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36.視覚の遠近調節に関与するのはどれか。
1.外眼筋
2.上直筋
3.瞳孔散大筋
4.毛様体筋
解答4
解説
(※図:「看護師イラスト集」看護roo!様HPより)
視覚の遠近調節は、水晶体の厚みを変化させて、遠くや近くの物体に焦点を合わせる仕組みである。
遠くを見るとき:毛様体筋が弛緩し、水晶体が薄くなる。
近くを見るとき:毛様体筋が収縮し、水晶体が厚くなる。
1.× 外眼筋とは、眼球を動かす筋肉(例:上直筋、下直筋、内側直筋など)の総称である。
2.× 上直筋は、外眼筋のひとつである。
3.× 瞳孔散大筋は、収縮することにより虹彩が外側に引っ張られ、瞳孔が拡大する。毛様脊髄中枢、交感神経(Th1)、頸部交感神経節から神経支配を受けている。
瞳孔散大(瞳孔散大筋)は、交感神経の作用で、主に暗い環境で働く。
4.〇 正しい。毛様体筋は、視覚の遠近調節に関与する。毛様体筋は近くを見るときに収縮する。ちなみに、遠くを見るとき、毛様体小帯が弛緩し、水晶体が厚くなる。
【眼球運動:筋】
外側:外直筋
内側:内直筋
外上方:外直筋+上直筋
内上方:内直筋+下斜筋
外下方:外直筋+下直筋
内下方:内直筋+上斜筋
【支配神経】
①動眼神経:内側直筋・上直筋・下直筋・下斜筋
②滑車神経:上斜筋
③外転神経:外側直筋
37.食作用をもたないのはどれか。
1.マクロファージ
2.好中球
3.ヘルパーT細胞
4.樹状細胞
解答3
解説
貪食とは、貪食作用、食作用、ファゴサイトーシスともいい、体内の細胞が不必要なものを取り込み、消化し、分解する作用である。 貪食する対象は、アポトーシス(プログラムされた細胞死)によって死滅した細胞、体内に侵入した異物や病原体、がん化した自己の細胞等である。
1.〇 マクロファージは、食作用をもつ。マクロファージとは、単球から分化し、貧食能を有する。異物を貪食して抗原提示細胞になり、抗原情報がリンパ球に伝えられる。直径15~20μmの比較的大きな細胞で、全身の組織に広く分布しており、自然免疫(生まれつき持っている防御機構)において重要な役割を担っている。
2.〇 好中球は、食作用をもつ。好中球とは、白血球の中で一番多く、細菌免疫の主役である。マクロファージが好中球に指令し、好中球は活性化・増殖する。末梢血白血球の40~70%を占め、生体内に細菌・真菌が侵入すると、まず好中球が感染部位に遊走し、菌を貧食する。
3.× ヘルパーT細胞は、食作用をもたない。T細胞とは、血液中を流れている白血球のうち、リンパ球と呼ばれる細胞の一種である。胸腺(thymus)でつくられるため、頭文字を取ってT細胞と名付けられた。T細胞は膠原特異的な免疫応答である獲得免疫に関与する。免疫応答を促進するヘルパーT細胞、逆に免疫反応を抑制するサプレッサーT細胞、病原体に感染した細胞や癌細胞を直接殺すキラーT細胞などに分類される。
4.〇 樹状細胞は、食作用をもつ。樹状細胞とは、免疫細胞の一種で、体内や体表面で異物を発見すると、それを自分の中に取り込み特徴を持つ細胞である。樹状細胞は、抗原提示細胞として機能し、体内に入ったウイルスなどの抗原を取り込み、他の免疫系の細胞に伝える役割を果たす。抗原を取り込み活性化されるとリンパ管を通り、所属リンパ節に移行する。
38.下垂体前葉機能亢進症はどれか。
1.尿崩症
2.クッシング病
3.シモンズ病
4.バセドウ病
解答2
解説
1.× 尿崩症とは、多尿 (3L/日以上)を呈する状態である。尿崩症には2種類あり、①中枢性尿崩症(抗利尿ホルモンの分泌低下)と、②腎性尿崩症(ホルモンの作用障害)がある。
