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96.外邪の特徴で正しいのはどれか。
1.暑邪は肺を傷る。
2.湿邪は身体下部を侵す。
3.燥邪は体表を侵す。
4.風邪は津液を消耗する。
解答2
解説
1.× 肺を傷るのは、「暑邪」ではなく燥邪である。
・暑邪は、熱邪で起こり、陽性の邪気で夏季のみに出現し、炎熱性、昇散性がある。気・津液を損傷しやすく、湿邪を伴う。
2.〇 正しい。湿邪は身体下部を侵す。
・湿邪は、陰性の邪気で重濁性、粘滞性、下注性がある。脾を損傷しやすい。気機を滞らせやすい。
3.× 体表を侵すのは、「燥邪」ではなく風邪である。
・燥邪は、陽性の邪気で乾燥性があり、肺を損傷しやすい。秋に現れることが多い。
4.× 津液を消耗するのは、「風邪」ではなく暑邪や火邪である。
・風邪は、陽性の邪気で軽揚性、開泄性、遊走性があり、他の外邪の先導役となる(百病の長)。
風邪:陽性の邪気で軽揚性、開泄性、遊走性があり、他の外邪の先導役となる(百病の長)。
寒邪:陰性の邪気で寒冷性、凝滞性、収引性があり、陽気を損傷しやすい。
暑邪(熱邪):陽性の邪気で夏季のみに出現し、炎熱性、昇散性がある。気・津液を損傷しやすく、湿邪を伴う。
湿邪:陰性の邪気で重濁性、粘滞性、下注性がある。脾を損傷しやすい。気機を滞らせやすい。
燥邪:陽性の邪気で乾燥性があり、肺を損傷しやすい。秋に現れることが多い。
火邪(熱邪):陽性の邪気で炎上性があり、気・津液を損傷する。また、生風、動血という特徴も持つ。
97.運行が失調すると鼓脹を認めるのはどれか。
1.営気
2.衛気
3.血
4.津液
解答4
解説
1.× 営気とは、津液を血に変化させ、脈中を巡らせる。豊かな栄養分により組織・器官の活動を支える気である。
2.× 衛気とは、体表(昼)と体内(夜)をめぐる活動性の高い気のことである。全身を温め、腠理の開闔により、発汗を調節し、外邪の侵襲を防ぐ。つまり、脈外をめぐる。
3.× 血とは、営気・津液で構成される栄養豊富な液体で、気の推動作用によって全身を循環し、自要している。血の運行は、心・肺・肝・脾などの機能と関連して行われる。また、神の機能を維持している。
4.〇 正しい。津液は、運行が失調すると鼓脹を認める。津液とは、身体を潤し栄養するための生理的な水分の総称である。これが何らかの原因(脾・腎・三焦の機能低下や気機の滞りなど)によって流れ(運行)が滞ると、体内の水分代謝が正常に行われなくなり、水分が腹部などに停滞しやすくなる。その結果として「鼓脹」と呼ばれるお腹の張り・膨満感が起こると考えられている。
98.肝陽の上亢によるのはどれか。
1.胖大舌
2.吃逆
3.顔面紅潮
4.小腹急結
解答3
解説
1.× 胖大舌は、気虚や陽虚でみられる。
2.× 吃逆は、気逆でみられる。頭痛、眩暈、易怒、咳嗽、喘息、悪心・嘔吐、噯気、吃逆などである。肺気上逆・胃気上逆・肝気上逆などが該当する。
3.〇 正しい。顔面紅潮は、肝陽の上亢による。肝陽上亢の症状として、眩暈、耳鳴、頭痛、目赤、陰虚によるほてり・のぼせ、腰膝酸軟などである。
4.× 小腹急結(※読み:しょうふくきゅうけつ)は、下腹部(特に左)に抵抗感や硬結のあるものである。瘀血の腹証である。
99.心気虚、心陽虚に共通する症状はどれか。
1.無汗
2.心悸
3.回転性めまい
4.四肢の冷え
解答2
解説
1.× 無汗は、風寒犯肺でみられる。ほかの症状として、悪寒、発熱、頭痛、咳嗽、無汗、鼻閉、鼻汁、脈浮緊などである。
2.〇 正しい。心悸は、心気虚、心陽虚に共通する症状である。
・心気虚の症状は、心悸、征忡、胸悶、息切れ、倦怠感、自汗、顔面蒼白、言舌質淡などである。
・心陽虚の症状は、心悸、征忡、胸痛、胸悶、倦怠感、自汗、寒がり、四肢の冷えなどである。
3.× 回転性めまいは、肝陽上亢でみられる。ほかの症状として、眩暈、耳鳴、頭痛、目赤、陰虚によるほてり・のぼせ、腰膝酸軟などである。
4.× 四肢の冷えは、陽虚のみみられる。
・心陽虚は、心悸、征忡、胸痛、胸悶、倦怠感、自汗、寒がり、四肢の冷えなどがみられる。
100.統血作用の失調でみられるのはどれか。
1.秘結
2.崩漏
3.陽萎
4.帯下
解答2
解説
1.× 秘結とは、便秘のことで肝脾不和でみられる。ちなみに、肝脾不和とは、肝臓と脾臓の連携が乱れ、脾臓から肝臓への受け渡しがうまくいかない状態である。症状として、胃痛、腹痛、食欲不振、お腹や胸の張り、イライラ、憂うつ感などである。
2.〇 正しい。崩漏は、統血作用の失調でみられる。崩漏とは、子宮出血が過多の状態を指す。統血作用低下で、内出血、月経周期が短くなるなどなどがみられる。統血は、血が脈中から漏れ出るのを防ぐ(気の固摂作用)をもつ。
3.× 陽萎とは、勃起障害のことで陽虚でみられる。
4.× 帯下とは、膣からの分泌物を指し、内湿や腎気不固などでみられる。