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91.活動性が高い下腿切断患者に適した義足の足継手はどれか。
1.固定足
2.単軸足
3.多軸足
4.エネルギー蓄積型足
解答4
解説
・単軸足部:単軸の底に付けられたベルトやフェルト・ゴム足先の弾力性で底背屈が行われる。トゥブレークの位置と角度で歩き方が変化する。
・無軸足部:踵部にクッション性のあるウレタンなどを挿入し、踵接地時の衝撃を吸収する。「SACH足」に代表される足部である。無軸足部の中には様々な素材の芯を入れることで、多軸足のような不整地での安定感を出したもの、エネルギー蓄積型足部のように吸収したエネルギーを放出する機能をもたせたものもある。
・多軸足部:多数の関節軸のある足部で、Greissinger足(グライジンガー足)やブラッチフォード多軸足部が多軸足部にあたる。不整地歩行を得意とする。足関節の底背屈だけでなく、内・外反などの動きにも追従する。
・エネルギー蓄積型足部:接地で吸収したエネルギーをつま先離地の際に放出する機能をもつ。わずかなエネルギー蓄積をするものから競技用でも使われるような足部まで様々な足部が含まれる。単軸・無軸・多軸のどの形態にも用いられる。
1.× 固定足は、足継手が固定されており、関節の動きがない構造である。主に高齢者や歩行頻度が低い患者に使用する。
2.× 単軸足は、足関節に当たる軸があり、足関節の底背屈の動きを可能とし、前方バンパーにより背屈を、後方バンパーにより底屈を制動する。適度な活動性の患者向けで、歩行に特化している。
3.× 多軸足は、多数の関節軸のある足部で、不整地歩行を得意とする。足関節の底背屈だけでなく、内・外反などの動きにも追従する。
4.〇 正しい。エネルギー蓄積型足は、活動性が高い下腿切断患者に適した義足の足継手である。エネルギー蓄積型足は、接地で吸収したエネルギーをつま先離地の際に放出する機能をもつ。わずかなエネルギー蓄積をするものから競技用でも使われるような足部まで様々な足部が含まれる。単軸・無軸・多軸のどの形態にも用いられる。
92.血の説明で正しいのはどれか。
1.衛気と共に脈中を流れる。
2.生成に営気が関与する。
3.量は脾が調節する。
4.温煦作用により循環する。
解答2
解説
1.× 衛気と共に脈中を流れる。
・衛気とは、体表(昼)と体内(夜)をめぐる活動性の高い気のことである。全身を温め、腠理の開闔により、発汗を調節し、外邪の侵襲を防ぐ。つまり、脈外をめぐる。
2.〇 正しい。生成に営気が関与する。
・営気とは、津液を血に変化させ、脈中を巡らせる。豊かな栄養分により組織・器官の活動を支える気である。
3.× 量は脾が調節する。
・脾の生理として、①運化(飲食物を水穀の精微に変化させ、心・肺に運ぶ)、②統血(血が脈中から漏れ出るのを防ぐ(気の固摂作用))などがあげられ、脾は気血生成の源、生痰の源といわれる。
4.× 温煦作用により循環する。
・温煦とは、身体や内臓を温める働きを指す。血の循環は、主に心の働きと気の推動作用によるものである。
93.臓腑とその作用との組合せで正しいのはどれか。
1.肝:納気を主る
2.大腸:清濁を分別する。
3.脾:昇清を主る。
4.膀胱:糟粕を伝化する。
解答3
解説
1.× 納気を主るのは「肝」ではなく腎である。
・腎の生理として、①蔵精(精を貯蔵し、生命活動を調節する)、②主水(水を主り、水液代謝を調節する)、③納気(吸気を補助し、呼吸のバランスを保つ)があげられる。
・肝の生理は、①疏泄(情志・気機・月経の調節、脾胃の補助、②蔵血(血の貯蔵、血液量の貯節)である。また、特性は、①昇発(上昇·発散)②条達(隅々まで行き渡らせる)である。
2.× 清濁を分別するのは「大腸」ではなく小腸である。
・小腸の生理として、①受盛化物(胃から下降してきたものを受け入れる)、②泌別清濁(人体に必要なものとそうでないものに分別する)。
・大腸の生理として、伝導糟粕(小腸で分別した不要なものの中の固形のものを大便として排泄する)などである。
3.〇 正しい。脾:昇清を主る。
・脾の生理として、①運化(飲食物を水穀の精微に変化させ、心・肺に運ぶ)、②統血(血が脈中から漏れ出るのを防ぐ(気の固摂作用))などがあげられ、脾は気血生成の源、生痰の源といわれる。
4.× 糟粕を伝化するのは「膀胱」ではなく大腸である。
・膀胱の生理は、不要となった津液が気化されたもの(尿)を貯留することで、それぞれ津液(水)の代謝に関与している。腎の気化作用によって、余分な水を尿として貯め、排泄する。
94.中焦の生理機能と関係の深いのはどれか。
1.脾
2.肺
3.腎
4.肝
解答1
解説
・上焦:心・肺
・中焦:脾・胃
・下焦:肝・腎
1.〇 正しい。脾は、中焦の生理機能と関係の深い。気血生成の源とは、水穀の精微(後天の精)ともいい、気や血となって全身を巡る作用のことをさす。脾胃(中焦)の働きにより、飲食物(水穀)より得られる精である。
2.× 肺は、上焦の生理機能と関係の深い。
3~4.× 腎/肝は、下焦の生理機能と関係の深い。
95.奇恒の腑はどれか。
1.胃
2.肝
3.脾
4.胆
解答4
解説
六腑とは、水穀の受盛と伝化(飲食物の消化・吸収・排泄)を行う中腔器官である。胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦があげられる。
奇恒の腑とは、水穀と直に接しない密閉した中腔器官で、精気を蔵する。骨・随・脳・脈・胆・女子胞があげられる。形態は(腑)に似るが、精気を蔵する(臓)の特徴を持つ。
1.× 胃は、六腑に該当する。六腑とは、水穀の受盛と伝化(飲食物の消化・吸収・排泄)を行う中腔器官であり、胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦が該当する。
2~3.× 肝/脾は、五臟に該当する。五臟とは、常に(精気)によって満たされる実質器官で、生理物質の化生と貯蔵を行い、精神活動に関わる。肝・心・脾・肺・腎が該当する。
4.〇 正しい。胆は、奇恒の腑である。奇恒の腑とは、水穀と直に接しない密閉した中腔器官で、精気を蔵する。骨・随・脳・脈・胆・女子胞があげられる。形態は(腑)に似るが、精気を蔵する(臓)の特徴を持つ。