2.〇 正しい。クッシング病は、下垂体前葉機能亢進症である。クッシング病とは、下垂体にACTHを産生する腺腫ができてACTHの過剰分泌を生じる。満月様顔貌や中心性肥満などの特徴的な症状を呈する。
3.× シモンズ病とは、下垂体前葉機能低下症の一種である。症状としては、倦怠感、体重減少、低血圧などが現れる。
4.× バセドウ病とは、甲状腺刺激ホルモン受容体に対する自己抗体による甲状腺機能亢進症である。症状は、眼球突出、頻脈、びまん性甲状腺腫が特徴的である。Ⅴ型アレルギー反応とは、ホルモンを分泌する細胞に結合する反応で、甲状腺機能亢進症・低下症を引き起こす。
39.粉塵となるのはどれか。
1.青酸
2.珪酸
3.サリン
4.ベンゼン
解答2
解説
じん肺とは、主に小さな土ホコリや金属の粉などの無機物または鉱物性の粉塵の発生する環境で仕事をしている人が、その粉塵を長い年月にわたって多量に吸い込むことで肺組織が線維化してしまった状態である。肺線維症のひとつで、微細な無機粉じんに分類される鉱物由来の粒子(ケイ酸、アスベスト)などを長期にわたり吸入したことで肺胞に沈着し、肺が線維化して呼吸困難が生じる。
1.× 青酸は、液体または気体として存在する化学物質である。
2.〇 正しい。珪酸は、粉塵となる。珪酸(※読み:けいさん)は、鉱物や岩石中に含まれる固体物質で、採掘や加工、土木作業などの過程で粉塵となる。
3.× サリンは、液体または気体として存在する神経ガスである。
4.× ベンゼンは、揮発性の高い液体である。吸入により健康被害(例:白血病)が問題となる化学物質です。
40.水腫の原因はどれか。
1.毛細血管静水圧の低下
2.毛細血管透過性の低下
3.血漿膠質浸透圧の低下
4.血液凝固能の低下
解答3
解説
浮腫とは、体液のうち間質液が異常に増加した状態を指す。主に皮下に水分が貯留するが、胸腔に溜まった場合は胸水・腹腔に溜まった場合は腹水と呼ばれる。軽度の浮腫であれば、寝不足や塩分の過剰摂取、長時間の起立などが要因で起きることがある。病的な浮腫の原因はさまざまだが、①血漿膠質浸透圧の低下(低アルブミン血症など)、②心臓のポンプ機能低下による血液のうっ滞(心不全など)、③リンパ管の閉塞によるリンパ液のうっ滞、④血管透過性の亢進(アナフィラキシーショックなど)に大別することができる。
【低アルブミン血症の原因】①栄養摂取の不足(低栄養状態)、②肝臓における蛋白質合成能の低下、③腎臓から尿への蛋白質の大量喪失(ネフローゼ症候群)など。
1.× 毛細血管静水圧が「低下」ではなく増加すると水腫となる。なぜなら、毛細血管静水圧が低下すると、組織間への水分の移動が減少するため。静水圧の上昇(例:心不全や静脈うっ滞)が水腫の原因となる。
2.× 毛細血管透過性が「低下」ではなく増加すると水腫となる。なぜなら、毛細血管透過性が低下すると、血液中の成分が組織間に漏れにくくなるため。透過性の亢進(例:炎症やアレルギー反応)が水腫の原因となる。
3.〇 正しい。血漿膠質浸透圧の低下は、水腫の原因である。なぜなら、毛細血管内に水分を保持する力が弱まり、組織間に水分が漏れ出すため。例:低アルブミン血症(肝疾患、ネフローゼ症候群など)。となる。血漿膠質浸透圧は、主にアルブミンなどのタンパク質によって維持され、血液中の水分を毛細血管内に引き込む力を持つ。
4.× 血液凝固能が「低下」ではなく増加すると水腫となる可能性が高い。なぜなら、血液凝固能が増加すると、血栓形成と血流障害が起こり、特に静脈血栓症では、血液の戻りが滞り、静脈圧が上昇し、組織間液の再吸収を妨げるため。