第24回(H28年)はり師きゅう師国家試験 解説【午後101~105】

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101.次の文で示す症状に用いる刺法はどれか。「足から膝にかけて冷えがあり、水様便が出る。」

1.短刺
2.偶刺
3.陰刺
4.報刺

解答

解説
1.× 短刺は、骨痹のとき、鍼を揺すりながら骨に至らせ、上下にこする。

2.× 偶刺は、心痹のとき、胸部と背部の圧痛・反応点を前後から刺す方法である。2本使用する。

3.〇 正しい。陰刺が、この症例の症状に用いる刺法である。陰刺は、寒厥のとき、左右の太渓穴に同時に刺入する方法である。寒厥とは、手足や全身が冷えてしまう状態を指し、冷え性を「畏寒」「四肢厥冷」「下肢冷」「腰腹冷」などと表現する。

4.× 報刺は、痛みが動いて定まらないとき、痛む所を追って次々と刺す。

 

 

 

 

 

102.少海から神門までと同じ骨度はどれか。

1.脛骨内側顆下縁から内果尖
2.胸骨体下端から恥骨結合上縁
3.足指尖から踵
4.足三里から解渓

解答

解説

MEMO

少海(※読み:しょうかい)は、肘前内側、上腕骨内側上顆の前縁、肘窩横紋と同じ高さに位置する。

神門(※読み:しんもん)は、手関節前内側、尺側手根屈筋腱の橈側縁、手関節掌側横紋上に位置する。

1.× 脛骨内側顆下縁から内果尖は、1尺3寸である。

2.× 胸骨体下端から恥骨結合上縁は、1尺3寸である。

3.〇 正しい。「足指尖から踵」が少海から神門までと同じ骨度(1尺2寸)である。
・少海(※読み:しょうかい)は、肘前内側、上腕骨内側上顆の前縁、肘窩横紋と同じ高さに位置する。
・神門(※読み:しんもん)は、手関節前内側、尺側手根屈筋腱の橈側縁、手関節掌側横紋上に位置する。

4.× 足三里から解渓は、1尺3寸である。
・足三里(※読み:あしさんり)は、下腿前面、犢鼻と解渓を結ぶ線上、犢鼻の下方3寸に位置する。
・解渓(※読み:かいけい)は、足関節前面、足関節前面中央の陥凹部、長母指伸筋腱と長指伸筋腱の間に位置する。内果尖と外果尖との中点にあたる。

骨度法とは?

骨度法とは、骨を基準にして、身体各所の長さを尺寸によって定める方法である。

骨度法:1尺10寸、1寸10分
【頭顔面部】
前髪際中点~後髪際中点:1尺2寸
眉間~前髮際中点:3寸
両額角際間:9寸
両乳様突起間:9寸

【胸腹部】
頸切痕~胸骨体端:9寸
胸骨体下端~臍中央:8寸
臍中央~恥骨結合上縁:5寸
両乳頭間:8寸

【上肢】
左右の肩甲棘内端縁間:6寸
中指尖~手関節横紋:8寸5分
腋窩横紋前端または後端~肘窩:9寸
肘窩~手関節横紋:1尺2寸

【下肢】
恥骨結合上縁~膝蓋骨上縁:1尺8寸
膝蓋骨尖~内果尖:1尺5寸
脛骨内側顆下縁~内果尖:1尺3寸
脛骨内側顆下縁~膝蓋骨尖:2寸
大転子頂点~膝窩:1尺9寸
殿溝~膝窩:1尺4寸
膝窩~外果尖:1尺6寸
内果尖~足底:3寸
足指尖~踵(足底):1尺2寸

 

 

 

 

 

103.経穴の部位と動脈の組合せで正しいのはどれか。

1.人迎:顔面動脈
2.曲沢:尺骨動脈
3.申脈:後脛骨動脈
4.太衝:足背動脈

解答

解説
1.× 顔面動脈は、「人迎」ではなく大迎である。
・大迎(※読み:だいげい)は、顔面部、下顎角の前方、咬筋付着部の前方陥凹部、顔面動脈上に位置する。
・人迎(※読み:じんげい)は、前頸部、甲状軟骨上緑と同じ高さ、胸鎖乳突筋の前縁、総頚動脈上に位置する。扶突(大腸経)の内方にあたる。

2.× 尺骨動脈は、「曲沢」ではなく霊道や通里である。
・曲沢(※読み:きょくたく)は、肘前面、肘窩横紋上、上腕二頭筋腱内方の陥凹部に位置する。
・霊道(※読み:れいどう)は、前腕前内側、尺側手根屈筋腱の橈側縁、手関節掌側横紋の上方1寸5分に位置する。
・通里(※読み:つうり)は、前腕前内側、尺側手根屈筋腱の橈側縁、手関節掌側横紋の上方1寸に位置する。

3.× 後脛骨動脈は、「申脈」ではなく太渓である。
・申脈(※読み:しんみゃく)は、足外側、外果尖の直下、外果下縁と踵骨の間の陥凹部に位置する。
・太渓(※読み:たいけい)は、足関節後内側、内果尖とアキレス腱の間の陥凹部に位置する。

4.〇 正しい。太衝:足背動脈
太衝(※読み:たいしょう)は、足背、第1~2指中足骨間、中足骨底接合部遠位の陥凹部、足背動脈拍動部に位置する。

 

 

 

 

 

104.長母指外転筋腱と短母指伸筋腱の間にとる経穴はどれか。

1.太淵
2.偏歴
3.陽渓
4.列欠

解答

解説
1.× 太淵(※読み:たいえん)は、手関節前外側、橈骨茎状突起と舟状骨の間、長母指外転筋腱の尺側陥凹部に位置する。

2.× 偏歴(※読み:へんれき)は、前腕後外側、陽渓と曲池を結ぶ線上、手関節背側横紋の上方3寸に位置する。

3.× 陽渓(※読み:ようけい)は、手関節後外側、手関節背側横紋橈側、橈骨茎状突起の遠位、タバコ窩(橈骨小窩)の陥凹部に位置する。

4.〇 正しい。列欠は、長母指外転筋腱と短母指伸筋腱の間にとる経穴である。列欠(※読み:れっけつ)は、前腕橈側、長母指外転筋腱と短母指伸筋腱の間、手関節掌側横紋の上方1寸5分に位置する。

 

 

 

 

 

105.伏在神経の支配領域にある経穴はどれか。

1.梁丘
2.犢鼻
3.足三里
4.豊隆

解答

解説
1.× 梁丘(※読み:りょうきゅう)は、大腿前外側、外側広筋と大腿直筋腱外縁の間、膝蓋骨底の上方2寸に位置する。

2.〇 正しい。犢鼻は、伏在神経の支配領域にある経穴である。伏在神経は、大腿の内側を通り、膝とふくらはぎの内側を走行する。下肢の皮膚の感覚を司る神経である。
・犢鼻(※読み:とくび)は、膝前面、膝蓋靱帯外方の陥凹部に位置する。

3.× 足三里(※読み:あしさんり)は、下腿前面、犢鼻と解渓を結ぶ線上、犢鼻の下方3寸に位置する。

4.× 豊隆(※読み:ほうりゅう)は、下腿前外側、前脛骨筋の外縁、外果尖の上方8寸に位置する。

 

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