常化)
・AST:6~12時間上昇(3~7日に正常化)
・LD(LDH):12~24時間上昇(8~14日に正常化)
・CRP:1~3日上昇(21日に正常化)
・ESR:2~3日上昇(5~6週)
※急性心筋梗塞を来した場合、血液検査にて心筋壊死所見を示すデータがみられるのは、通常、発症2時間以降である。WBC、CKの異常が最も早く出現する。
1.× 赤血球数は、貧血や多血症の評価に用いられる項目である。赤血球とは、細胞内にヘモグロビンを含み、主に酸素の運搬を行う。血液中の細胞成分である。ヘモグロビンとは、酸素分子と結合する性質を持ち、肺から全身へと酸素を運搬する役割を担っている。ヘモグロビンの値が、男性は13g/dl以下、女性は11g/dl以下になると、「貧血」と診断される。
2.× コリンエステラーゼは、肝臓の機能や栄養状態の評価に用いられる項目である。基準範囲は、男性で240~486U/L、女性で201~421U/Lである。
3.〇 正しい。トロポニンTは、急性心筋梗塞の検査項目で最も有用性が高い。トロポニンTとは、横紋筋の薄いフィラメント上でトロポニンI・Cとともにトロポニン複合体を形成し、筋収縮の調節に関与している分子量39,000の蛋白である。 平滑筋には存在せず、しかも構造が心筋と骨格筋とで異なるため、両者を明確に識別することが可能となり、現在最も特異的な心筋障害のマーカーと考えられている。トロポニンは、心筋の構成成分であるため、これが血液中に出現する場合には、急性心筋梗塞などの心筋傷害を意味する。
4.× ALP(アルカリフォスファターゼ)は、リン酸化合物を分解する働きを持つ酵素で、肝臓や小腸、腎臓、骨などの多くの臓器や器官に存在している。したがって、肝臓や骨の疾患の診断などに用いられる。これらの組織に異常があるとアルカリフォスファターゼが血液のなかに漏れ出てくる。基準値:38〜113U/L(成人男女)である。